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久しぶりに表紙&タイトル買いして、初めて読んだ池井戸潤の本。某自動車会社のリコール隠しに関わる人びとの群像劇。こういう実際にあった事件をモチーフに描かれた小説は色々あるけど、それぞれの立場の人がそれぞれきちんと描かれていて、主人公だけが目立つとか善と悪がくっきりというより、1つの事件に対して多くの人の立場と多くの人の目で描かれているのがとても良い。
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下巻も残りわずかだけど、もったいないので明日の楽しみに残すことにして、ここまでの感想。お話を楽しめるかどうかの基準として、僕はリアリティがとても大切だと思っている。そのリアリティという意味でホープつまり三菱系の企業群の描かれ方のリアリティがとても良かった。リアル=本当ではなくてリアリティという意味だけど、大手町の某ホープ系企業を知っているいるだけに、たまらなく面白い。久しぶりに一気読み。
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出版された時、随分話題になりました。今回文庫落ちしたので購入。
本当に一気読みでした。普段は余り家では本を読まないのですが、家内が「よっぽど面白いんだね」と言うくらい、かじりついていました。
善人が居て、悪人が居て、どうしようもない奴が居て。最後には苦労を重ねた善人が勝利を勝ち取る。そうしたストーリーそのものの面白さ以外には特筆すべきものは無い様に思います。しかし、これぞエンターテインメント小説(内容的には重いですが)です。
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財閥系企業のたちの悪さがよくわかる本。
本書のモデルになったのはレッドダイヤモンドを掲げるあのグループですが、その体質をよく描いています。
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社会のアレコレがぎゅっと詰まってる。
一つの事件をきっかけに、
町の運送屋、その取引先の中小企業、大手自動車会社、そのグループ銀行などなど働くおとながごっそりと。
それぞれが、それぞれの行動理念に従って動く動く!
読み応えかなりあり。
赤松社長の働き振りから、「ああ、会社の原点ってこうゆうことなんだな」
って改めて考えた。
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ヒーローのいない群像劇とはうまく言ったものだと思いました。
企業にとってコンプライアンスは諸刃の剣か。
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中小運送会社が起こした死亡事故が契機となり明るみになる、財閥系自動車会社のリコール隠し。
大企業の自己保身的な対応とそれに翻弄される事故当事者の対立構造。これを踏まえて織り成す人間模様が読者を引き付けて離さないのではないでしょうか。
また、登場人物の一人ひとりが実はどこかで自分自身の一面の映し鏡になっているような気もします。だれもが主人公の赤松のような振る舞いは理想としつつもやはり自分の置かれた立場が沢田であったり小牧であったりする場合もあり、その時果たして内部告発が自分には人生・キャリアを賭してできるか・・・。
難しい問いをつい自分に問いかけてしまいます。
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タイヤ脱輪事故を発端に,リコール隠しの疑惑が。
運送会社社長と自動車メーカと財閥系企業グループとの闘い。
とにかく人がすごく上手く書けてて,入り込める。
小さい運送会社と大企業の圧倒的な権力差で足掻く社長の必死さと真面目さとタフな精神力に対して,大企業へあぐらをかいた社員のぬるま湯体質の対比がすごい。
もちろんその体質に反発する社員や銀行員も存在していて,そういった力が大きな逆転につながるわけだけど,それすら社長の孤独な戦いの前ではまだ甘くて,社長の信念にひっぱられて一気読みした。
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以前から皆さんの評判をみて、かなりの期待感を持って読み始めた。上巻ではさすがの完成度で感心するものの、期待を超えるまではには至らなかった。池井戸氏の本を随分読んできたので、集大成的なものは感じる。大企業と中小企業、マスコミ、警察、そして得意の銀行の視点。警察の視点はさすがにちょっと甘いような気もするが、銀行の視点・企業の視点はそれぞれのいやらしさ、苦悩がリアルに書かれていると思う。下巻の盛り上がり次第で傑作になるかどうか。。[BOOKデータベースより] 走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。
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上巻を読了した段階では「面白い小説」との形容は相応しくないんじゃないかと危惧したが、全て読み終えた時点ではハッキリと言い切れる。「実に面白い小説で、ややもすれば10年に1つクラスの傑作だ」と。この作品を『勧善懲悪』だと考える読者も少なくないようだが、それはきっと違う。ホープ自動車の組織は確かに腐敗しきっているものの、狩野も沢田も三浦も、典型的な日本のサラリーマン像なのだから。残念ながら現実の社会は青臭い綺麗事ばかりではない。それを理解して読むかそうでないかで、この作品の深みは断然変わってくる気がしてならない。
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先ず、とにかく赤松社長の人物像が良い!決して頭脳明晰ではないし弁が立つ訳でもなく、単に素朴な中小企業の2代目社長として描かれているが、その愚直さや熱さに人間臭さを感じさせる。物語はまだ前半にも関わらず、それぞれの立場での思惑が絡み合った起伏に富んだ展開で実に絶妙!赤松社長を応援しつつ下巻へ!!
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有名企業のエリートサラリーマンはこんなにも腐りきっているのか!!と憤りを感じてしまうほどの人物描写は圧巻でした。一気読みしてしまいました。
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現実におきた事故をモチーフにしているが、
内容はそこから始まる企業対個人の戦い!
負けるなぁ~と熱く最後まで一気に読めてしまう。
正義は勝つ!んだ。
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おおっ、と唸る程おもしろかった。事故をめぐり、銀行、運送会社、自動車メーカー、被害者、警察など、フィクションとは思えないくらい精緻な群像劇。
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人物描写がすごく上手い!運送会社の社長の赤松はとにかく応援したくなるし、自動車会社の沢田の立ち回りもリアルです。
さらに自動車会社の対応を冷静に静観する銀行側の目線が加わることで、この本のリアリティーが増したように思います。会社と銀行の関係についても考えさせられました。