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イギリスの作家パトリシア・A・マキリップの『妖女サイベルの呼び声』をマンガ化した作品。
原作が大好きで、マンガ化もされていることは知っていましたが、今回思い切って全巻そろえてしまいました。
岡野玲子さんの絵が幻想的で、原作のイメージにとっても合っていました♪
物語は山奥の城で1人伝説に語られる幻獣たちと暮らす若き魔女、サイベルの元に赤子を抱えた1人の騎士がやって来るところから始まります。
偉大な魔術師だった祖父や父から、心(マインド)に語りかけて幻獣たちを引き寄せる術を習い、知恵あるイノシシや、偉大なライオン、夜の貴婦人と呼ばれる猫や巨大な竜まで従えるサイベルですが、人間たちの中で翻弄され、愛を知って苦しむことに…
原作をなぞりながらも、岡野玲子さん独特の世界観と合わさって、魅力的なサイベルが描かれていました。
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再販をずっと待ってました。
陰陽師に通じるテーマもあって、愛と復讐とロマンス風味が読みやすい。
原作に忠実、でも深く読み込んだ表現がマンガの醍醐味です。
あとはいつも思うのですが、岡野さんの手の表現だけが不満です。
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陰陽師からの岡野玲子。
やっぱり岡野玲子の世界観、というか、ふたつとも原作あっての漫画だけど、こういったものを選択するあたりが好きだなおれは。
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原作以上を引き出すって夢だなー…と脱帽するしか無い、というか。陰陽師にしろ、岡野先生はその側面からも最高峰だなと思います。
表現の媒体を変えるとき、その異なる表現文法のためにあらゆる“翻訳”が必要になるわけですが、それが成功している/成功した事例というのはそう多くないと思い、またそれがいかに難しいかと言うことにも想いを馳せます。
パロディではなく、しかしある種のパロディとすべきライン、直訳ではなく意訳にすべきラインをよく見抜き、さらにそれだけでなく、深部を重ねたり引き出したりしてしまうこと。一人の表現者という翻訳家を通した時に起こる、これはもはや消化ではなく昇華なのだろうなと、美味しく頂きました。
愛について十分に辛辣で、十二分にロマンチックな一作でもありました。自己愛も含め。
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http://scheherazadeoflight.blog.fc2.com/blog-entry-129.html
http://scheherazadeoflight.blog.fc2.com/blog-entry-756.html
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すごいファンタジーを読んだ。
陰陽師以来の岡野玲子の凄まじい力量を見た。
と思ったが、コーリングのほうが陰陽師より先だったらしい。なんで今まで知らなかったのか!
ということは岡野玲子が描いたのは相当若かった頃なんだろうが、深い思索を感じられる大人の作品である。
登場人物の心情は原作に忠実とあとがきにある。ファンタジーなのに人物の存在感が重い。生意気な少女魔術師だった主人公が変化していく物語は内面世界の広さに圧倒され、全3巻一気に読まされ集中力が切れなかった。
この作者のすごい作品にまた出会えて良かった。