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この本、FM東京の「東京ガベージコレクション」のプレゼントに応募して当たったものなんですよ。なので、宍戸レイと平山夢明のサインがあり、京極夏彦の「幽」という字が入っています。感激。
怪談やホラーはあんまり得意じゃなくて普段は読みません。この本もちょっとドキドキしながら覚悟して読んだのですが、意外に恐くなかった。黒木あるじの「ささやき」という1頁の作品が、一番キレがあったように思います。
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雑誌「幽」で開催された怪談実話コンテストなるもので、傑作選を拾って1冊の本にまとめた、というもの。名だたる「超怖」シリーズやら「新耳」「九十九」あたりと比較してしまっては相当に分が悪い、というところは否めないが、それでもそこそこ怖いし読ませる話もある。タイトル作は高評価だったようだが、個人的にはさほどでも。
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うーん。怖くなかったw
実話縛りのせいだろうか。
それとも、私が「怖い」と感じるのは、未知なるものではなくて、「他人を怖がらせよう」と思う気持ちなのかもしれないね。
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黒木あるじさんの話がダントツに面白かった。
以前アンビリでみた『見ると死ぬ面』(呪われる だっけ?)を思い出す。
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『怪談実話コンテスト傑作選ー黒四くろよん』 (メディアファクトリー文庫)
怪談専門誌『幽』の公募による、「第一回『幽』怪談実話コンテスト」の入選作家8名の、書き下ろしを含めた16編の作品が収録されている。
さて、大賞受賞作は。本のタイトルにもなっている「黒四」という作品である。
実はなんと、作者の三輪チサさんは、私の高校の部活の先輩なのだ!
私たち後輩が一番喋りやすかった優しい先輩で、その人柄は文章にもにじみ出ている。
タイトルの「黒四」とは、黒部第四ダムのことだ。
話の舞台は昭和31年の黒四ダム建設現場。
幾度も映画やドラマにもなるほど、同時代に類を見ない過酷な工事だった。
「父」というのは先輩のお父さんだろう。
お父さんが実際に体験した本当の話である。
「雪と氷に閉ざされた山の中、岩盤から染み出す雪解け水に腰まで浸かっての掘削作業」
「凍った作業服」
そんな描写で、もうすでに現場に自分もいるような気分になってしまい、思わず身震いした。
そんな冬のある日、機械を修理するために水の中に腕を差し入れたお父さんは、その手の先に、冬の初めに重機に挟まれて死んだ仲間の顔を見た。
翌日、その男の幽霊が、大事故から現場の仲間たちを救う。
実話だというだけでじわじわ怖い。
真面目で朴訥な語り口や方言が心に響く。
こういう作りモノではない説明のつかない現象は、悲鳴を上げるような怖さとはちょっと違う。
誰かが後ろからそっと自分を見ているような……
そういう身近さが実話怪談の怖さだと思う。