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<感想>
本書は「ありふれた社会現象の中でゲーム理論が当てはまります」という形で様々なゲーム理論を説明していく。
そして、本書は社会現象8割、ゲーム理論2割といったところであろうか。
ゲーム理論にさくページがあまりにも少なすぎる。
一般的な雑学本としてならゲーム理論に限らず、多くの知見が紹介されているので面白いと思います。
<要点>
■「退出」と「声」(ハーシュマン『離脱・発言・忠誠』)
ある街にレストランが100軒あって、客が1万人いるとしよう。客は100軒の店を食べ歩きながら自分の好みの店を探そうとするかもしれない。このとき、まずい料理やサービスをすれば人は離れていく。これを「退出」のメカニズムという。客は店に来ないことで無言の抗議をしているわけである。一方、100軒のレストランが100人の得意客を抱えている状況を考えてみよう。この状況下では、得意客はそうそう鞍替えしなが、レストランの味やサービスについてあれこれ注文をつける。これを「声」のメカニズムという。
■ある貨幣が価値を持つか否か、黒人には高い家賃を要求すべきか否かという判断はみんながどう判断しているかに大きく依存している。社会現象はみんなの「意見」で作られるものである。
■ヒュームによれば、因果関係を直接感じることはできない。火を観察し、その上方に煙を観察する、という経験を積み重ねて初めて「火⇒煙」という因果関係がぼくたちの頭の中に定着するのである。
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ヒュームについて言及されていた箇所は参考になった。軽すぎる感があるけれど、高校生向けなのであるから文句をいうものでもない。
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「三方一両損」(大岡越前)/「離脱・退室と発言・声」(A・ハーシュマン)/「人間の科学」(D・ヒューム)
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プラトン『国家』第七巻の、洞窟に生まれながらにして繋がれている奇妙な囚人の話。(シェイクスピアP161〜)
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[ 内容 ]
社会科学を塗り替えつつあるゲーム理論は、「人と人のつながりに根ざした理論」である。
環境問題、三国志、恋愛、いじめなど、多様なテーマからその本質に迫る入門書。
[ 目次 ]
序章 恋は駆け引き
第1章 戦略編
第2章 歴史編
第3章 市場編
第4章 社会編
第5章 未来編
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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ずっと勉強してみたかったゲーム理論。
概略だけでも掴む為にはちょうど良かったです。
タイトルの通り、高校生向けに書いたため、大変分かりやすいです。特に、環境問題、国債の購入、PK戦など身近な話もゲーム理論を用いて表わしていている部分は大変参考になる。(歴史についての部分についてはちょっと難しかったが)
新書なのですぐ読めるし、入門書として最適です。
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200ページもないのですぐに読めます。
「ゲーム理論」と聞くと経済学の一分野という印象をうけるかもしれませんが、本書では経済のみならず社会科学や史実、そしていじめの問題など幅広い分野をゲーム理論の視点から説明しています。
新書なのでレジャー感覚で読んでみましたが、ところどころ読みづらい部分があったので☆3つとしました。
個人的には、株式トレーダーをプラトンの言う「洞窟の囚人」に例えたくだりが好きです。
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ゲーム理論の本を初めて読みました。
その上でのレビューとなります。
ゲーム理論の基礎を学ぶというより、ゲーム理論とは「このような場面で、このように使える」という事を、実例や史実を使って説明している書籍となります。(PK、三国志、ガソリンスタンドの新規参入についてなど)ですのでこの本は『ゲーム理論ってのはどういった時に使うの?』というのを知りたい方に向けての本というように感じました。
この本を使ってゲーム理論の勉強をするのは難しいように感じました。あくまでゲーム理論って何?という人が読む本です。
この本を読んだおかげで「ゲーム理論ってこういうものなのか」というのはわかったのですが、残念だったのは、1章から5章までそれぞれのテーマに沿って話を進められますが、3章の途中くらいから、段々と「ゲーム理論の説明をするために歴史や市場の背景を説明」から「社会問題などをメインで、その中でゲーム理論の説明をおまけ程度にする」みたいな感じになってる所です。
正直後半はゲーム理論の本を読んでいるという感じがしなかったです。
ただ3章前半まではとても勉強になりました。三国志の話や、折れた翼の話はとても面白かったです。
この本をきっかけに他のゲーム理論の本を読みたくなりました。
ゲーム理論が何かはよくわからないけど興味がある方には読んでみて損はないと思います。値段も800円程度ですしね。
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ゲーム理論に関する入門書。囚人のジレンマや背水の陣などをゲーム理論により紐解く。ゲーム理論においては当事者でありながらも、外から客観的に俯瞰する能力が必要となる。基本的には確率論を基にその選択に付随する結果を導き、利得がどれほど得られるかを推定するのがゲーム理論であると解釈した。現実世界においては利害関係者がお多く存在するため、本理論を適用できないことも多いと感じた。一方二人での待合せ等の事例においては本理論を活かすことで最大の結果を得られる助けになるとも感じた。
次はより学問的な書籍にもチャレンジしたいと思う。
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「高校生からの」というタイトルだが、おそらく平均的な高校生には読み解けない。数学や現代文をじっくり勉強していればなんとかなるかも、というのが率直な感想。
ゲーム理論とは、という定義もあいまいなまま、ケース分析が進む。
半分ほど読み進めると、理解が進んでくる。そうすると一つ一つのケースや格言を楽しめるようになるのだが、途中で挫折する方もいるのではないかな・・・
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経済学者 松井彰彦氏がゲーム理論について解説した2010年の著作。ゲーム理論の対象は自分の利得が自分の行動の他、他者の行動にも依存する状況を意味し、経済学を始め、経営学、政治学、法学、社会学、人類学、心理学、生物学、工学、コンピュータ科学などのさまざまな学問分野に見られます。本書では、具体例を挙げながらゲーム理論を解説しています。まずは実際にどんな事例があるのかを学んでから、理論を学びたいと思う人向けの入門書です。
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Twitterで好き勝手つぶやいていたらあるときいろいろな意味で有名な池田信夫さんから「それはフォーク定理ではナッシュ均衡だから~」という返信が来た。
さっぱりわからなかったのだがどうやらゲーム理論に関することだということだけは判明したのでダッシュで池袋のジュンク堂にいってこの本を手に取った。
フォーク定理については載ってませんでしたが、ナッシュ均衡についてはなんとなくイメージくらいは掴めたかな。
文章も内容も具体的でわかりやすいので入門書としてはなかなかのものだと思う。
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「高校生からの」と言うくらいやさしいゲーム理論の入門書です。とは言え、数学的な話とかは何にも出て来ません。これだけでゲーム理論がわかったりはしません。そうした意味のゲーム理論の入門書は、他にたくさんあります。
でも、この本のいいところは、人と人の相互的な行為として営まれる社会現象をゲームとしてモデル化して解析しようとするゲーム理論の根本みたいなところを、丁寧に示してくれるところにあると思います。ですから、ゲーム理論入門にトライをかける前に、入門のそのまた一歩手前みたいなところで読んでおくとよい、お薦めな本です。
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ゲーム理論の基礎について色んな実例を交えながら学べる一冊。
西洋合理主義に基づくゲーム理論なだけに(本書でかじっただけの浅はかな知識ですが)
ともすれば実利のみを追求するような議論になりがちですが
この本はしっかりと東洋思想も組み込まれた構成になっておりバランスが取れた一冊です。
経済的な視点だけでなく人間関係に関しても色々示唆に富んでいて
これからはまた新たな視点で物を考えられそうな気がします。
子供が高校生になったら是非読んで貰いたいです。
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松井彰彦著「高校生からのゲーム理論」ちくまプリマー新書(2010)
*離れて人間関係を読む事は大切である。当事者なのに離れてみる。でも心はあついままに。幽体離脱では有るまいし、と思うが、この幽体離脱のような離れ業こそ恋愛だけではなく、社会科学にも必要な物である。マーシャルという経済学者も「熱き心と冷静な頭脳」といっている
*顔の見える競争は競わせる側にとって望ましい事が多い。1つは競争をより多くさせるように報酬をコントロールすることができる。報酬のほか、表彰、出世の可能性を開く事でより一層の努力を引き出す事ができる。さらに、顔の見えない競争と違ってしばしば長期的な競争になるため、一時的な足の引っ張り合いの効果も薄れそのようなネガティブな行動がばれやすいため競争の中にも協力関係が生じやすい。