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うーん、ずしーんと重たい読後感が残ります。
続編を読むまでさらっと流していた世界設定の中の
齟齬を埋めるかのように、
人としての
獣としての
生き物としての
営みについて、多くが述べられています。
人物や獣の間に漂うほのかな温かみと、
とりまく世界の冷ややかさ、
そして、相変わらず美味しそうなごはん(笑)、
あっという間に引き込まれて読み倒してしまいました。
エリンが誰と結婚したのか確かな記述が
なかなか出てこなくてちょっとハラハラさせられました。
欲をいえば、そこにいたるまでのロマンスを読みたかったな…。
ともあれ、このために丸一日有休をとって悔いなし!です。
尽きない謎と次代に残していく灯火の話が
とても印象に残っています。
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所在:自宅マンション
王獣たちを武器に変えるために、ひたすら訓練をくり返すエリン。――けっしてすまいと思っていたすべてを、エリンは自らの意志で行っていく。はるか東方の隊商都市群の領有権をめぐって、激化していくラーザとの戦の中で、王獣たちを解き放ち、夫と息子と穏やかに暮らしたいと願う、エリンの思いは叶うのか。王獣が天に舞い、闘蛇が地をおおい、<災い>が、ついにその正体を現すとき、物語は大いなる結末を迎える。
最後はちょっと重かった・・・、けれど読んでよかったです。
これを読むと、最初から書かれるべくして書かれた完結編なんだ、と思いました。とても心に残る作品です。
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けっして王獣を武器にはしないと決めていたのに、自らの意思で訓練を繰り返すエリン。
一方、商隊都市の領有権をめぐり激化していくラーザとの関係。
王獣を解き放ち、夫と子供と穏やかな生活を送りたいと願いながらエリンは戦いの中に巻き込まれていく―――
王獣編を読み終わった時も壮大な物語だと思いましたが、今回はそれ以上でした。
リョザ神王国の歴史書を読んだみたいな気分になります。
闘蛇編・王獣編ではリョザ神王国内での争いでしたが、今回はリョザ神王国とラーザとの国家間の争いに巻き込まれていくエリンとイアルとジェシの一家。
王獣と闘蛇をぶつけることで起こる災いを見極めようとするエリン。
闘蛇乗りとなりエリンと共にいようとするイアル。
父も母も自分をおいて死のうとしていると感じるジェシ。
なんでこの一家は穏やかな生活を送ることができないのかと切なくなりました(ToT)
そして避けることができず起きる災い。
エリンの最後には泣いてしまいました。
こういう結末しかないだろうと予想してましたが、悲しかった。
それもこれも霧の民であるナソンがはっきりとエリンに真相を話していたら・・・そうすれば避けられたのに(`´)
とちょっと憤りを感じたり(^_^;)
この本に出会えて本当に良かった。
今年1番の本だと思います。
今年の春に闘蛇編と王獣編を読んだはずなのに、もう一度最初から読み直したいです。
ただ、不満点が一つ。
エリンとイアルの幸せな日々を見てみたい><
本文中に戦いに巻き込まれていくのを覚悟した二人が、「死ぬまでの間にこの(幸せな)十年があって、よかった」と言っているシーンがあります。
肝心のこの十年というのが王獣編と探求編の間なので、本編で語られてないOTL
ときどき回想シーンで垣間見れたけど、ちゃんと見てみたい。
口数少ない二人がどのようにして結婚に至ったのか、ジェシが生まれどんな生活を送ってたのか知りたい。
続編は無理だと思うので、外伝的なものを上橋先生に書いてもらいたいなぁ・・・
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読後三日ほど現実へ帰れず。お盆休み中で良かった。大団円とはいえないかもしれないが、少なくともバッドエンドではなかったと思う。読後すぐでなく、翌日辺りから泣けた。涙腺が固い私にしては珍しい。外伝出ないかなこのシリーズ……。
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衝撃的な結末でした。
でも、これでよかったのかなとも思った。
もう少し落ち着いたら、もう一度読み返したいです。
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人と獣は分かり合えるようで合えない、そんな繰り返しだったと思います。エリンの選んだ道は辛く重かったですが、繰り返しても同じ道を選んでしまうんでしょうね。
最後は悲しかったですが、それでも獣は解き放たれて良かったと思いました。
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読んでいる時から、重い、と思いましたが、読後の感覚はなんともいえない少しのもやもやと救われたなと思う気持ちでした。
最後の物語で涙が出てしまいました。松明の話は何度読んでも泣きたくなります。この物語で一番印象に残った話です。
2巻で終わり!のつもりではじめの2冊は読み終えていたので、続編が出るときいてこれは読まねば!と読みましたが、2巻で一つの終わり。4巻でもう一つの終わり、だと思っています。エリンの見方が子供の目線から親の目線にかわったからかもしれないのですが、1,2巻と3,4巻で違う匂いを感じるのがひとつの理由です。
3,4巻はもっと気合を入れて読めばよかったなと少し後悔してます。気持ちがぐらぐらっとしてしまってエリンについては何となくそんな気はしていたんですが、ラストのほうで少し思考停止してしまったので。
何かがどこかでずれていたり、わかっていたりしたならば、良くも悪くも結果は変わっていたのかなと思うとなんともいえない気持ちになります。
国のその後に関しても、イアルやジェシ、王獣に関してもこれも一つの終わりかただし一つの救われ方かな、とは思うのですが、どうにも泣きたい気持ちになるのは何故かなぁ。
しばらく時間を空けてから再読したい。
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闘蛇編と王獣編は文庫で、後半二冊はハードカバーで。
続きが気になって気になって、もう一気に読んでしまいました。涙腺が決壊状態でヤバかった。
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これは・・・・!!すごい!今までの上橋作品は、ラストがいつも消化不良気味だったんやけど、
今回はその壁を突き抜けた感じがあります。
ほんとにすばらしい!!最後の最後まで気が抜けない!
怒涛の展開と、満足のいくラスト。
エリンの家族への、獣たちへの愛情がせつない。
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内容に触れています。
家族愛だった! 最後の最後、ジェシが何をしようとして、エリンが何をしようとしたのか分かった時の悲しさときたら…! あああ(泣) なんでこう、世界は回ってしまうんだろう。
この家族を幸せにしてあげてよ!と泣きました。でも、容赦のないところがこの作品の魅力の一つだと思います。
エリンは最後まで格好良かったです、毅然として。甘えないで。エリンは怪我ばかりしてますよ。もっと自分を大切にして…!って思ってるイアル。急逝するキャラだとは思っていましたが、おお…(涙)
彼女の生き方の根っこのほうにジョウンがいたり、ちゃんとジョウンに幸せな姿を見せることができて良かった。ジョウンとの別れと死別のシーンは泣きます。
エリンはけっこう人間について、投げやりな想いを抱いたりして、退廃的な部分もあったかと思うんですが、こう、家族愛が見られてほっとしました。完全に、その思いが消えたとは思わないし、イアルもイアルでそういった空気をまとっていますが、それでも、だからこそ惹かれあって、幸せだと思える時を過ごせたこと、本当に嬉しかったです。
エリンを亡くした後のイアルが、日々どう過ごしていたのか考え出すと、切なくて目の前が見えなくなりそうです(シクシク) 悲しさを表に出すような人ではないので、穏やかに淡々と過ごしていたのだと思います。
「この10年があって良かった」ってセリフが切ないです。もっと、もっと、イアルに幸せになって欲しかったぜ。
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人生の完結をひとつ見たような感慨がある。あかるい話ではなく、とても重いと思うけれど。とうとうエリンは息子を守り抜いたなあ。その心をつぶさなかった。困難な道をよく歩ききったと感嘆しきりです。
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3巻、4巻を読む前に
改めて1巻、2巻を読み直して、ばっちり復習をしてから読みました。
初めて1巻を読んだ時も、涙がとまらず、
最終巻を読んだ時も涙がとまりませんでした。
3巻、4巻では、主人公の女の子が成長して、
お母さんになっていたので、
自分には未知の世界で、
1巻、2巻のように理解出来なかった所もあったけど、
それでも、やっぱり感動は大きかった。
どんな言葉で、この感動を表現したらいいのかわからない自分の
言葉の未熟さがもどかしいです。
ここ2,3年で読んだ本の中で、No1です。
さらに、子供が出来たときに読ませたい小説の1冊でもあります。
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完結編。文字通り駆け抜けたエリンの一生。番外編や補足はあったとしても、この物語はこれで完璧に完結である。読み終えたばかりなので、今はただため息しか出ない。
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3,4 本来書くつもりのなかったこの作品
素晴らしかったよ!
人生を体験させてもらったよ。
上橋さんは、日本の漫画体験があんまりないのかなぁと言う気がします。
画面構成が洋画っぽい。全体がほこりっぽくて、乾いていて日本じゃないんだよなぁ。
アボリジニ研究が本業だという先生のプロフィールにインスパイアされてしまっているのかな。
何か文章も乾いていて、どんなファンタジーを描いていても、だからこそリアルに感じる気がします。
恋愛を前面に押し出してない感じもいい。
息づかいも、ぬくもりも、獣の匂いも文章から立ち上ってくるような。素晴らしい作品。
命はつきても愛は連綿と続いていくよね。
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グリフィンとかグリフォンとか呼ばれる想像の獣が王獣のモデルなのだろう〜閉ざされた歴史を身をもって再現するため,エリンは王獣の繁殖と馴致を,イアルは大公の下で新闘蛇部隊を築くために活動する。帝国ラーザも闘蛇部隊を編成し,リョザの支配地へ侵攻する動きを見せ,エリンは真王の要請で王獣を竪琴で操りながら戦場に赴く。闘蛇は王獣が現れると狂乱して猛毒の霧を立ち上らせ,王獣もそれにより狂乱して,周囲の人も建物も全滅に追いやる。息子のジョシも母の墜落する姿を目撃し,夫のイアルも妻の救出に駆けつけて,エリンが息を引き取るまでに口述して後世に戦いの悲惨さを残した〜彼女の立教大学博士課程単位取得退学(文学博士)という経歴は何なのでしょう。スランプであったらしく,気の毒ではあるが,再起したらしいので,まずはめでたい。また陥るだろうなあ。彼女の書く物語は暗い方向を向いているからなあ。意図してか無意識か,働く妻を持つ理想の夫を描いている様に思われる。