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坂本龍馬ら土佐藩、薩摩藩や長州藩、新撰組の活躍した京都市内を7つのエリアに分けて、それぞれのエリアで起こった出来事を、記念碑や像などの史跡から紹介した本。全編に人物や風景がかわいいイラストで描かれているのが特徴で、事件の顛末に加えてそれぞれのエリアにある趣のあるお店なども紹介されている。
内容も比較的軽いもので、読みやすい文体で書かれている。イラストも多く、100ページ程なので、すぐに読める。ただ、エリア別なので、出来事が前後しており、また急に知らない人物が登場する部分もあるので、分かりにくい部分がある。この点は、索引や、巻末に人物事典などがあれば良かったと思う。
新撰組って、今でも女のファンの人も多いけど、結構血なまぐさいことをする人たちなんだな(池田屋事件や六角プリズンの話など)、それにしてもこの時代の人たちは、くだらないことでも自分のメンツのためにすぐに切腹したりさせたりするという(山南敬助、明保野亭事件)、こんな時代に生まれたらおれは生きられない、とか思った。清水寺境内にある「舌切茶屋」の近藤正慎の最期もまさに「壮絶死」という言葉がぴったりで、この話を知ってから清水寺に行けば良かったと思った。土方歳三が古高俊太郎を拷問する様子や「生晒し」にされた村上たか、吐血する沖田総司、そして坂本龍馬の最期の様子など、残酷で血みどろの場面がなぜかとても「かわいい」イラストで見れるのがとても楽しめた。(10/04/02)