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[ 内容 ]
北海道の北東部、千島列島、サハリン、カムチャツカ半島などに囲まれた環オホーツク海地域。
紀元三世紀から一三世紀ころまで、豊饒の海からもたらされる恵みを糧とし、大陸との交流・交易を活発におこなっていた、さまざまな人々が存在した。
謎に満ちた環オホーツク海。
古代文化の輪郭を初めて描く。
[ 目次 ]
第1章 流鬼国の朝貢使節(流鬼国はカムチャツカ半島か、サハリンか;「北海」はバイカル湖か ほか)
第2章 流鬼国はどこにあったのか(何秋涛のカムチャツカ半島説;シュレーヘルによる流鬼伝の翻訳 ほか)
第3章 オホーツク文化の大陸起源説(オホーツク文化とエスキモー;オホーツク文化という名称 ほか)
第4章 オホーツク文化と流鬼(サハリンの遺跡調査;アムール河中流域の遺跡調査 ほか)
第5章 夜叉国と環オホーツク海交易(オホーツク海北岸の古コリャーク文化;「皇宋通宝」の発見 ほか)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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流鬼国がサハリンかカムチャッカかという議論の紹介で始まる。
網走で発見された縄文のない黒褐色の土器、その後、千島列島、サハリンでも類似の発見があったとのこと。
オホーツクの文化史に興味がつきない。
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2009年刊行。著者は北海道大学名誉教授。中国の史書に散見される「流鬼国」とその北方にある「夜叉国」の所在について、考古学的知見(遺物の比較検討と発掘位置)から明らかにしようとするもの。個人的にオホーツク文化の本はほとんど読んだことがないので、本書の良さを説明することは無理だが、アムール川流域から樺太・北海道・千島の流れのみならず、環オホーツク海交易といったものが措定され、広域交易・文化域を叙述する点で興味深い。日本のみならず近代国家における境界線・国境等を相対化させてくれる書でもある。
備忘録。「流鬼国」は樺太、「夜叉国」はオホーツク海北岸。
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この地域の入門書としてチャレンジしてみたが、著者があとがきに書いている通り入門書としてはハードルが高く、平易な本とは言えない。この地域の研究自体がまだまだこれからということなのだろう。