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女装に関してはどこかエロティックなイメージが漂うが、男装に関しては力強くあろうとする女性の意志がある。言われてみれば確かにです。けれども明るい女装もあり、そういったものを古典だけでなく最近のものからも取り上げて考えるというところが非常に良かった。
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確認先:川崎市立麻生図書館
古典から当代少女文化まで手広く押さえた「女装と男装」の文化の系譜と見るのは確かに一面性としては有効である。一方で課題も見えてくる。
端的に言えば、「古典から眺めた」当代少女文化という色合いが見え隠れするのだ。もちろんそれは単なる評論ではない、というためには避けられない部分でもあるが、果たして本書にそれを求めることは有効かというとさにあらずの面がいなめない。
身体の(セックスとジェンダーのウロボウスの輪の中における)越境という問題に対して回答はないわけで、その返答の一事例としての「女装と男装」として話を進行しているが、果たしてそれだけで話は終わることができるであろうか(女装と男装にはすっきりとした回答は存在しえず、ジェンダーだけではなく階層や本書でも指摘されている家族の問題も横たわる)。本書が「尻切れトンボ」の読後感を与えてしまっているのはまさにそこに由来する。
さらに言ってしまえば、文化史と銘打ってはいるが、実際に歴史の枠組みを捉えているかというと必ずしもそうとは思えないところがまた評者を困惑させている部分だったりするわけだが……
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男が女を装うとき、女が男を装うとき。単に「女装」「男装」といっても、目的が変われば、性自認も性的志向も異なるわけで、繊細にとらえていく必要がある。
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心と体。外観と内装。人は兎角自分の目で見たものを正しいと思いがちであるが、自分の目が現実をとらえられないことも世の中には多数存在する。この女装、男装もその一つではなかろうか。男が女の格好をすることを、ただ単にクィアで済ませられるわけでもなく、こと女形に限って言えば、女性よりも美しい振る舞い出で立ちをすることをその本質に掲げている。また女性に限っても、男装をすることが性同一性障害からくるものや心の問題に起因するというわけでは必ずしもない。女性男性をその見た目の差異から見るSEXで区切ることはそう難しいものではないかもしれないが、ジェンダーでその境界線を見定めることはハッキリ言って難儀である。男か女かという二元論で片付けるのではなく、その人がどういう人でどんな考えをしているのかという本質を突き詰めていくことの方がずっとか大切なことに思う。たとえその人がどんな人であれ、理解したいと思う気持ちが、相手を知る上では真に重要なことだといえそうである。
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「外国の文化と思想」のレポート作成の為に購入。はるな愛さんのブームといった最近日本で起きている現象も踏まえた「異性装」をテーマにレポートを作成した。
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異性装に興味があって手を出してみたけど、うーんなんかイマイチだった気もする。基本的に面白かったし興味深かったけど、作者の考えがあまり好きじゃなかった。
この手の書籍をもう少し読んでみようと思う。
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「「女装と男装」の文化史」佐伯順子
比較文化学?特になし。
講談社選書メチエ。
古今東西の文学作品(神話・史書から少女漫画まで)を取り上げ、「女装と男装」のもつ特性をピックアップし、その指向の違いを明らかにする。
通読。(3)
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古今東西の小説、映画、マンガをジェンダー論的な視点から解説
男性の女装
例)ヤマトタケル
→女性になることで、敵を油断させる
女性の男装
例)リボンの騎士、ベルバラ、とりかえばや物語
→男性になることで、女性では不可能な社会参加を実現
最近では「女性→肉食化 男性→草食化」とすっかりジェンダー逆転現象も一般化した感じ
コメ、武将(三国志、信長)とか何でも美少女化する最近の萌えブームとかも解説したら面白いかも
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芸能や漫画や物語に出てくる異性装を研究した本。
女装は儚さ、弱さ、色気を演出するもの。
男装は力強さ、社会的地位、自己防衛の手段を得るためのもの。
読み終わったあと、人間がいかに性別に(良くも悪くも)とらわれてるのかと気づいて、ジェンダーへの興味が増しました。
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映画や文学作品における「異性装」の役割と性別に付随しているイメージを紐付けて説明してあり、とても読みやすかった。
最近はポリコレが世界に大きく広まっていることもあり、「体の性」と異なる服装をすることは「対してたことではない」或いは「少数派の人間に配慮している」というさもあって当たり前かのような捉えられ方をされている。しかし、何かを主張する場である作品内において登場人物は全てにおいて意味を持ち、それは身につけているものとて例外ではない。そういった部分を取り上げているこの本は今後生まれてくる作品においても重要であり読ませていくべき本だと思う。
地域の風習や宗教観念といった視点からも異性装の意味合いや持つ力などを知ってみたいなとも思った。
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2009年の本だけれど、トランスジェンダーのことも包括してあり、当時使われていた性同一性障害という言葉についても使うのはよろしくないという否定的な姿勢であることが伺えて安心できた
女装と男装。装う目的や装うことによって達成されることで浮かび上がるジェンダロールについての研究がなされており、2024年の今でも根強い規範にぐうと唸りたくなる
本書の目的については著者が”アニメや漫画や映画から楽しくジェンダーのことを考えることができる、考えるための手引書としての役割も込めている”、”ジェンダーの問題は性別関係なく、生きている限り考え続けなければいけない問題”と言い切っていることも頼もしかった
著者である佐伯順子さんの他の本も読んでみたい