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紙の本
これは……完結編?
2010/02/09 18:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
過激の一途を辿る表紙である。そして本編も過激に展開、前巻のレビューで危惧したシリアスさとお色気が根っからのワルの登場で宜しくない方向へ行ってしまうハラハラドキドキの第3巻である。この方面に寛容なHJ文庫ならではの、場合によっては神経質にもなる展開の果てには真逆のドキドキもあるので読み進めてほしい。こっ恥ずかしくもアツい男の友情的青春の一幕やヒロイン2人の悶々とするラヴな乙女心も満載で話は進み、これまでの謎もほぼ全て明らかになる。愁一の恋の真相も明らかになる。ラヴ方面も未祐の気持ち次第というところまで達する。つまり、現在の物語は終わりを告げており、ここからは新展開を迎えるか、そのままシリーズが終わるしかないところまで来ているのである。そして最後に訪れる唐突かつやや強引な結び。未祐達高校1年生の夏休み明けも体育祭も文化祭もクリスマスも初詣もバレンタインも全部すっ飛ばした結び方を読むとフツーは「これで終わりじゃね?」となる。あとがきにも前巻で終わるものと思っていた作者が驚きつつ本巻を執筆した経緯が書かれている。これは、前巻で終わるつもりだったところ(おそらく前巻の執筆途中)にもう1巻という話が舞い込んだ結果の本巻だったのではなかろうかと推測できる。この仮定が正しければ、前巻1冊で纏めるべきシリーズの全容を2冊に分けて綴ることができたために内容も深まったと考えることもできよう。ただ、未祐の能力は毎回出番があった割に第二保健部そのものの活躍があまり見られなかったので、こっち方面で伸びしろはあると思うのだが……あらすじなどに良く書かれる『シリーズクライマックス!』とか『堂々の完結編!』といった言葉が躍っておらず、単に『第3弾』だけだったことも気掛かり。これは完結編なのだろうか。
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