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顔の見えない霞が関官僚。
彼らの進める大義なき省策(あえて政策とは言わない)のため、また、正義なき検察、自己目的化した行動により、真に天下国家を憂う政治家が葬られる構図がまとめられた著作である。
そして、検察と裁判官の馴れ合いで真実無実でありながら、有罪の汚名をかぶせられる。
情状酌量で、執行猶予などがついたとしても何ら浮ばれない人たち。
法務官僚たちの行うダブルスタンダードは絶対許してはならない。
それにしても、検察の取り調べは、やくざ顔負けの卑劣な行為であり、いつの世か必ずや天誅が下るであろう。
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~p147。
後半(汚職事件について)に入れなかった。
前半だけでも非常におもしろかったし、検察の問題、原発の問題
を抜きにしても読む価値のある本だと思う。
1年以内に再挑戦したい。
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汚職事件って、ほとんど作られたものなのかもしれませんねぇ~~~。国の原子力政策は、レミングのように破局に向かって全力で走りきる決意でも固めたように思える。その通りかもしれません。
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前福島県知事の佐藤栄佐久氏の著書。原発事故が起きてから、注目が高まった本。佐藤氏は原発問題で東電や政府の方針と対立していたが、選挙では強かったようだ。しかし、県発注のダム工事をめぐる汚職事件で逮捕。第一審で有罪判決を受けている。その後、東京地検特捜部の信頼性も揺らいだこともあり、その意味でも注目されているのかもしれない。検事が東京拘置所の取調室で「佐藤知事は日本にとってよろしくない、抹殺する」といった言葉が本の題名になっている。原発の透明性の確保と県民を守る立場をとっていたが、中央政府からはいろいろな圧力があったようだ。逮捕に関してもその延長線にあるとの含みがある。一方で、権力が大きい知事が、身内のことなどで捜査に巻き込まれていく過程をみると、綻びを出さず運営していく難しさも理解できる。
大震災以降、東電や保安院の関係もよく報道されているが、数年前から指摘していた佐藤氏の見識が不幸にして先見性のあるものになってしまった。以下のようなくだりがある。2002年の話。―――福島第一原発では長年にわたり点検記録をごまかしていたが、検査記録の改ざんが内部告発された。経産省の保安院は、立ち入り検査して告発内容について検討すべきところを、よりによってその告発内容を、改ざん隠蔽の当事者である東京電力に照会し、調査は東電に任せていた。しかも、告発者の氏名などの資料も東電に渡していたので、原子力発電の現場では「経産省や保安院では危ない」と感じ、その後の内部告発は福島県庁に相次ぐことになった。また、佐藤氏は以下のようにも述べている。原発は巨大技術であり、その細部まではうかがい知ることは出来ない。ならば、何を信用すればいいのか。外部から見れば、「原発を動かす人、組織、そして仕組み」が信頼にたると思われるものであることが必要。これは、今回の事故で、多くの人が再認識したことだと思う。大震災で福島原発の事故が起こらなければ注目されなかった本だが、いろいろな示唆に富んでいると感じた。
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原発推進派はずっと反原発派を軽んじてきた。原子力産業の中では真剣な議論をタブーとする風潮があった。現在の状況を招く前に、もっとできることはあったはずなのに。
原発のある地域の話題になるたびに、「原発で潤っていたのだから、その地域の人達は原発に反対するはずない」って言う人がいるけど、そんな単純な事じゃないんだよなぁ…。
足利事件と311を経なければ、私にはこの本に書かれていることが理解できなかった。それがひどくもどかしい。
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原発事故を受けて読んでみた本。こういう権力サイドの陰謀論は何冊も読んだが、どうも苦手かも。この本の質がどうこういうより、こういう恨み辛みがこもった本を読むこと自体、僕の体があまりうまく受け付けてくれないのでしょう。僕の故郷の島根もそうだけど、これから地方は原発のリスクとお金の問題をどう扱うか、リアルに深刻な悩みになっていくと思う。沖縄の基地もそうやけど。
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当事者本人の筆なので、客観性の欠如は否めない。特に著者
逮捕のきっかけとなった実弟の動きには謎の部分が多い。この
部分が明確になれば…ともどかしさを感じる。
それでも、検察の「まずは事件ありき」の姿勢には唖然とさせされる。
著者や関係者に対する東京地検特捜部による取り調べの様子は、
記憶にも新しい障害者郵便不正事件とあまりにも重なり過ぎる。
「知事は日本にとってよろしくない。いずれは抹殺する」
著者の実弟の取り調べを担当した検事の言葉だ。贈収賄事件は政治家
などの公的身分のある人間が関わっていなければ事件として成立しない。
水谷建設が絡んだ一連の事件のなかで、霞が関と喧嘩をして来た著者が
検察から格好の獲物にされたのではないか。
謂わば、パズルのピースを探していたのではないだろうか。
結局は有罪判決が出るのではあるが、東京高裁は賄賂額ゼロという
判断を下した。汚職事件では前代未聞ではないのか。
さて、検察の取り調べの模様や公判の過程よりも興味深いのが、知事
時代の著者の活動である。
特に福島原発及び東京電力への対応に関しては、現在の原発事故を
予言したようでもある。決して反原発ではなかった著者が、東京電力の
事故隠し・データ改ざんに憤り、不信感を深めていく様はまさに今の
避難地域住民の感情とシンクロするであろう。
鎌田慧『原発列島を行く』では電力会社が過疎地域を金の力で原発立地に
変えて行く様を知ったが、本書では電力会社及び原子力安全保安院の
いい加減さを改めて知った。
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図書館で予約して1ヶ月、漸く手にしてその日のうちに一気に読破してしまった。最近よく耳にする大物政治家の汚職摘発事件を本人の口から語るという切り口の本という認識だったが、ちょうど東北大震災の福島第一原発の事故があってから著者が一躍話題の人となったのを機会に読んだのだが、想定どおり手応えのある内容だった。
書は大きく分けて、原発政策・地方分権・つくられた汚職事件の3つの軸から構成されている。原発推進の蔭で安全が二の次にされた事で住民を守る毅然とした態度に変容していく様、国が使い道を定めた補助金制度を撤廃して住民の生活に関わる政策は県など地方行政が主体的に決定すべきと全国知事会が国に方針転換を迫っていく過程、水谷建設の脱税事件に絡み身内と結託して賄賂を受け取ったとされる汚職事件に失脚していく経緯。とくに汚職事件では潔白を叫びつつも周囲の人間を巻き添えにする罪悪感から虚偽の調書にサインする決意を固めていく内容にページが割かれている。
大物政治家が汚職がらみで検挙されるケースは良く耳にするが、傍目からは真相がわからない。この書を読むと政治家達は仮に冤罪であっても失脚せざるをえないという実情を窺い知ることができる。同様の立場で煮え湯を飲まされたケースは過去少なくないのかも知れないと思えてくる。類書を読み比べてみても手応えのある本だった。
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再刷されたので今読んでます。「うつくしまふくしま」、私も良いコピーだと常々思ってました。
読み終わりました。つくられた汚職事件。
ひとつ違和感があったのは、吉田松陰の話を出しているところ。松蔭先生のことは尊敬するとしても受け入れられない。全ての福島県人の心に寄り添っていたなら、ここの記述はなくても良かったと思います。
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もと福島県知事の佐藤栄佐久が収賄の容疑で有罪にされた事件を、自らの視点で振り返った本。結局こういったものは関係者本人にしか真実はわからないもの。でも最近の報道で検察の暴挙ぶりはうかがえるので、全く嘘ではないだろうな。どんなに無実でも逮捕だけはされたくないな。
この本を借りた目的は、311の震災から引き起こされた福島第一原子力発電所の事故を見ていて、いろいろな報道がある中、そもそも福島原発はどのように開発され、運営され、現在に至るのかをその背景を最も知っていると思われる福島県の知事の言葉で聞いてみたかったこと。
この本は前半は福島原発を巡る、東電、経済産業省(当時は通産省)、県の争いがほとんどを占め、それから全国知事会による地方分権の論議に割かれている。
後半は汚職事件が100%。
新しい発見はプルトニウムの意味合い。プルトニウムは原爆に簡単に流用できる為、原発の使用済み燃料であってもプルトニウムを日本国内においておくのは近隣諸国に防衛上緊張感を生じさせてしまう。その為、日本はプルトニウムを処理する為に高速増殖炉もんじゅを開発したが、運用の見込みさえ立たない。そこでプルサーマル計画がフランスの再処理ビジネスを絡めて強引に進められた。
これを強引に推し進めたい経済産業省をはじめとする完了と、それに強く結びついた東電は反対派から攻められることを恐れて、盲目的に事故を隠す隠蔽体質になってしまった。
そこを丁寧に攻めていく佐藤知事。それによって敵を作ってしまう。
原発は国内のエネルギー問題、環境問題、公害問題だけではなく、外交、安全問題もからむ複雑なものであることが良く理解できた。
ただ、それを踏まえても、原発の必要のない世界を一旦立ち止まって考えることは絶対的に必要なのではないかと思う。
改めて日本のマスコミ、政府、経済界含めて、以下に閉鎖的か、が良く分かる事例になった。
この本を読んでの意外な発見は地方分権に対する全国知事会の位置づけ。田中康男や東国原、石原ばかりが目立つが、地方分権に関する政府、議員、官僚の立ち位置は思った以上に強く、複雑であることが分かった。
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クリーンに公務をこなしていたとしても、国策に沿わないというだけで、こうも簡単に犯罪を創り上げられて、葬られてしまうとはやるせない内容。
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小沢幹事長と検察との事があって、この本を読んでみました。いろいろと考えさせられました。学校で学んだ「推定無罪」が、現実の社会ではマスコミの報道等を見てもそうなってないなぁ というのに気づかされました。別の視点から物事を見るきっかけになります。
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震災による原発事故で、この本に関心を持った。
前半の原発や地方自治での国等との戦いのあたりは、本人だから自分に都合よく書いてるところもあるだろうなと思いつつ、何しろこの人が懸念したとおりに原発がああなっちゃってるわけだから、非常に説得力があるが、後半の汚職事件のくだりは不透明なもやもや感が漂う。
まあ、書いているのが本当なら(本当というのは十分ありだと思う)、何の罪で自分が逮捕されるのかもわからない状況で、著者の主観的に、全容が見えていないための不透明さもあるわけだが、結局、著者自身は知らなかったにせよ、著者の弟は知事の身内であることをいいことに汚いこともしていたようだし、著者が「まじめな人間だと思っていたし、仕事ぶりを評価もしていた」土木部長に至っては本当に収賄していたようだし、それに気づかず、気づこうともせず、クリーンなつもりでいたとは、あまりに脇が甘すぎる。
検察のヒドさも、著者の事件以降相当明らかになったわけだが、どうもこの件については、純然たるでっち上げによる国策捜査というわけではなく、事件自体はあって、その主プレイヤーが知事の弟や県の土木部長なのだから、知事が関わっていると検察が推測するのも当然と思われる(その後の取り調べ方の是非はともかく、というか、相当酷いやり方なのだが)。
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著者は前福島県知事、玄葉大臣の義父。真実は裁判所の判断に委ねたいが、中々一般庶民には伺い知れない知事の仕事、人となり、検察、といった重いテーマをリアルに描いている。一気に読破してしまった。
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私のまったく知らなかった日本の政治、原発の事実に驚愕。そして、自分の国、土地のために、熱くたたかう政治家がいたということにも感動。しっかりと自分の国の政治のありかたに注目していかなければと考えさせられる。