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立川流落語の真打、立川志らくによる創作落語を書籍化したものです。六つの名作洋画を古典落語に置き換え、時代も江戸時代~明治時代に設定されたお話になっています。
第一話:天国から来たチャンピオン(死神)
第二話:タクシードライバー(素人鰻)
第三話:ライムライト(たいこ腹)
第四話:タイタニック(抜け雀)
第五話:ローマの休日(唐茄子屋政談)
第六話:シャイニング(鰍沢)
ニューヨークが江戸の町になりローマが浅草になり、タイタニック号は三十石船に、小説家ジャックは噺家の正吉に、道化師カルヴェロは年老いて落ちぶれた太鼓持ちの一八に、バレエの踊り子テリーは柳橋芸者のおてるに。
とにかく、上手いなぁとしか言いようのないお話の展開に、笑ったり泣いたり。
読んでいる時の心地よい疾走感は、ロックでありジャズであり、最後の落ちはまさに映画のエンディング。
これはもう、パロディという域をすっかり越えていますね。
映画好きの人も落語好きの人も、どちらも楽しめる1冊だと思います!
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天国から来たチャンピオン、ライムライト篇が秀逸。古典落語と無理に引っ掛けなくても面白いのではないかと思う。
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有名な洋画を古典落語に置き換えた、立川志らくの創作落語です。
マルセ太郎の話芸「スクリーンのない映画館」も然り、
オリジナルを凌ぐ出来栄えです。
どの話もオチがいいんです。
話の肝が凝縮されて、ぐっと感動が来る。
センスですね。思わず喝采を挙げます。志らく恐るべしです。
成せば成る。ナセルはアラブの大統領。シラクはフランス大統領。
第1話「(映画)天国から来たチャンピオン+(落語)死神」
夢半ばで死んだ若き花火職人 辰吉。しかし粗忽者の死神の手違いだった!
神様に文句付け、他人の身体に収まるが、他人の騒動に巻き込まれ…。
辰吉・親方・お玉の正直さ、純粋さに尽きる。「アウアウ!お~たま~!」
第2話「(映画)タクシードライバー+(落語)素人鰻」
居場所の無さに発するベトナム帰還兵の狂気を、明治の士族に見出した着眼点が凄い。
一線越えた俥屋は、果たして世の中に負けたのか?・・・答えは風の中。
「ありがとうございます・・・・・・お侍さん」
第3話「(映画)ライムライト+(落語)たいこ腹」
「喜劇は距離を置いた人生。悲劇は身近な人生」(C.チャップリン)
“たいこ腹”の幇間の老後を描き、喜劇が胸に迫る悲劇に生まれ変わる。
哀しい気分でジョークだぜ、観音様。「ああ、良いお座敷だ」
第4話「(映画)タイタニック+(落語)抜け雀(+岸柳島)」
中身の無い大作映画タイタニック('97)を、志らく得意の皮肉で滑稽話にしちゃった感じ。
端々にくだらない。「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃ!」とか地武太の殿様とか氷山一角とか。
ところが最後はファンタジーで締めるなんざ憎いね。コンチクショウ。
第5話「(映画)ローマの休日+(落語)唐茄子屋政談」
オリジナル映画にほぼ忠実な「浅草の休日」。
盃の返杯があるあたりが創作点。
第6話「(映画)シャイニング+(落語)鰍沢」
鰍沢の怖さをシャイニングの世界で増幅。
最後は力ずくの笑いで締めた。
志らくのシネマ落語。いつか口演を観たい。
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映画狂の志らくさん、「タイタニック」「天国から来たチャンピオン」「ライムライト」「ローマの休日」「シャイニング」「タクシードライバー」と江戸落語のフュージョンとはこれまた粋です。NUMBER GIRL好きとしては、ZAZEN BOYSのライブに志らくさんが登場し、セッションをしたというのが気になってしょうがない。
来年、独演会に行く予定なので楽しみ♪