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紙の本

夢の土台。

2010/07/13 18:42

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Living Yellow - この投稿者のレビュー一覧を見る

 通りすがりの道ばたに、ぽっかりと空白ができている。まだそこにあった豆腐屋の面影は思い浮かぶ。だが、果たして。いつか、誰かを連れて、同じ道を通るときに、その面影は訪れてくれるだろうか。
 木と紙でできている、とかつて表現された国の、町はずれのこんな情景と、本書が扱う、15世紀から20世紀末にいたる、施主に、法王から統領までもが名を連ねる壮麗な石、から鉄・コンクリート、硝子に至る壮麗なイタリアの建築群とは比べるべくもないのかもしれない。しかし、本書の論が15世紀からはじめられているのは、ルネッサンスが近代建築の端緒となったという立場を肯定・否定するにせよ、その「復活」が大前提となっていることを示す。

 豆腐屋は、復活することはないだろう。丁寧な手書きの貼り紙も戸口に前もって貼られていたのだから。しかし、イタリアのルネッサンスは、もともと、壊し切れないままになっていたローマのコロッセオ、あるいはギリシアのパルテノン神殿などの「遺跡」にその土台を置いていたはずである。

 入らない建物を壊し、更地にして、建て替える、新陳代謝のような都市の生理が十数世紀にわたって停止していた、その跡から、いったいその時どんな「物語」が飛び立ったのか。そして、その物語は今もなお、飛び続け、豆腐屋の跡に、デザイナーズ・マンションなどを建てるのかもしれない。

 過去の方、後ろを向きながら、未来に向かって飛行を続ける、あのベンヤミンの書いた、歴史の天使、その視点と、豆腐屋の廃墟の前を、その破壊現場を、そして更地を通り過ぎていく、平凡極まりない、地上人の視点とが重なることはあるのだろうか。本当は恐ろしさの余り、目を閉じて飛んでいるのか。美しい建築群のカラー図版、懇切丁寧な歴史背景の解説、刺激的な論点に充ちた本書を閉じて、ふとよぎったのは、そんな夢想であった。

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2011/01/04 14:34

投稿元:ブクログ

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2020/09/26 03:03

投稿元:ブクログ

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