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ファイナンス理論を応用しながら、社員と会社の関係に
ついての考察を展開しています。
日本の雇用制度を考えると、社員は長期債権者である、
という視点は、なかなか斬新でした。ここで、サラリーマン
の貸借対照表、というユニークな表現が出てきます。
「給与」を借り方、「仕事」を貸し方として描いたとき、
サラリーマンが受け取る賃金より自分が会社にもたらした
利益の金額が大きくなると、貸借対照表の左右にギャップ
が生まれます。このプラスアルファ部分が、会社にとって
の価値創造と等価であり、企業価値となり、株主への
利益還元につながる、と。
もっともなのだけれど、これだと、なんだか社員が会社
なり株主に搾取されているような感じに読み取れちゃい
ますね。でも、社員の立場で考えたとき、仕事を通じて、
給与以上にえられるものは、たくさんあると思うのです。
様々なアイディアを考えるときのワクワク感、仕事
を成功させようと職場が一致団結することで生まれる
絆、お客様が喜んでくれたことの喜び、無事仕事を終えた
ときの達成感、一連のプロセスのなかで試行錯誤すること
で得られる人間的成長・・・。
こうしたことを、金銭的な価値で図ることができるのか
どうかはわかりませんが、少なくとも、会社と社員が
各々の立場で描く貸借対照表の左右がポジティブに
バランスすることが理想ですね。仕事を通じて、社員個人
も給与だけでなく様々なリターンを得られる職場やワーク
ライフを実現したいと思ったりするのでした。