投稿元:
レビューを見る
気がついたらひとりぼっちだったヤマダさん。何もすることがなかったけれど、ある日、庭があることに気がついた。
すると、忘れていたけど、ヤマダさんの昔の遊びや冒険が次々と思い出され、くれだされ・・・
投稿元:
レビューを見る
ほんとうはこんなに冒険にみちた人生だったのに忘れていたヤマダさん。
思い出してよかったなっておもいました。
投稿元:
レビューを見る
「気がつけば、ヤマダさんはひとりぼっちでした。なにもすることがありませんでした」
から始まる。
男の人が一人、暗い部屋で机に向かって座っている。
暗い導入だけど、ページをめくりたくなる構図だと思う。このヤマダさんはどうなるんだろう、と。
ページを捲ると
「自分のうちに庭があるのを発見しました。
その日はいちにちじゅう庭をながめてすごしました。
「そうだった、そうだった。こんな庭があったんだ」」
という発見から、庭を探索し、子供のときや青年期の記憶や夢に次々に再会する旅となる。
その探索が楽しく、鮮やかで岡田淳の本を読んでる充足感がある。
「自分のうちに庭がある」
この「うち」には、家の意味と、自分の内側という意味をかけていると思う。
子どもも大人も、孤独に苛まれ身動きが取れないような思いを感じたことのある人が多いだろう。
そんなとき、ただじっと耐えるでも、ヤケになるのでもなく、自分の内側にあるもの、今までに出会ってきたものを振り返ると、意外なほど豊かな世界が広がっている。
最後の主人公の姿は、相変わらず一人なんだろうけど、それでも賑やかだ。岡田淳からあらゆる個人へのエールを感じる。
(一点、なぜそれを願うの?そのキャラクターにそれを願わせるの?という展開があったのは残念だった。魚のままではいけなかったのか。同化しないといけないのか。)