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このタイトルは科学をテーマにした本にふさわしいのだろうか?
今最新の科学のテーマをやさしく教えてくれる。
科学好きにはたまらない本だ。
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『人間はどこから来たのか、どこへ行くのか』(高間大介、2010、角川文庫)
本書は、生命科学、脳科学、動物行動学、言語学、人類学、倫理学などの諸分野から、「人間」の本質に迫るものである。
人間はどのように進化したのか、脳の働きとは何か、なぜ人は農業をするようになったのか、なぜ人は死ぬのかなど、様々な観点から人間の本質を検証している。
一般に思われていることと研究者が考えていることに違いが見えて面白い。 たとえば、人間は農業を始めたことによって、持てる者と持たざる者が生まれ、階級社会が生まれたと一般には思われているが、研究者によれば、むしろ階級社会であったからこそ農業というシステムが生まれたとする説がある。
教養の一冊といえそうな書である。
(2010年7月31日 大学院生)
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DNA解析、サル学、心理学、アンドロイド研究等、様々なアプローチで読み解く「新・人類学」。いや面白いです。
特にアンドロイド研究の部分が興味深かった。手塚治虫が「人間とは?」をテーマに考えた時にあえてアトムという人間でないモノを主人公としてお話を作ったように、人間以外のものから人間のことを考えるというのは中々有意義な手法だと思う。「心を持っているように見えるということと、心を実際にもっているということのあいだには、どれだけの違いが横たわっているのか?」という問も人間としての意識を根源から揺さぶられるようで。科学物はこういう体験が出来るから面白い。
「人間は話す前に歌ってたかも」という説も好きだ。こっちはロマンチックですね。
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NHKの取材班が、史学、ロボット工学、社会学、生物学など多彩な視点で人間の成り立ちを追った本。なかなか興味深い。
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書名の通り、「人間とは何か」をテーマとした本。「人間とは何か」については、色んな学問分野で研究が成されているが、本書は各分野の専門家・研究者に取材したものであり、科学的な解説も多い。ただし、とても平易で分かりやすい説明がなされており、理解は難しくない。
扱われている学問分野、すなわち、「人間とは何か」を見る視点は、DNA研究、サル学、ロボット工学、心の研究、文化とは、言葉の起源、表情、脳、農耕、アポトーシスと非常に多岐にわたる。
ホモ・サピエンスと呼ばれる現存人類がアフリカで誕生したのが、おおよそ、15-20万年前。そこからホモ・サピエンスは、アフリカの外にも進出を始めた。日本列島に到着したのが、3-4万年前のことと推定されている。
ビッグ・バンが起きたのが、約138億年前のこと。地球の誕生が約45億年前のことなので、人類の歴史はそれに比べると、ほんのつい最近のことである。
昔の人間は今ほど寿命が長くなかったはずであり、平均して100年間で5世代が生まれたと仮定した場合、日本列島にホモ・サピエンスが到着した3万年前は1,500世代前、アフリカにホモ・サピエンスが誕生した15万年前は7,500世代前の話だ。気の遠くなるような話である一方、1,500世代前にも7,500世代前にも必ず自分の祖先はいるわけで、それは、あらためて奇跡的なことだと感じる。