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これからの農業は不耕起農法によって土壌の肥沃度を回復するとともに地球温暖化の抑止にもつながっていく方向に進むべきであると主張している。『究極の田んぼ』の著者も自ら不耕起農法と冬には田んぼに水を張ってみみずの糞を肥料として米を作るようです。考え方は同じなんだ!
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第1章 泥に書かれた歴史
第2章 地球の皮膚
第3章 生命の川
第4章 帝国の墓場
第5章 食い物にされる植民地
第6章 西へ向かう鋤
第7章 砂塵の平原
第8章 ダーティ・ビジネス
第9章 成功した島、失敗した島
第10章 文明の寿命
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北米大陸について、あらためていろいろと考えさせてくれる良書です。とくに南北戦争のころの切り口は、土壌をテーマとしているだけあってスリリングにまとまっています。ただ、日本への言及はありません…。
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レビューはブログにて
http://ameblo.jp/w92-3/entry-10995840918.html
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内容は★5つレベル。しかし、翻訳がカタイため、非常に読みにくい。そのため★3つ。
土壌の大切さが身にしみる。土壌は胎盤、という考え方にとても共鳴。
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銃、病原菌、鉄、さらに土。「文明崩壊」にも記述される、土壌劣化による文明崩壊の例示が、古代ギリシャ、ローマから現代アメリカ、ハイチまでこれでもかとばかりに示される。見落としがち、というか、逆に誰でも思いつくがゆえに深く考えてこなかった当たり前の要素。インテリの思想がここに至った時に、計画生産という結論に飛びつきたくなるのもわかる。しかし、解法はおそらく、個々の人々の知性に委ねられるのだろう。間に合うかどうかは別として。
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人間にとっての基礎的資源、土。これが古代から現代までの文明の栄衰を司ってきたとして歴史を読み直す。土は時間を区切って観察できないもっともゆっくりした変化であり、この変化に気付けるかが文明の寿命を左右するとする。先人が自然のバランスを崩して滅びてきたケーススタディから現代の成長至上主義に警鐘を鳴らす。
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耕作が引き起こす土壌侵食が、いかに文明を滅ぼしてきたのか。そして今の地球に、増え続ける人類を支える土壌があとどれ程あるのか。土壌は戦略資源であり、人口を支える基礎である。この視点は持ってなかった。間違いなく良本!
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地質学者が論じる土壌開拓、農業の歴史を記述した本。土壌は有限の資源であり、文明の存続可否は土壌を再生可能な状態で維持できるか否かにかかっているという。思えばアルキメデスの示した四元素のひとつでもあり、先人は遥か昔からそのことに気づいていたのではないだろうか?にもかかわらず、人口は爆発的に増加の一途を辿り、土壌の汚染、崩壊は止まるどころか加速しているようにも見受けられる。人間視点ではなく地球視点、宇宙視点で農業のあり方、人類のあり方を見つめなおさなければならないように思う。
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面白いんだけど、ちょっと眠かった。
文明史と言うより土・土壌の保全についての本。
タイトルと副題は売らんがための意訳かな?
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現在では森や木に恵まれているのは日本をはじめ少数の国しかありませんが、かつては地球上の殆どの地域は緑に覆われていたことでしょう。
砂漠や禿山となってしまったのは、気候変動によるものもあるかもしれませんが、基本的には人間の活動(農業革命)による土壌の酷使にあるのでは、というのが私がこの本から受け取ったメッセージです。
ローマ帝国を初め、各文明の盛衰のカギを握ってきた「土」について興味深い話が多くありました。特に驚いたのは、単位面積当たりの栽培量は、小規模農家の方が大規模農家よりも高い(p216)という事実でした。
以下は気になったポイントです。
・1年で1エーカあたり、ミミズは10-20トンの土を押し上げいることに、ダーウィンは気づいた、これは1年に3-6ミリ程度堆積することを意味していて、ローマ時代の廃墟が埋もれたことを説明する(p13)
・ミミズはわずか2-3世紀で、土を完全に耕したことを近年の研究は証明した(p16)
・皮膚は、私たちの身体と重要な臓器を紫外線で守っている一方で、健康な骨を作るために必要なビタミンDの生成のために、日光を通す必要がある、この両者の綱引きにより、肌の色が変わった(p36)
・殆どの家畜は、紀元前1万年から6000年の間に家畜化された、例外は2万年以上前からの犬(p45)
・ヨルダン中部の表土の浸食と土壌の生産性低下は、集約的農業とヤギの放牧が引き起こした(p47)
・シュメール文明の農業が塩類化に弱かったのに対して、ナイル文明は強かった、ナイルの洪水が毎年川沿いの農地に新しい土壌を運んできた(p53)
・ローマの農業が衰退(浸食を促進した)理由として、都市に住む地主が広い農場を奴隷監督に任せたため、プランテーション所有者も同じ(p81、182)
・北アフリカの属州は可能な限り穀物を生産する圧力にさらされていた、政治的配慮から帝国は穀物を無料でローマ全市民に供給することを強いられていたから(p85)
・農場の奴隷を働いている土地から引き離すことを禁じるローマ法が制定され、これが農奴と土地を所有する中世の農奴制の基礎になった(p89)
・マヤの農民は丘斜面を段にして作物を植える平らな地面を作り、地表を流れる水による浸食を遅らせると同時に、水を畑に導いた(p101)
・ヨーロッパの壊滅的な打撃を与えた1315-17年の飢饉は、人工が農業システムの支えられる限界に近づいたときに天候不良が影響すればどうなるかを示している(p122)
・アイルランドはジャガイモのみに依存していた(牛肉、豚肉、青果はほとんどがイギリスへ輸出)、1845-46年のジャガイモの収穫が壊滅的となり、100万人が死亡、100万人がその間に移住、さらに300万人が50年間でアメリカに向かった、1900年の人口は1845年の半分程度(p145)
・欧州は繰り返される飢餓問題を人間の輸出(移民)で解決した、1820-1930年にかけて、5000万人が移住した(p148)
・アマゾンの移民は、一度に広い範囲を伐採し、過放牧で浸食を加速させて土地から生命力を搾り取ってい���(p157)
・アメリカでは圧倒的な利益をタバコが生むので、多様な作物を栽培することはなかった(p160)
・フランクリン・ルーズベルトは、移民開始から20年程度で砂漠化していることに直面し、1934年11月に残った公有地への入植を停止して、開拓移民の時代を終わらせた(p207)
・1992年の報告で小規模農家は、大規模農家に比べて単位面積あたり、2-10倍の作物を栽培していることが判明した(p216)
・稲作は当初は乾燥地農業であったが、2500年程前に水田での栽培が始まることで、悩みの種であった「窒素の減少」を解決、よどんだ水が窒素固定作用を持つ藻を育て、それが肥料として機能した(p245)
・リン鉱石を硫酸で処理すると、すぐに食物が利用できる水溶性のリンが生成される、これば肥料の始まり(p250)
・1838年に肥料以外では、マメ科植物を栽培すると土壌窒素を保持するが、麦類には無いことを発見した(p251)
・1850年代には、アメリカとイギリスは肥料として、ペルー産のグアノを年間100万トン輸入した(p252)
・1881年にボリビアはグアノの島への経路をめぐる戦争に敗れてチリに太平洋岸を奪われた(p254)
・草刈をした後は、その草は腐るにまかせている、1週間としないうちにミミズの穴に引き込まれるので(p276)
・産業革命以降、大気中に蓄積した二酸化炭素の3分の1は、化石燃料ではなく土壌有機物の分解に由来する(p292)
・キューバは農業を現地の条件に適用させることで、生物学的な堆肥と害虫駆除の手法を開発、砂糖の輸出をやめて、食糧を輸入せず、農業用化学製品を使用せずに食生活は10年で戻った(p317)
・文明の寿命は、最初の土壌の厚さと、土壌が失われる正味の速度の比率によって決まる(p323)
2012年6月10日作成
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他のレビュワーも触れている通り『文明崩壊』でそのエッセンスは要約されているので、趣味の読書の範囲においてはそちらを薦める。
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要約:土壌は食料生産の根幹であり、人類生存に欠かせないものだ。人口増加に伴い過度の耕作をし、土壌が流出・枯渇したために人口を支えられなくなり衰退した文明は枚挙にいとまがない。現代文明も同じ轍を踏みつつある。
メモ:
アダムとイブのアダム←adamaヘブライ語の土・大地
ホモサピエンスのホモ←homusラテン語生きた土壌
人口増・狩猟対象動物の現象を受けて農業を始めざるを得ずに人口増につながった、という説
氾濫原の生産力を人口が凌駕し→斜面耕作→土壌流出→生産量減少→文明崩壊、というパターン
大航海時代の背景には人口増があったというが、それと同時に欧州の土壌流出も激しかった
中国には40世代以上に渡り安定して収量を確保できている地域がある。そこでは豊作の時も作物を外部に売らず、自分たちで食べて糞尿を堆肥にしている。地域循環が実現されている。
グアノ、ナウル、ハーバー・ボッシュ法、BASFという懐かしい名前もちらほら。つながってくるなぁ。
飢餓の解決は生産量を増やすことではもたらされない
都市農業でカロリーベースで自給率どこまで上がるものなのだろうか
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おもしろい!
歴史を土壌の変化からひも解く本ははじめて。
これを多くの人に読んで欲しい。
いかに現代に生きる私たちの生き方が間違っているか、と考えさせられる本。
自然から離れ、緑を減らし、どこかで集中的に農作物を大量生産させることがいかに人類を破滅に導くことなのか、よくわかる。
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歴史軸、地理軸で、土壌がいかに大切か、を解説した本。でもどの時代も、どのエリアも結局その解説は結局は同じになってしまうので、読了に時間がかかる割には、内容の薄い本でした。