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会社のコンクールでもらった図書カードで購入。
大学を休学している主人公が父を亡くした可奈子と名乗る女性から
父の小説五編を探してほしいと依頼を受ける。
多額の報酬に釣られて調査を始めるが調査を進めていくうちに「アントワープの銃声」という可奈子の父が被疑者の事件にぶち当たる。
5つの結末の書いていない小説に真実がこめられている。
最初は読みにくい話かなと思ったけれど読んでいくうちに飲み込まれていった。本当に面白い。結末がわかったようでわからない、そんな気持ちになるのもすごく心地よかった。
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アントワープの銃声は、いったい何のために響いたのか。
主人公の動機がいまいち……。
リドルストーリーは面白かった。
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伯父の開いている古書店でアルバイトをしている青年が、亡くなった父が書いた5つのリドルストーリーを探してほしいという依頼を受けて調査する。
追想五断章というタイトルにまず惹かれ、読み始めて納得、読み終えて満足。米澤さんの本にしては珍しく青春っぽくないかもしれない。
2009/11/12
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亡くなった父親が生前5作だけ小説を書いていたらしい。
それを探してほしい・・・と以来された古本屋の青年。
父親は何を思ってその5作を書いたのか
作品を探すうちに隠された過去が暴かれる
うーん、個人的にはあまり好みじゃなかったかな
端正な文章ではあるんだけどね
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最後の断章が結局何を意味したのか読み取れないうちは評価をつけるのはおこがましい…
面白かったです。でも最後が気になる!
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絶望的なラスト、とかでなくなんか地味に展開して地味に終わった感じ。寂寥感?みたいなのは米澤氏らしいと思うが今までの作品と比べるとどうしても劣って感じる。
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一人の少女の文集の作文から物語は始まります。
背後から迫ってくる暗闇から逃げたいのに逃がれられない。
文章からはそんな不安と怖れが伝わってきます。
いったい彼女は何を怖れているのだろう、と冒頭から惹き込まれました。
その少女の名前は北里可南子。
伯父の古本書店で腰掛バイト中の芳光。ある日、ある女性が訪れ、叶黒白という小説家の掌編が載った同人誌を探しているという。その女性の名前は北里可南子といった。叶黒白というのは彼女の父のペンネームで、全部で五編の小説を何らかの形で残しているという。
叶黒白の小説は、残されたメモから推察するにどれもリドルストーリー、すなわち読者に結末を委ねて結末を描いていない小説のようだととのことだ。彼女は父親の結末を見つけたことから小説の存在を知ったとのことだった。
「奇跡の娘」という一遍を見つけたことから、芳光は他の4編の捜索も受けることになるのです。
数少ない手がかりを頼りに芳光が一遍一遍見つけていきます。
その捜索の過程も面白いですが、発見した後に、その見つかった小説と可南子が見つけた結末を読むのがとても楽しみでした。
「奇跡の娘」「転生の地」「小碑伝来」・・・。
物語を追ううちに芳光はスイスで起こった「アントワープの銃声」というある事件に行き当たります。その事件の真相も小説同様、闇に包まれていて・・・。その事件の真相は。彼女の父は殺人者なのか。
小説を見つけるごとに増えていく謎という、ぐいぐい読ませる手法にはまって一気に読んでしまいました。
叶の小説には、どれも夫婦と娘という3人家族の生死がテーマになっていて、どれも中途半端なところで終わっている。本当の結末は?著者の意図は?
現実の事件と小説の結末とがリンクしていくのがリドルストーリーを使って巧く描かれていました。
辿り着いた一つの結末。最後の手紙は衝撃でもありました。
そして一番最後に見つかった一遍。
その結末の真相は春になったらわかるのでしょうか。
今までの米澤さんとはまた違った引き出しを見せられた感じです。
全篇を通じて重く静かな雪が降る中を、雪に足をとられながらも一歩ずつ真実に向かっているような静寂と重厚さが合わさった作品でした。
読了後に再び序章の文集を読むのがおすすめです。
お気に入り度:★★★★☆
(2009年9月30日)
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構成がとにかくうまい。ある程度先が読めてもぐんぐん引き込まれる。最後の問いには若干の切なさが残り、なんともいえない読後感。
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学園モノを書く反面こんな読んでいて苦しくなる
作品も手掛けるなんて...米澤氏恐るべし...。
ストーリーの鍵となる5つの作中作。
これについての謎は正直解けるものだった。
だけどその回答が明らかに二者択一のものである以上、
白だったものが選択次第で黒くなる訳だ。
それが解る事で誰も得はないし、苦しくなるのに...
5編のストーリーを書かなければやり切れなかった男の苦しみ。
そして、結果その謎を追う事になった主人公の悲哀。
うーん、重いよー。
なのにページを捲る事がやめられない。
今年の米澤作品中、一番高い評価なのが身に染みて分かったス。
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あぁ、なんか読後感がやるせない…5つのリドルストーリーとその作品の裏に潜む真実…の話なのかなぁ。リドルストーリーをきちんと読み返して、その意味をもう一度確認したくなる作品でした。
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古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。二十二年前のその夜何があったのか?幾重にも隠された真相は?米澤穂信が初めて「青春去りし後の人間」を描く最新長編。 (「Book」データベースより)
初の作家さんです。
2009年のミステリーランキングの上位に入っていたので、読んでみましたが・・・・・面白かったです。いや・・・面白いという表現でいいのかな・・・・話自体はちょっと悲しくて、でも読了感は良いんですよね。全体的になんとなく暗くて、主人公自体が八方塞の中で苦しんでいるんだけど・・・・なんでこんなにすっきりと読めて、読んだ後も良い気持ちなんでしょう・・・・とても不思議です。
お話の中にリドルストーリーが5話出てきます。リドルストーリーという言葉もお恥ずかしい話ですが知りませんでした。結末の書かれていない小説とでもいうのしょうか、そのリドルストーリーが22年前の事件と絡んでいるのですが、普通は結末を用意しないリドルストーリーになくなった父が1行ずつの結末を書き残しています。その結末が面白いんですね。1行ずつの結末を5話の中で置き換えただけで、そのリドルストーリーの内容がガラッと変わり、22年前の事件の真相も変わっていく・・・・こんな風なミステリーもあるんですね。初体験かもしれません。出会えてよかった1冊ですね。
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小説を読み終わったとき、一番に頭へ浮かんだ言葉は「あ、終わった」とそれだけだった。
小説を読むことは多分、次はどうなるんだろうってどきどきしながら読み進めることだと思う。だから、間のストーリーラインも大切だけど、結末がやっぱり大事じゃないかなぁ。なのに最後の雪の花がどうも…。とりあえず〆っぽいストーリで終わらせてみました、という感じがしてしまった。雪の花で、叶白黒の伝えたいことがさっぱりわからない。うん、だから?となってしまう。
[批判的独善的内容含む]
途中の展開もどうも。面白い小説って、全ての設定が生きていて無駄な展開がひとつもないものだけれど、正直言って一回忌のことや、もう一人のバイトの女の子は蛇足としか思えない。古本屋に居候していることも、本屋でバイトをし始めたことも、嗚呼そういうストーリーに繋げたいからそういうことにしたんだね、って肩を竦めてしまう。大学を休学していることだってそうだ、それがいったい主人公を構成する要因として如何程大事だったか?復学まで友人たちと連絡を取るつもりはないといった彼の決意はこの物語にいったいどんな影響を、少しでも与えたのか。
その上追想五断章ですらもリドルストーリー的。本編より、転生の地とか間の短編のほうが面白かったぐらいかも。
もうちょっと感受性の高い人なら、心に染み入る何かがあったのかもしれないが、浅い。
インシテミルは割と面白かった記憶があるが、そのインシテミルも古典部シリーズも、この追想五断章も、読んでて、「へぇー……で?」程度にしか思えなかった。面白くないわけではない。しかしヤマもオチも平坦だ。まぁまた読みたい本ではない。「で、次はどうなるの!?」ってワクワクできる作家さんではないんだなぁ…
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リドルストーリーと本筋との関わりの自然さが見事。米澤さんは犬はどこだ、とかコレみたいなダーク路線の方が好きだなー。
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主人公は、「犬はどこだ」の探偵に少し似た古本屋の若い居候。
客の依頼で探し始めた5つの短編小説が、過去に起こったひとつの事件の真相を残すものだった。
…とまあ、あらすじ。特に思うこともない本でありました。結末も予想の範疇。
しかし時代設定がバブル崩壊直後なのはなんでかな。
過去の事件と登場人物の年齢と謎解きの可能な隔たりをもろもろ両立させようと思ったら、このあたりしか落しどころがなかったのかな。
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夢もなければ希望もない。救いもない。こうして謎を解いても残るのは苦い思いだけ。それなのにどこか一筋の希望が見える気がして、読後感は不思議とよかったです。
主人公は決して魅力的とは言えませんが、人物の魅力よりも、1話1話のリドルストーリーの出来が秀逸で、それだけでもこの作品を読む価値がある気がします。血眼になって犯人捜しをするミステリーばかりがミステリーではないと納得させてくれる作品です。