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紙の本
旅先で見つけた本
2011/05/04 06:55
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
さよなら夏休み 高田拓土彦(たつひこ) ユーフォーブックス
読む前は、岐阜県郡上八幡の美しい自然の中で、すくすくと育つ健全なこどもたちを描く、ご当地小説と予測しましたが、実際の物語の雰囲気は暗く、まるっきり正反対でした。びっくりしました。
32年前に同市内の児童養護施設(親の事情で家庭内で暮らせない)のお寺で育った少年・少女たちの思い出話です。親が障害者であったとか蒸発してしまった。母子家庭の母親が再婚して家にいられなくなった連れ子、一家心中の生き残りとなったこども、DV(家庭内暴力)の犠牲者となったこども、婚姻外のこども、アル中の親やらの子どもです。32年後、彼らはそれぞれ大人になって親となり、こどもがいます。
地元病院の跡継ぎ息子医師が自宅で餓死したことから昔の仲間が葬式に集合します。話のつくりは、ファンタジーです。回帰シーンに時間移動をして、小学生に戻った裕史が過去に行為を残していくのです。
作品としての手法に関する感想です。登場人物が多すぎます。彼らひとりひとりについての説明も多い。氏名がむずかしくて、名前と思えないものもありました。全体をとおして、素直な順列記述になっています。「秘密」がありません。それからおとなも含めた女子の心がまっすぐすぎる。
130ページ付近からスリルが増します。作者は、これからどうするつもりなのか興味津々でした。人はなにかかにかの重荷を背負いながらこの世で暮らしています。この世に何を残して、死地に旅立つかを考えながら暮らしています。さよなら夏休みの「夏休み」は何かを表しているのですが、それが何かはいまのところわかりません。こどもたちにとっての少年時代? それとも、特定なだれかの青春時代?
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