投稿元:
レビューを見る
■「今年で120歳」というおねえさんと出逢ったタカシは、彼女に連れられ、遠く離れた南の島で暮らすことになる。多様な声と土地の呪力にみちびかれた、めくるめく魔術的世界。
■■南の島を舞台しにした不思議な七つの物語。相変わらずの独特で不思議な世界観。いつもは和風テイストなんですが、今回は物凄く南国でした。
投稿元:
レビューを見る
南の島が舞台であるせいか、恒川さんの持ち味である土着性の湿気といった空気感がいつもとはかなり違い、でも、うん、私は好きな作品でした。たぶん、時空を越えた所にある南の島を背景としながら、怪奇的だったり、哀れだったりする短編が徐々にリンクしていき、面白く読ませられた。冒頭の一篇で、タカシが無事大人になっていることは知らされるのですが、それでも折々のタカシに降りかかる恐怖や不思議、優しい気持ちは読みごたえがあってね。タカシのところに向かうはずだったお父さんがバスを降りたら、そこは“フルーツ頭人間”の町で、というお話が特に印象に残ります。いつの間にか、人間が犬になり、そして小鬼になりフルーツ頭をむさぼり食う、というシュールな気持ち悪さ。血と果肉・果汁との共通性には新鮮味はないはずなのに、果肉の柔らかさと腐臭が妙にリアルだったし。評価の高い「夜市」より、私はむしろ、最近の恒川さんの方が合うみたい。去年読んだ「竜が最後に帰る場所」が今のところベストかな。
投稿元:
レビューを見る
現実と幻想が見事に絡まり合った世界。太陽の光ではなく月明かりに照らされた南の島。ふと足を一歩踏み間違えると帰れない世界がぼっかりと穴をあけているような…。そして気づかぬ間に閉じ込められていくような。「紫焔樹の島」が好きです。
投稿元:
レビューを見る
南の島で家族と離れて暮らすタカシの冒険の話かと思ったら、時間も場所も様々な不思議な短編の集まりだった。ユナの存在が見え隠れし、登場人物がリンクしている。中でも「雲の眠る海」「まどろみのティユルさん」が良かったが、どの短編にも独特のムードがある。ただ、若者言葉のセリフ回しには違和感を感じた。
投稿元:
レビューを見る
7作品の連作だと思う。
南の島のお話。
現実には起こらないファンタジーなのかも・・・。
読み難かった。
感動も共感もない。
結局、伝えたかったのは何だったんだろう?
'11.08.19読書完了
投稿元:
レビューを見る
夏、海の家にやって来たタカシ。実は両親はここで一家心中をするつもりだった。路上のバスでバーを営む少女、ユナ。
自分は100歳だと言う。(????)
不思議な少女、ユナに連れられて南の島へとやって来たタカシ。
そこで出会う数々の不思議な体験。。。みたいなお話でした。
垣川さんは確か前に『夜市』を読んだことあるのだけど、あのイメージが強くて。弟と引き換えに野球(だったかな?)の才能を得た兄の話だったと思うのだけど。。。
あれは怖かった。だけどこれは。。。いまいちだったな。あまりにもファンタジーすぎて。。南の島の人たちも幻想っぽくて。なんだかな。。。
投稿元:
レビューを見る
ワタシはあまり、作家の時系列を考えて読んでないんですが(新作も何も気にしてないし)、この本を読んでいるとき、デビュー当時の作品なのかと勘違いしました。
少し、今までの恒川さんの作品とは違う感じ・・・です。
わざとやってるんだろうけど、文章もなんとなく荒削りな感じ。作風も、荒削りな感じ。
でもやっぱり恒川さんの作品が好きですけれども~♪(笑。
最後の章が一番好き、かな。
投稿元:
レビューを見る
不 思議な本だ。民話のようにどこか懐かしくて、SFのようにまったく空想のようにも思える。7話の短編集なのだが巧妙につながっていて、それでいてそれぞれ が独立した世界を持っている。味わい的には筒井康隆の世界にも似ているし、これまでの誰とも似ていないように思える。全体に悲しいトーンに満ちているが決 して暗くもなく、むしろ独特の明るい光を放っている。
投稿元:
レビューを見る
タイトルが秀逸過ぎる!!!!
タイトルだけで星5つあげたいくらい
暑い夜のジャングルの夢のよう。
「子供に読ませたい本棚」に追加。
投稿元:
レビューを見る
沖縄が舞台ですね。
よりいっそうホラー色が消え、ファンタジー色が強くなってきています。
私的には良い傾向だと思っています。
投稿元:
レビューを見る
一話目はよく意味がわからいまま終わってしまい、
どうなるやらと思ったけど、
読み進めるうちに輪郭がつかめてきて終わる頃にはどっぷり。
まだ読み続けたくなる短編集。
それぞれのお話に少しずつ重なる部分があって、
そういうところも楽しい。
非現実的な世界観だからこそリアルな部分が浮き出てくる気がする。
ちょっと切ない南の国のお話。
投稿元:
レビューを見る
南の国の不思議話。どの世界も存在しないものなんだけど、目で見たような情景が頭に浮かぶ。不思議だけど不気味さもあって、恒川さんらしい世界を味わえます。
投稿元:
レビューを見る
少しずつどこか繋がってる短編集。わりとよかった。南の島の人々に魔力が起こすどこか不思議な出来事についての話。個人的には原始的な民族の住む島を舞台にした、特別な力をもつ少女の話がすき。少女の考え方が原始的だけどすてきだなと思った。
投稿元:
レビューを見る
南の島の不思議なお話。どこかしらつながってる7つの物語。
「まどろみのティユルさん」がよかったなぁ。
「夜の果樹園」は不気味で怖い。
投稿元:
レビューを見る
別個のようでいて、それぞれやはり繋がりのある連作短編集。
南の島が舞台…とはいっても物語は暗ーい雰囲気がじわじわ滲み出ているといった印象でした。
《もはやどうにもならない今ある現実にあきらめを選ぶしかない》的な
どうすることもできない末期状態への降服がひしひしと伝わってきて、気分が暗くなりました(´`;)
こういう辛さがある意味一番ホラーなのかもしれない。。
個人的に読後感はあまり良くなかったです。