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タイヤ脱輪による死亡事故を起こした弱小運送会社社長が大財閥グループに立ち向かう爽快系エンタメ。エンドが痛快!
リコール隠しの為、マスコミのスクープ潰し、系列銀行の貸し剥がし、不正の証拠隠滅などグループ力を結集する自動車会社
運送会社社長も徐々に支援者、銀行、担当刑事の理解の下、真相究明へ近づく中、決め手となる筈の警察の強制捜査も決定的な証拠を掴めず膠着状態
そんな中、自己欲の為に会社に魂を売った一課長の腹いせ目的の内部告発により、急転直下、自動車会社は身売りに追い込まれる
エンタメとして王道の起承転結。お宅のタイヤは空飛ぶのかい?
切り札となる証拠を内部告発した男が、純粋な正義からではなく、自己欲実現を阻む組織への腹いせで動く辺りがリアル
組織人たるものこうでなくっちゃあね、人間そんなもんでしょ…
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この作品はなんといっても、赤木運輸の社長のパーソナリティがよかった。
いやいや、そんな事故の調査して営業はどうしてんだ?という疑問は消えないけど、この社長の誠実さというのは心打つものがあります。
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縁があって読んだ本。
しょっぱなから泣きそうになってしまいました。
だけど、この本は御涙頂戴的な一冊ではないので!←重要(笑)
数年前に起きた某財閥系企業のリコール隠し問題について書かれた本。
題材はちょっと小難しく聞こえるんだけど、面白かった!!!
中小企業の社長、サラリーマン、銀行マン、事故で家族を失った被害者、様々な立場からのストーリー展開がまたまた私を引き込んでいきました。
長編小説なんだけど、結構スラスラ読んでしまった一冊でした。
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非常に面白かった。上巻を読み終え、何も考えられずに下巻を読み始めた。
大円団のカタルシス。勧善懲悪の物語。予定調和を感じさせないハラハラ加減。先が読めず、一歩進んだら落とし穴が待っていて、上ったと思ったら別のところから突き落とされる。
中小企業の社長という立場、大企業の社内の派閥こもごも、エリート意識……様々な人。振り返ってみるとエンターテイメント小説なんだけど、単なるエンタメと言い放てない何かがある。
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「ホープ自動車」という企業を中心に色んな企業の人間の思惑だったり動きなどが面白い。
打倒「ホープ自動車」というような感じなのに、登場人物が多く、様々な動きがあって「どうなっていくんだろう」と読み進めずにはいられない。
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次々と起きる問題にも立ち向かう赤松社長の姿にエールを送りながら読み進み、後半からは一気読みしてしまった
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それぞれの登場人物が、それぞれの所属する組織の利害を背負いながら行う交渉場面は迫力があった。
また、会社の論理や利害とそこで働く社員個人の利害や倫理観、葛藤が描かれており、読み応えがあった。
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圧倒的面白さ。銀行、大企業、中小零細企業、警察、マスコミ、弁護士・・・それぞれにドラマがある。そこで働く人間に、イラつきや共感を得ることができる。大企業の内しか見ない社内の常識や銀行の論理、それに対して闘う零細運送会社の姿勢に、感情を揺さぶられた。
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めちゃ面白かった。中小企業、大企業とそれぞれの立場に感情移入でき、上下いっきに読めた。かなりお勧めです。
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本好き・読書好きなら既にご存知だろうが、
「ブクログ」というコミュニティサイトがある。
僕もずいぶん前に偶然発見し以来愛用している。
「ブクログ」のランキング、レビューは参考になるので
本を選ぶときにも参考にしている。
僕もデジタルノートに書いた書評を100冊ほど掲載している。
殿堂入りランキング1位に
池井戸潤『下町ロケット』があった。
僕は作者も作品も知らなかったが
興味を惹かれてレビューを読むと、
この日の朝、この作品で直木賞受賞が決まった。
既に作者・作品のファンである読者が
いくつもレビューを書いていて僕は知ったのだ。
Amazonを検索すると既に品切れ。
さすが直木賞を受賞すると売れ行きに直結する。
二週間ほどで届くので注文しておいた。
成田空港の書店をふと覗くと
同じ作者の代表作『空飛ぶタイヤ』(上・下)が
運良く棚に残っている。
Amazonでは同じく品切れだった。
旅の友に迷わず買った。
これがべらぼうにおもしろい。
こんなワクワクする小説を読むのはいつ以来か。
まじめに小規模の運送屋を経営していた主人公が
社員の起こした事故で人を死なせることになり地獄を見る。
ところが、それは整備不良でなく
大手ホープ自動車製トラックの構造的欠陥だった。
主人公は大企業に立ち向かうが、その壁はひどく堅固だ……
文章、構成、人物描写。
どれをとっても一流である。
職人の父に育てられ大学教育まで受けさせてもらった僕は、
どうしたって弱い立場の主人公に肩入れしたくなる。
大企業が時として見せる不条理に負けないでほしい……
ジンときて涙が何度もにじみかけた。
悪役の親玉を演ずるホープ自動車狩野常務の描写が素晴らしく、
それがこの物語に奥行きを与えた。
またひとり、今後の活躍が楽しみな作家ができた。
(文中敬称略)
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上下巻合わせて、一気に読みました。いやぁとにかくとても面白かった!!登場人物みんなの個性が明確で、すごくわかりやすいし。池井戸潤さん、ハマりそうです。
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個人的にスゴく身近に感じられ読み進めた。
実家が運送会社で連鎖倒産のピンチを経験していた時の父にオーバーラップする部分がかなり有った。
最近ニュースになった事件などの制度を悪用してしまう時の当人の状態なんかは正にこの作品で取り上げられている様な状況になった時に噴出するのだろう。
それと、大企業の中の人の奢りは当人でも気がついていないかもしれないくらい根深いものが有り、逆にそうでない中小起業の劣等感ももっと露骨な部分が有るように思う。
そこが無くならないと大きなところと、小さなところの規模での勝負になってしまい、正常な取引が成立しなくなるというのを肌で感じる。
戦わなければいけないのだろうが、戦える立場にいない人がほとんどだろうと思う。
そう言った人に、気持ちよく読むことの出来る作品だと思う。
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現時点での 池井戸潤の最高傑作ではないだろうか。企業、銀行etcそれぞれの立場の人間の闘い様と感情を描ききった素晴らしい作品だと思う。赤松運送には中小企業の現場の人間の働く誇り、銀行にはバンカーとしての誇り、マスコミにはマスコミの誇りがあり、「人間は何のために働くのか」を深く考えさせられる。赤松運送が熱く結束して闘う様子には感服、感動。結論の持っていきかたも、ただのハッピーエンドというよりは、よりリアルな形での表現でありながら企業のあり方を最後にまた考えさせるものとなっており、十分満足。本作を読むと「鉄の骨」も読みたいなあと思う。図書館の予約数がすごいのでいつになるかは不明だが。。[BOOKデータベースより] 事故原因の核心に関わる衝撃の事実を知り、組織ぐるみのリコール隠しの疑いを抱いた赤松。だが、決定的な証拠はない―。激しさを増すホープグループの妨害。赤松は真実を証明できるのか。社員、そして家族を守るために巨大企業相手に闘う男の姿を描いた、感動の傑作エンターテインメント小説。
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トレーラーの脱輪による死傷事故。
運送会社の整備不良が原因とされるも、整備の問題はないこと、同様の事故が同じ自動車会社の車で起きていることなどから、中小の運送会社の社長が大手財閥系自動車会社に挑んでいく。
「下町ロケット」ではロケットを飛ばしたいという夢が基盤になっていたが、本書では死傷事故が元にあるので、問題がひとつひとつシビア。そして財閥系大企業のありがちな体質。働くとは何か。正しいことは何か。正しいことをすればいいのか。組織のため?自分のため?正義のため?出世のため?一歯車である人間はどう動くべきなのか。あらゆる立場の人間の心模様が手に取るようにわかる、読みやすいけれども硬派な企業小説。命に始まり、命に終わる組み立てはとてもよかった。
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案の定、一気読みしてしまいました。
「リコール」や「貸し剥がし」など、ニュースの中で何となく耳にしたことがある言葉も、物語を通してどういう意味かがよく理解できました。平易にわかりやすく書こうという作者の姿勢がよく伝わってきます。
それに、物語が熱かった!会社あるいは人としての「正しさ」や「モラル」を貫くために、どれだけの困難が待ち受けているか、そして、困難と戦うためにどれだけの意志と勇気が必要とされるかが、最初から最後まで描かれていたと思います。
自分は企業で働く人ではないので、物語は外の世界のお話といった感じでしたが、物語と同じような世界で実際に働く人にとって、この小説がどう感じられるのか聞いてみたい気がします。