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小説フランス革命その5.
ミラボー退場後のフランス王家をめぐっての情勢の変化をおっている。
いつもどおり、よみやすく、おもしろい
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アントワネットに関する本を買い漁っていて、たどりついたこの本。ルイ16世についての本ってめずらしいと思って買いましたが、これがとてもおもしろい!
ヴァレンヌの逃亡のことを書いていますが、御者に扮したフェルセンが夜中のパリの町中で道を間違えてしまい、この男は地図も読めないのか・・・自分だったら熟読して頭に叩き込み間違えないと腹の中で怒るルイ16世。本当の王の心の中はわからないけど、王の目線(?)で書かれているので、とてもおもしろかったです。
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ベルばらと小説フランス革命に感謝
あさきゆめみしで源氏物語を、司馬遼太郎で戦国から幕末までを、そして、ベルサイユのばらでフランス革命を勉強したなら、お奨めです。
フェルゼンが実在の人物であることに感動しミラボー、ラファイエット、ロベスピエール、ナポレオンにまできちんと触れていることに、どれだけ感謝したかわかりません。
「池田理代子先生ありがとう」。
あっ、「宝塚歌劇団の皆様もありがとう」。
ベルばらは基本的にマリー・アントワネット史観でした。宮廷外の話は庭球場の誓い等の大事件がさらりと触れられる程度、侍女のロザリーの活動範囲を拡げ、庶民や革命勢力を上手く描き、それまでの漫画表現の限界を超えた名作ではあるものの、ツヴァイクの作品を分かり易く1970年代の少女漫画の読者に読ませようとする以上、オスカルなどという男装の麗人で場つなぎをしなければ、きっと断頭台どころかバスティーユが陥ちるところまでも達しなかったでしょう。
あれから四十年弱経ち、ツヴァイクも読めるようになれば、自然、近代共和制の始まりだって少しは勉強し直したくなります。悲運の王女は単なる反革命の偶像に過ぎず、革命の理想はルイと共にギロチンの下血にまみれ、結果、共和政体に厭いた民衆が皇帝ナポレオンを生んだ背景だって、興味を持てます。
V巻は、ヴァレンヌ事件が描かれます。無知蒙昧、愚鈍にしか描かれることのなかったルイ一六世が活躍します。史実をどれだけ検証したのか、佐藤賢一は王女の愛人とも言われたフェルゼンに冷淡です。英雄ラファイエットについても同様。ここから革命は血の匂いに満ちていくのですが、それもこれも、革命家達げ政争に明け暮れ、大衆が衆愚だから、というまとめかたも大変潔く感じました。
2010/04/28、杉並図書館より借用。
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1791年6月20日月曜日パリを出発~憲法が制定され,国民議会が解散の運びとなり,選挙権制限と立法議会の立候補要件で差別しようとする平原派の連中が気に入らないロベスピエールは,三頭派との対決を決意し,ジャコバン・クラブを差配する手管を模索し始める。6月20日,弟夫婦と妹,妻と子の前で,変装してテュィルリ宮を抜け出し,ベルリン馬車に乗り換え,シャンパーニュを横断して,モンメディに到達する計画を発表し,実行に移す。46時間後,ヴァレンヌで男爵夫人と執事ではなく,紙幣に肖像が描かれているルイ16世ではないかと問い詰められ,途中で惚けるのはやめて,王であることを告げた。田舎であれば尊崇の対象であるに違いないと考えての行動であったが,一晩で空気が変化し,パリからの追追っ手も辿り着き,パリへ戻されることになる。立憲君主制を支える憲法を施行して,権益を守りたいブルジョワと一挙に共和制に移行したい急進派の鬩ぎ合いはジャコバンクラブ内でも行われている~5日間の模様を実に丹念に描いたモノで,感心・感心。ルイ16世の心の揺れ方,貧しい人々・富める者たちの思惑も丁寧に描いている。よく調べて纏めている。前にも書いたと思うけど,フランス人には書けない物語を日本人だから書ける部分があるに違いない。次は「フイヤン派の野望」2010年9月刊行予定。しかし,国王には就寝の儀があって見物自由と云うことと,侍従の手と王の手を結ぶ紐がついているとは・・・ねえ
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やっぱり面白くない。4分の1ぐらい読んだが読み続けられなかった。文章が死んでる。教科書みたい。キャラクターが魅力的でない。説明的過ぎる。佐藤賢一は一体どうなったんだ。
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前巻は議会の話ばかりで、なかなか読み進めなかったけれど、この巻はルイ16世、マリーアントワネットの逃亡の様子が描かれていて、おもしろく読み進めることができた。
王の逃亡の真実は今となっては誰にもわからないけど、これが真実に近いのか?それとも全然違うのか?等々考えると、面白かった〰。
ルイ16世の人物像も今まで私がイメージしてきたのとは少し違っていて興味深かった。
やっぱりこの時代の小説、おもしろい〰
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ついにルイ16世の逃亡。
ベルバラではフェルゼンがもう少し活躍したような気が・・・。ロマンティックに描くとそうなるんでしょう。
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王が逃げる。
ただそれだけのことなのになんてドラマチックな展開なのだ!
当時の人々の右往左往振りが実感できて楽しかった。
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ほぼ一冊まるごとが国王一家の逃亡劇の5日間に費やされる一冊。故に物語全体で言うと「一回休み」の感が。それもこれも全てが「ミラボーの欠落」によるもの。次に革命を動かすのはロベスピエールなのか、デムーランなのか。
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衝撃のミラボー死亡からどう話を繋げるのかと思ったら、なんとルイ十六世の一人称。愚鈍だと思われている王様の内面が、シリーズ5冊目にして初めて描かれる。マリー・アントワネットやフェルセンなど王家の人々はベルばらの印象が強烈だったが、また違った王家像が見られる。興味深かった。フェルセンが非常に情けなく描かれている。内容としては、一巻まるまるヴァレンヌ事件。やはりミラボーは偉大だったと思わせる。
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ミラボー伯爵が亡くなった後起きた、ルイ16世一家の逃亡から捕捉されてパリに帰るまでを描いた一巻。
ミラボーがとても強烈な個性で描写されきっていたので、ルイ16世の描写はやや冗長に感じないでもない。
ただ、いわゆる「ベルばら」世代の身としては、あの貴公子フェルセンが顔だけの情けない使えない男として描かれているのが面白かった。
終盤デムーランが図った計画の中を王一家と彼らを引き戻しに出向いた議員がパリに到着するシーンは圧巻であった。
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第5巻。ルイ16世がパリを脱出してから捕まって連れ戻されるまでが描かれている。
革命後の混乱でたまる鬱憤を、王にぶつける民衆の姿には、空気に流される大衆心理の恐ろしさを見る思い。民衆と直接相対することがなく、自らに対する評価をつかみかね、あれこれと想像をめぐらせる王。この構図は、この時代だけのものではなく、かなり汎時代的に当てはまる状況なのではないか。
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停滞気味だった3,4巻に比べて、がぜん面白い。ルイ16世を見直した。
世界史の教科書では1文で済ませられてしまう内容を、日本語で220ページかけて描き出すのには脱帽。
ルイ16世だけでなく、脇役の人物像もうまく描き出されていて、手に汗握って読める。
ラストのデムーランのコメントも、いい。モノガタリが前に動き出した。
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ルイ16世が主人公。
主体的に動くルイ16世の必死の逃避行。
だけど・・・佐藤賢一はえらいこと筆が冷たい(ほめことば)
これでもかとばかりに詰めの甘い判断が、どんどんとルイ16世を追い込んでいく。それを丹念に書く。
でも、もし自分がルイ16世だったら、たぶん同じような判断や行動しかできなかったと思う。
歴史物語の登場人物は、よかれ悪しかれ「歴史に名を残した」人物たちなわけで、同時代のチャンピオンである。ナポレオンなどはその典型で、自分がナポレオンだったとして、まあ同じ事ができるわけがない。
ルイ16世は、妖怪でも怪物でもなくて、普通の人だ。その人の思考と行動を丹念に追いながら破滅していくのをみるのは、これはこれで読んでてつらかった(ほめことば)。
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どこまでが史実で、どこからが創作なのかは判然としないのだが、フェルセンの間抜けさが巧みに描かれる。マリー・アントワネットとの不実があったにせよ、なかったにせよ、彼は所詮はフランスでの革命の趨勢には無関係なスエーデンの貴公子。あんなものなのかも知れない。