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世阿弥などのテキストをポストモダンの目から読みなおすことによって「日本語による哲学」を実現した名著の復刊である。(池田信夫氏 http://j.mp/bY6CfJ)
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坂部恵の流麗な文体が際立つ。関係節を多く持ちながら、それでいてつかえることなく読み進める文体には脱帽。
日本語、というよりやまとことばの意味を読み込み、哲学的意味を吹き込む。しかし、それだけで新しい哲学を組み上げられているのではなく、西洋の思想の写しになっているような気もする。だが、それでも、やまとことばが哲学的意味を持つ言葉にするという営みに価値はあろう。
ごつごつした訳語を持込み言葉の秩序を壊すのではなく、肌理細やかに日本語に寄り添って哲学する。そうでもしないと、やまとことばは飲み込まれ、増殖する訳語に日本語自体が潰れてしまうという危機感があったのだろう。
しかしながら、それを誰か継承していないのか。彼の語彙を使ってさらに新たな世界を切り広げられないのか。そうしないと、ある種二番煎じである限り、やまとことばごと彼の言葉は埋没してしまう。単なるお話にすぎなくなってしまう。
まあそれはおいといて、何かを補給するために坂部恵の本はまた読みたい。
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素顔が真実、仮面が偽りというイメージを偏見に過ぎないと断ずるあたりが痛快であり、
日本的視点で以って西洋思想を自在に駆ける筆者の姿勢が清々しい。
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自分のような浅学非才の身には、こういう本は「衒学的」とでも言うしかなく、なんとか最終章の前まではたどり着いたが、そこで力尽きた。何を解明しようとしたのか、さっぱり理解できなかった。やたらと括弧で括られた言葉ばかりが並んだ文章で、かてて加えて古文がなんの注釈もなく引用されるに至っては、書かれていることを理解しようという気さえ起こらなかった。