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ずっしり大きくて分厚い一冊。
絵も文も豊富。初期のスケッチや挿絵から、現在にいたる作品までぎっしり味わえる一冊。
幼少のころの彼の環境が大きく作品に影響を及ぼしていることがわかります。
まずは彼の父が語ってくれた即興の空想物語が彼の作品が生まれる最初の重要な源となっていること。
そして彼自身「自分のすぐれているところは絵とか文ではなく人が忘れてしまったいろいろなことを覚えていることだ」と述べており、子ども時代に見たこと聞いたこと、そして想像したことが作品に表現されているんですね。
いろいろと意外だった事実も。
センダックがディズニーが大好きだったことや、学校は嫌いで正規の教育は想像力の敵だとまで考えていたこと、
「ケニーのまど」の絵が、本人としてはぞっとする絵だと評価していることなど。
そして「ふふふん へへへん ぽん!」に出てくる犬のジェニーはセンダックの大切にしていた愛犬だったんですね。
最初から絵本作家、画家として成功をおさめていたわけではなく、時間をかけて本を作り上げていったセンダック。
途中酷評を受けた作品もあります。
彼がかかわった挿絵になると数知れず。
実は私の実家の本棚にある「陸にあがった人魚のはなし」の挿絵もセンダックだったわかり驚きました。
「想像やファンタジーを通じて子どもはカタルシスを達成する。」(p.65)
子どもの持つ想像力の素晴らしさ・大切さへのセンダックの強い思いが伝わってくるそんな重厚な一冊でした。
お気に入り度:★★★★★
(2010年2月6日読了)
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新装版の前のものを持っています。
私が持っているものと同じかどうか分からないけれど、
ありとあらゆる「センダック」が網羅されている一冊。
ドン!とかなり重いけれど、重さ以上に中身が充実。
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再読。作品の詳細な解説のみならず、イラストレーションを多彩な視点から、センダック自身が語る。挿絵の仕事は“詩を歌にする”ように、文章を洞察して、意味を高める絵を添え、物語の次元を拓くことが大切だと、繰り返し語っている点が印象に残る。また、毎日の問題を通り抜ける子どもたちに、深い共感を寄せている。発散できないフラストレーションに、健康的なチャンネルを開くためには、想像力は重要だ。大人でさえも‥「ミリー」以降の作品は「The Art of Maurice Sendak: 1980 to the Present