紙の本
「楳図ハウス」の全貌が、蜷川実花のヴィヴィッドな色彩で本に!
2009/10/22 20:23
13人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:反形而上学者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやはや、蜷川実花もやるものだ。漫画家の梅図かずお氏の「楳図ハウス」をなんと300枚もの写真で、しかもアートしている。
「梅図ハウス」は近隣住民から、「赤と白のストライプの外壁が著しく景観をを損ない、精神的にも大変ストレスとなっている」ということで訴訟をおこされた物件だが、その内部がどうなっているかは今までちゃんと公開はされてこなかった。
しかし、本書によって、しかも蜷川実花が独特のヴィヴィッドカラーで更に色彩を強調して写真集化されてしまったのだ。
非常に美しいし、面白い本だが、いかんせん本のサイズが小さ過ぎる。
こういう本はもう少し大きくないと、迫力が半減してしまう。
たぶん、出版社サイドの事情なのだろうが、蜷川実花も梅図画伯も残念だったに違いない。
私が個人的に気に入っているのは、梅図画伯がバスタブに赤い花を沢山浮かべた状態で、その中に裸で目をつぶって入浴している写真である。ご覧になれば分ると思うが、まさに「恐怖マンガの世界」である(笑)。
それから、最近の蜷川実花は、ピントを大きくずらして画像をボケさせる写真が多いが、本書もそういう写真が目につく。ひょっとすると、これは写真家・蜷川実花の通過点的な技法なのかもしれない。
かなり見応えがあるので、お勧めの写真集です!
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楳図邸も蜷川さんの写真も、過剰で素敵!!
いろいろ話題になった楳図邸、たしかに住むには目がチカチカしそうだけど、過剰なところがとってもいい。
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楳図さんらしいあの白と赤のボーダー。
建築に際して一悶着あったけど、立派な芸術的ハウス。
高尾の家と同様、いたるところに、まことちゃん。
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そういえば楳図邸、一時期話題になってましたね。
で、どんな家なの?
ってみてびっくり。
こんな家、つくっちゃったのね~❤
蜷川実花さんの愛情たっぷりの写真は、ホラーを超えたファンタジーです。
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蜷川実花が撮った、ワイドショーでお馴染み楳図かずお邸。
まじパネェ。おったまげ。
楳図に「部分部分が作品」と言わしめる位、それぞれの部屋にテーマがあって、楳図が生み出した今までの作品をこの家に丸ごと押し込んだって感じ。
ポップでキュートと言えばそうなんだけど、家にいても落ちつくことは出来ないちかちかした色のコントラストであったり、増殖した無数の「まことちゃん」であったりが、もし仮に自分が住んでの生活を考えると、ウザ過ぎて破壊したくなる。でも一つだけ好きな部屋があって、千年婆(紫婆?)を彷彿するような赤いトイレはとても素敵だった。便意であったり尿意であったりを促してくれる効果があると思う。
そしてなんと言っても一番の衝撃は、楳図かずおの薔薇風呂入浴シーン。
とことん幸せで素敵過ぎるお人。もうページを捲る手は止まって、その写真の楳図の表情とか、想像してしまう彼の心理状態とかに釘付けだった。おったまげ過ぎ。御年73歳、まだまだやんちゃ。
彼は人を喜ばす術を知っている。
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いつかきっと絶対あの物議を醸し出した吉祥寺の媒図邸を見に行くんだ、と心に誓っていましたが、思いがけず300通りの写真で見ることがかないました。
まあ、なんというか、たしかにものすごいキンキラキンの超派手さは、どうかすると吐き気をもよおす人もいるかもしれないと思わせるほどで、もし我が家の近所に建つということになったら、いくら媒図かずおの熱狂的マンガファンの私でも、ちょっと引いてしまいそうになる代物です。
郊外の周りになんにもない一軒家ならともかく、反感を買ってまでも街中に建てたのは、本当によかったのかどうか。
怪奇・恐怖マンガ家から超越して、せっかく「まことちゃん」で市民権を得たのに、この奇行で元に戻ってしまったなんてことにならなければいいんですが。
本心としては、作品も作者も反社会的で、非常識きわまりない変態・変人で異端のマンガ家である、などという方が好みなのですが。