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私は残念ながらICUの卒業生ではない。でもその教育内容に一種のあこがれと興味・関心がある。新制大学のリベラルアーツの原点とその雰囲気を少しでも知りたいと思い、本書を手に取った。
ICUの創設に際しては、キリスト教主義大学を設立するために、アメリカ側の強力な支援があったという。高等教育の機会拡大、教養教育、単位制、双方向授業の先進的な取り組み事例はICUなくしては語れないのは周知のとおりである。
意外だったのはICUでも学生運動があったということだ。ワース氏も複雑な気持ちで振り返っている。
多くの方が綴っているその氏の人柄を、私のような外部の者でも容易に想像することができる。大学の建設・発展には並はずれた人格者が必須なのだろう。
<抜書>
Senior Integrating Seminar 実施項目(P.78)
(1)数学、物理学、化学、生物学、諸文化の歴史的展開を学ぶこと。
(2)数学および自然科学における方法論を考察する。特に自然科学における数学の意義を問う。
(3)科学の哲学を学ぶ。
(4)数学および自然科学の他の諸学問分野との連関。
(5)科学と美学・宗教との関係。
(6)科学と技術、それらの社会的影響。
(7)科学者の社会的責任。