紙の本
歴史的な本
2010/10/06 00:30
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
改装して 2010 年に出版されているが,もとは 1994 年に出版された本だ. 「新装版の読み方」 と題されたあとがきにあるように,当時としては画期的な内容だったといえるだろう. しかし,現在からみれば (当然のことながら) Web 2.0 的なものはまったくふれられていない古典的な電子図書館や電子書籍についての本であり,いま読みかえす価値がどこにあるのか,よくわからない. もはや歴史的な本だといえるだろう.
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旧版とくらべて、もうここまで来たのかという気持ちとまだここまでなのかという気持ちの半々です。
技術的には可能になっているけど、実装は難しいだろうね。
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1994年刊本の新装版。といっても、まえがき・解説がついただけで中身は同じ。なので、読んでいるととっても奇妙。去年あたりから急に電子図書館関係の話題が多くなったので再刊されたのだろうが、ちょうどインターネットが一挙に一般化する「前」(94年はまだwebも普及しておらず、Mosaicに感動している状態だもんね)のものを今読ませて、なんの意味があるんだろう、と思う。
こういう進展の早い分野のわりに、電子図書館はこの15年それほど進展せず、今も有効な記述はあり、そこはさすがだと思うが…。
一方、ネットの世界の発展振りはすい…。
特にパソコン通信もやってなかった私は、ちょうどこの頃初めてインターネットに触れたので、こういう感慨もあるが、今、電子図書館に関心を持つ人は、むしろ読まないほうがよいくらいだと思う。
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2010 10/2読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りて読んだ。
本書を読むのは初めてだが、長尾先生の電子図書館関係の論文等はほとんど目を通していたので多くは知っていた内容。
それにしても、これが初版1994年で、しかも新装版にあわせて書き足された「新装版にあたって」と「新装版の読み方」以外、手が入っていないというのはあらためて驚き。
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1994年頃に長尾さんが見据えていた電子図書館とは。本文中の記述からもわかるが、その頃は電子世界の広がりが今より一段階前だった時だ。それにも関わらず、ほとんど2010年現在の状況を言い当てている。これはすごい。ただ、長尾さんの先を見る目の確かさは素直に受け止めつつも、私たちはここまでしか進んでいないのか?と思った。京大の教授を勤めるくらい優れていらして、今までの蓄積があるとはいえ、若い自分は長尾さんよりもっと自由な発想をもてるよう、精進したいところだ。もっともっと、吸収。
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利用者を目的の情報へいち早く導くために必要となる二次情報、全文テキスト検索の弱点等についてわかりやすく書いてありました。ただ1,500円払って読む程の内容かと言うと......
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1994年に岩波科学ライブラリーから刊行された本の新装版(2010年刊行)。
今から20年前にも関わらず、電子情報の流通について、かなりの部分を言い当てていて驚く。
1日1回刊行されるのではなく、各ニュースが個別に発信され、自分が知りたいニュースだけを受信、あるいは検索可能な「電子新聞」。
デジタルデータを音声化する「オーディオブック」や「カーナビゲーション」と、その逆の「音声入力」。
1冊という単位から開放され、節や章にまで分解されてそれらが検索可能になる「電子書籍」。
誰もが発信者となり、誰もが著者となり得る社会の課題も指摘されている。
予見されていなかったものは「モバイル通信網」くらいではないだろうか。(本書でもモバイル情報端末は登場するが、据え置き型機器に接続しての情報更新などが想定されている)
これらを想定して20年前に構想された「電子図書館」は、グーグルがすでにほとんど実現してしまった感じがある。
一方で、本書で既に課題として挙げられていた著作権などの問題は、未だに落とし所が見えていないわけだけれど。
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16冊目。
20年前で今と少しでも重なる部分を考えられるのはすごい能力だと感じました。
ただ、新装版とはいえ、20年前に書かれた内容のため、情報系の歴史の教科書の一部を読んでいる感じがします。私の年齢も影響しているのかもしれません。これを読見終わった時点で26歳です。
20年前の構想なのでこれでいいのかもしれませんが、議論する際にもう少し根拠のような、理由のようなものがあると納得しやすかったと思います。国がそんなに図書館にお金を費やしてくれるものなのかと、少し不思議な感じがしました。基本的に人は皆、善人であるという考えに基づかれているのかもしれません。
SGMLというXMLに似たものと、日本出版学会、筑波大学と合併した図書館情報大学というものの存在を知ることができたのは良かったと思っています。
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1994年に刊行され新装版として2010年に出版された一冊です。
インターネットや電子書籍端末が現代ほど普及せず、そもそもの技術水準が伴っていなかった時代に考えられた電子図書館構想です。
構想のほとんどが的中していて、これは予言書と言っても良い程の深慮遠謀な内容となっています。
実際と大きく異なっているのは電子図書館の有料化の点で、現状は図書館法の範囲内で運用され無料である場合が多数です。
これまでの技術的進歩はなかなか凄いもので、当時は存在すらしていないために本書でも扱われていないクラウドコンピューティング等は、電子図書館の未来に大きく影響するものと考えています。
今後の電子図書館を皆で作っていくために必要な姿勢が綴られた良書です。