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つぎねふ 山背道を
他夫の 馬より行くに
己夫し 徒歩にて行けば
見るごとに 音のみし泣かゆ
そこ思ふに 心し痛し
たらちねの 母が形見と 我が持てる
まそみ鏡に 蜻蛉領巾
負ひ並め持ちて 馬買へ我が背
(巻十三の3314)
大和から奈良山を越えて山城へ行く道を、よそのご主人は馬でいくのに、私の夫は歩いていく。見るたびに泣けてくる。母の形見の鏡や上質の布(あきづひれ)をもっていって、それで馬を買ってください、という長歌です。
つぎねふは枕詞で、山背にかかるとされています。つぎねがなんなのか、よくわからないのが実情です。植物の名で、ヒトリシズカ(orフタリシズカ)ではないかという説もあります。本書ではヒトリシズカの項目でこの歌が紹介されています。花穂の形から化粧道具の眉刷毛にみたてて、マユハキグサ(眉掃草)という別名もあるそうです。写真がみごと!
万葉集が好きな人。そして植物を愛する人。そんな人にとって、この本は珠玉の一冊となります。
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浄瑠璃寺に置いてあったのが目に留まって買ってみました。カラーで歌に詠まれてる各万葉花が紹介されてて歌の世界のイメージが浮かびやすい。歌よりも花そのもの名の由来等の解説が多いかな。季節ごとに分けてあり各解説も丁寧で楽しめます。
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とても、気持ちの良い一冊です。
私は短歌はできないけれど、楽しみました。
たまに開いて心を慰め、癒やすのに向きそうです
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野の花を見て、これは昔の人も見ていたのかしら?
和歌を読んだり花をいけたり どんなふうに関わっていたのか ちょっと興味がでてきました。
⇒ URLはこちら http://pasobo.blog79.fc2.com/?tag=%E5%92%8C%E6%AD%8C 『和歌 』 : 〜 Myブログ「散歩道の野草と風」
本書は、写真がきれいで、万葉集のことと 植物のことが両面から語られて面白い本です。
2016/09/29 予約 10/12 借りる。10/13 読み始める。12/22 ざっと読み終わる。
万葉の花 四季の花々と歌に親しむ
内容と目次・著者は
内容 : 万葉集に詠まれた花百選。
あしび、はなかつみ、おもひぐさ、あべたちばな…。
万葉びとが花の姿に託した溢れる想いとは。
万葉集に詠まれた花を、春夏秋冬の四季別に約100種類掲載。
美しい写真を交えて、解説する。
万葉びとが花の姿に託した溢れる想い。
野辺の花や景色を美しい写真と文章で綴った一冊。
本書は万葉集のなかから約100種を取り上げ、登場する植物と歌についての解説したもので、大和の自然に咲く花や景色を美しい写真と文章で掲載しています。
また、花の解説については、花びら一つ一つにも目を配り、その花が語ろうとする心を見事に描きだしています。
自然とともに生きた万葉びとの心に触れ、いにしえの情景をお楽しみください。
巻末には、万葉集の歌を独自の心象風景として描いた版画家、吉崎秀夫氏の作品を収録しています。
○収録されている花(植物)
■春
あしび もも つばき やまたづ つぎね かたかご ねつこぐさ さきくさ
さくら すみれ ひさぎ らん・けい しきみ やまあゐ やなぎ
■夏
あざさ あぢさゐ うのはな むらさき さきくさ あやめぐさ あふち こけ
さうじゅ・さうりん はなかつみ うり くれなゐ わすれぐさ うきまなご ときじきふぢ
■秋
をみなへし くず みつながしは なつめ はねず いちし はぎ おもひぐさ ちち
すすき・をばな・かや つきひとのかつら さはあららぎ たまばはき こなら しだくさ
■冬
ささ あふひ やますが・やますげ このてかしは しだくさ あべたちばな
まつ たけ やまたちばな ほよ すぎ うめ まき
ほか 約100種掲載
著者 : 片岡寧豊
いけばな作家であると同時に、万葉の花研究家としても知られています。
万葉の花研究家、URLはこちら http://www.eonet.ne.jp/~k-neiho/ 『「万葉花寧豊会」 』 : 主宰。
華道家、小原流一級家元教授。毎日文化センター、朝日カルチャーセンター、近鉄文化サロン講師。
著書に「万葉の花をいける」「大和路の花万葉」など。