紙の本
スピード感
2018/08/12 20:16
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投稿者:みな - この投稿者のレビュー一覧を見る
池井戸作品ではなかなかない作品のスピード感がありました。NHKでドラマ化されたときからだいぶたちます。
紙の本
お見事!
2013/08/10 17:25
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投稿者:yuko - この投稿者のレビュー一覧を見る
気分爽快です!
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久しぶりに読み進めるにつれ主人公に不愉快さを増す作品でした。
作者はリコール隠しの企業のスタンスを『悪』ととらえ表現したかったのかと思いますが
主人公の赤松社長様の短絡的感情、相手企業や警察と交渉する場面での常識人を逸脱した言葉遣いには腹が立つことを通り越して呆れるばかり。
この人物像は山崎豊子大先生の沈まぬ太陽の恩地を彷彿させられ
沈まぬ太陽と同等の最低な作品となってしまった。
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実際にあった事故をベースにしているものの、完全にエンターテイメント。ホープの対応もまさに「ありがち」だし、銀行の対応も「ありがち」。それでありながら、その中で働くサラリーマンたちに若干ながら共感するポイントがあるも上手いかな、と。2つも3つもストーリーが絡んでいくのはおもしろいし、途中で最後は想像できるものの、やりきったぜ!みたいな達成感を味わえる読書。ただ、実際の事故をこうやってエンターテイメントへと変えてしまっていいのかという根本的な違和感が拭えない。
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組織に生きるって難しいね。
ただ整備不良の烙印を押されたいち運送会社が、
財閥系大手自動車メーカーからリコール隠しを引きずり出すのは、
現実には不可能なんじゃないかとさえ思えます。
このお話では警察が比較的協力的ですが、実際にはここにももっと大きな政治的力が働くような気もするし。
しかしこういう組織は結局内側から崩れていくものですよね。
遅かれ早かれ。
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中小運送会社が起こした死亡事故が契機となり明るみになる、財閥系自動車会社のリコール隠し。
大企業の自己保身的な対応とそれに翻弄される事故当事者の対立構造。これを踏まえて織り成す人間模様が読者を引き付けて離さないのではないでしょうか。
また、登場人物の一人ひとりが実はどこかで自分自身の一面の映し鏡になっているような気もします。だれもが主人公の赤松のような振る舞いは理想としつつもやはり自分の置かれた立場が沢田であったり小牧であったりする場合もあり、その時果たして内部告発が自分には人生・キャリアを賭してできるか・・・。
難しい問いをつい自分に問いかけてしまいます。
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上巻を読了した段階で「面白い小説」との形容は相応しくないのではと危惧したが、全て読み終えた時点ではハッキリと言い切れる。「実に面白い小説で、ややもすれば10年に1つクラスの傑作だ」と。この作品を『勧善懲悪』と受け止める読者も少なくないようだが、それはきっと違う。ホープ自動車の組織は確かに腐敗しきっているものの、狩野も沢田も三浦も、典型的な日本のサラリーマン像なのだから。残念ながら現実の社会は青臭い綺麗事ばかりではない。それを理解して読むかそうでないかで、この作品の深みは断然変わってくる気がしてならない。
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実事件を題材に巨大企業のリコール隠しというテーマを扱いながらも、各キャラクターの背景や心情を丁寧に描いたリアルな人間ドラマ。財閥グループ内に於ける勢力抗争や同社内での部署間の軋轢、資金を巡っての銀行との駆け引きなど、経済小説としての要素は保ちながらも、非常に読みやすい表現であったりコミカルな部分もあったりするしでスムーズに小説の世界へと引き込まれていった。
ストーリー展開では赤松社長視点だけでなく、大企業に勤めるサラリーマンの立場や銀行の窓口担当者等々の視点からもそれぞれの関係性や動きが良く分かるように描かれていて、如何に赤松社長が窮地に陥っていくのか、そしてどのように中小企業の社長が巨大企業に立ち向かっていくのかを最大の見所になるように盛り上げられている。その過程で何だかんだの思惑・偽装・出世志向・スクープ等が渦巻くものの、次々に巻き起こるトラブルに翻弄されながらも家族、社員、遺族のために真実へ突き進んでいく赤松社長の熱い姿を描いた娯楽大作だったのではないだろうか。。。
一方の事件性では、実際の事件でもこのようなコトが行われていのたのかと思うと寒気がしてしまう。もちろん、この小説はフィクションだろうから全く同じ背景ではないだろうが、国交省への虚偽報告等のリコール隠しは本書のように企業営利や個人の利害を優先したが故の結果だったのだろうから。。。
しかも、たかが8年前の事件で既に世にもコンプライアンスって言葉が飛び交っていた時分に企業側のモラルがこの程度だったとは。。。確かにキレイごとだけでは済まない事情はどこの会社でもあるのだろうが、もう少し賢い経営判断ができる人はいなかったのだろうか…。本書にもよく出てくる"コンプライアンス"、その言葉を自分たちの都合の良い解釈で盾や逃げとして使われてるのは小説内だけではないので、現実社会でもモラルが低下しないような企業努力はしてほしいものだとつくづく思う。
…とまぁ、色々な意味で面白い作品だったし、何よりもこの内容にしてタイトルを「空飛ぶタイヤ」としたセンスも抜群な傑作であった。
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おおっ、と唸る程おもしろかった。事故をめぐり、銀行、運送会社、自動車メーカー、被害者、警察など、フィクションとは思えないくらい精緻な群像劇。
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ラストはスカッと締めてくれます!
登場人物たちがそれぞれの信念や野望を持ち、起こす行動や心理描写がとてもリアルです。
企業小説となるとなんだか敷居が高そうと思ってましたが、この本は銀行や企業のことをリアルに描きながら、きちんと作品をエンターテイメントに仕上げられていて、とても良かったです!
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特異なエリート意識に凝り固まった人達が起こした犯罪。一般常識からかけ離れたその行動が一市民を苦しめる。でも希望を失わず社長として、父として、人として誠意をつくして戦った赤松はかっこよかった。
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2009年に読んだ本のなかで、文句なしにNo1の本でした。それまでにこの人の本を一冊(株価暴落)を読んだのですが、たいして面白さを感じませんでした。でも、この本が映画化されるということを知って、もう一度だけこの著者の本を読んでみようと思って読んだのですが、読み始めたら止まりません。途中、このくらいでそろそろ・・・というこちらの予測をことこどく覆し、決して内容に妥協しない、徹底的に追求する著者の意気込みが伝わってきました。他の著者でリコール関係の小説を読みましたが、比較にならないリアルでした。現時点の著者の最高傑作だと思っています。
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結末はわかっている。実際の社会でもこういった類の出来事はままある。冤罪をかぶせられた非力な人びとが、強大な権力に立ち向かいときに苦境に立ちながらも最後には勝利する。人間ドラマである。現実社会では新聞面を見てわれわれは判断する、悪い奴だ。冤罪だった時は気の毒にと。巨大企業が倒れれば悪は最終的には滅びるんだと。私たちはその時々でその時々に適した考えを立てる。だがしかし、それに直面したものたちの苦闘がどれほどのものか、永遠という地獄をさまよう戦いがどれほどつらいものか、そこまでの想像力で事件をみることはおそらくないだろう。この小説は圧倒的なリアリティでその普段みえない部分をえぐり出してくる。エンターテイメントとして優れているものはリアリティでも優れていることを気づかせてくれた。
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あまりに気になりすぎ、睡眠時間をけずってまで読んでしまった。
環境が整ってたら、上下巻あってもすぐに読んでしまえると思う。
下巻でも、はるな銀行の進藤さんにグッときた。
たぶん、垢抜けないおじさん設定なのに。
どうしようもない、ホープの感じ、イライラしたなあ。
読者にそんな臨場感を味わわせてくれるなんて、すごいぞ。池井戸さん。
最後、沢田が商品開発部で悔しい思いをちょっとしたくらいで良いほうに転がってったのには、私がちょいと悔しい思いをした。
池井戸さん作品、今後も読んでいこう!
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心にズシリと刺さった一節。
「いいですね、大企業は」
「潰れそうになれば助けてもらえる。余裕じゃないですか」
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「長岡さんよ、あんた舐めてるだろう。自分たちはホープ自動車だから、なんとかなるって。エリートだっておごり高ぶってな。だけどはっきりいっておくが、世間の人間にとってホープだろうが関係ない。いくつかある自動車会社の一つなんだ。ホープだから、許してやろうなんて考えてる消費者はほとんどいない。許されると思ってるのはあんたたちだけなんだよ」