紙の本
健康をとり戻して68歳から華々しくなる。
2010/08/15 12:54
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
自転車ぎこぎこ 伊藤礼 平凡社
作者は小説家伊藤整(せい)氏の息子さんです。わたしは、伊藤整氏の小説を読んだことがあるのかどうかは覚えがありませんが、たぶん10代の頃に読んでいるのでしょう。息子さんといっても、もう76歳です。そして、サイクリストです。電車をからめながら友人たちと全国各地をサイクリングする人です。
さて感想です。作者は長いこと肝臓の病気を患っていたそうですが、60歳を過ぎて治癒(ちゆ)されています。そしてこの本は、作者の68歳から76歳までのサイクリング歴の紹介です。この年齢で、1日2キロから始まって、1日50キロまで走行可能になる成長があります。作者は走行記述をしながら知識をあふれんばかりに文章で露出していきます。他の自転車モノの本と比較して違うのは、作者が孤独ではないことです。ふたりないし4人で自転車旅行をされています。連れも老齢で、65歳、64歳、73歳などです。自転車好きの人向きの本でもあります。かなり高価な自転車を複数台数所持、利用されています。冒頭付近の東京の地図はその土地の人間ではないのでどこだかわかりませんでした。この点で、東京付近に住んでいる人向きでもあります。
のんびり、ゆったり、時間の余裕ありで、のんきさがユーモアにつながっています。自分を卑下(ひげ)したり、自虐的(じぎゃく)な面もありますが、楽観的です。けっこうきついことも書いてあります。特定の固有名詞をあげながらダメとか嫌(いや)ということが書かれてあります。愛知県編の熱田神宮付近の記述を読み終えた頃、わたしは熱田神宮のそばを走る名鉄電車に乗車していました。作者はわたしの目の前にあるショッピングセンターのビルでみそかつを食べています。本の中と、現実が交錯して、わたしは、たった今、作者とすれ違った気分になりました。
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これは楽しい。無理しない派の自転車乗りの心理をよくとらえていて、「あるある!」の宝庫です。旅の記録でも、満足したところで途中でぷっつり終わっちゃったり、本人の重要度による極私的な書き方がまた笑えます。読み終わるのがもったいなくてちびちび読んでます。
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人としてのたたずまいに共感を覚えます。自転車をめぐる様々なこと、こういうことって普通にあって、そしてそういう事に対処する考え方や行動に、そしてそのほのぼのと、あっけらかんとした文体に、とても癒されます。
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68歳でサイクリングに目覚める元大学教授。
68歳なのでちょっぴり頑固。
でも、人生の何たるかを自転車を通じて教えてくれる一冊。
火野正平さんの「こころ旅」といい、吉田戦車さんの『吉田自転車』といい自転車いいな、と思ってしまいました。
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前作『こぐこぐ自転車』を読んだのがちょっと前だと思ったら、2006年1月…、もう4年半も前でした。
前作の時にも感じたんだけど、とにかく思いこみの激しいおじいちゃんです。
でも、考えてみればウチの親父と同い年だもん、そりゃあ頑固にもなりますね。
そんな、ちょっと頑固なおじいちゃんが、日本中を自転車(と電車)で走り回ります。
定年を迎えたら、こんな風に気ままに自転車旅をしてみたいなぁ。
本題とは全然関係ないけど、今回何よりビックリしたのは、筆者が伊藤整の息子だったこと。
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2011/01/10 関東方面は地理感覚がよくわからないけど、それでもおもしろかった。端正だが軽く微笑ましい文章。75歳すぎの文章なんだなー。
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還暦を過ぎた66歳から、自転車に目覚めた伊藤先生の話だ。
面白いようだが結構くどい。
ちょっと偏屈で、一方的だけど、実にリアルで面白い。どっちやねん。
ちょっと偏屈な爺の文章だから仕方ないのだが、おれもますますこんな風にモノを斜めから見るようにますますなるのかしらん・・。
くどいが、同じ自転車乗りの視点としては面白い。
面白いから、わざとゆっくりと読み進めていて、・・読み終わっちゃったよ。
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「本の雑誌」2011年3月号で紹介されていたので、神戸市立図書館で借りました。
68歳から自転車を始めたという、元大学教授のちょい偏屈な語り口がおもしろい。肝臓病で半生を土気色の顔色の病人として生きてきた人が、医学の進歩で、治って生きるのが楽になって、自転車をはじめたということで、そういうこともあるんだ~と、そのエピソードに感動しました。
私も、実はワンタッチ折りたたみ自転車を購入しているのですが、ぴかぴかなのでもったいなくて、玄関に飾ったまま(笑)
最後まで読んで、「初老自転車のり」の仲間入りをするかどうか?!…たぶん無理でしょう…
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もう笑った笑った可愛い人だ。
68歳から始めた自転車。
自由な時間を気の合う仲間と有意義に楽しんでいる78歳。
火野正平といい、自転車を始めたくなってしまう。
自転車仲間を募らないと楽しみきれないかも。
ミニサイクルはあるけど、遠出は無理だものね。
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老齢から自転車に乗り始めた伊藤整の子息、伊藤礼の自転車エッセイと紀行。
のんびりしたリズムでとてもほのぼのと読めました。
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文体がすごく素直で、ほのぼのしていて、読んでいてほっとするし旅に出たくなる。こんな文章が書けるようになりたいと思える一冊。
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自転車本は、最近よく読んでいますが、これが一番面白かった。というか、自分にぴったりでした。伊藤先生のサイクリング日記ですなぁ。読んでいたら、私もダホンの折りたたみが欲しくなりました。こんな老後を送ってみたいものです。
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著者が自転車を始めたのは68歳の時。今まで車で通勤していた12キロの道程を自転車で行ってみようと思ったのがきっかけだった。体力はないけれど、自分なりの研究を重ね、乗っていられる距離を延ばしていきます。素朴な視点で自転車に乗る人の気持ちが書かれていて、自転車に乗る人だけでなく、興味のある方にもぜひ読んでいただきたい入門書です!
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道や交差点の名前に注目したくなる。
「次に『千代通り入口』という優しげな名前の、ささやかな交差点を右折するなどしながら」p39
タイトルの秀逸さから容易に想像できると思うが
これは!という名文
クスッと笑える一文など読みどころが随所にある。
優しい目線の文もあるが私は思ったままを綴る筆者の文体が好きだ。大学の先生らしい潔い語り口、
翻訳者らしい選び抜かれた言葉と著者が気に入って使っているであろう言葉の数々
好感の持てる偏屈老人風の文体が時々垣間見られると決まって父方の祖父を思い出す。
祖父は愛すべき偏屈だった。
自転車はママチャリ派だったけれど、旅が好きでよく出かけていた。
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70歳を越えるサイクリスト伊藤礼氏の本第2段。私も80まで自転車仲間と自転車に乗っていたいものです。今から長期計画で頑張ろう。