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「神の足 サッカースーパースター技術録」
西部謙司はサッカーが大好きなんだ。
フランス人の脳科学者にサッカージャーナリストの仕事って何なの?と聞かれ、
「画家にはなれなくても画商にはなれるかも知れない。自分は天才でなくても、天才の素晴らしさを伝えられるかも知れない。多分、それが僕の仕事です」
と西部謙司は答えました。うん、実に納得がいく答えである。そんな彼が本を出しました。題名は、“神の足”。コンセプトは、素晴らしいサッカー選手の特に素晴らしい点を伝えること。伝えて伝えて伝える、褒めて褒めて褒めまくる、そんな一冊になっています。
メッシ(バルセロナ)、C・ロナウド(マドリー)の世界2強、マドリーのエースとW杯出場を争うことになったイブラヒモビッチ(パリ・サンジェルマン)を始め、ミランの完璧なバンディエラ・マルディーニ、ドイツの皇帝であるベッケンバウアーが褒めまくられています。
印象深いのは、心に残る不思議系と評された選手達。皆、西部謙司のお気に入りの選手達らしい。例えば、ジャフェット・エンドラム(元ナント)とカルーシャ・ブワルヤ(元PSV)。
前者は、94-95でフランスを制覇し、95-96CLでは準決勝まで勝ち上がった選手で、本能的で知的な幸せに満ちた空気を醸し出すプレーが最高らしい。うん、見たかったな。
後者は、ザンビア最高の選手。現在なら、マユカ(サウサンプトン)が恐らく最も有名なザンビア人プレーヤーだと思うけど、彼をどうやら凌駕するようです。クラゲみたく脱力感ありありにも関わらず、ハイスピードで加速し、脱力した左足から正確無比なパスやシュートを繰り出す。一方で、クラゲらしくループシュートマニアでもあったらしく、正しくこれは不思議系だw
世界には、素晴らしいサッカー選手で溢れている。うん、あなたの仕事は、完遂されましたよ。
14W杯で、不思議系や変態系のビックプレイヤーが現れることを望む。