紙の本
瞬間瞬間の面白さを求める
2010/05/09 00:45
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつもとあまりにテンションが違うのでビックリ。思いついたら即実行という感じ。最初は別人みたいと思ったけれど、これはこれで何となく自然に感じるし、最後にはやっぱり同じ人という印象になった。
ストーリーは、後輩の七花連がタイムトラベル能力に突然目覚め、それを知った先輩の柊和泉が能力を利用していたずらしたりして遊ぶというもの。そしてその結果、柊は色々と葛藤を抱えるのだけれど、最終的には解決していく。
ほとんどはアニメのパロディートークやしょうもないギャグなんかで埋め尽くされているのだけれど、その中で考え方が変化していき、やる気のない男子高校生が人生の目的を見出していく、という真面目っぽい柱もある。
ただ今回は、ストーリーや構成の妙を目指すよりも、瞬間瞬間の面白さを追及する方向にあるのは明らかだと思う。電撃はここ数年、こういう方向に転換した作家さんが結構いる気がするな。以後の作品がどの方向に向かうのかは定かではないが…以前の作風が好きな人には敬遠される可能性もあると思う。
ところで、章題の2番目の数字は跳んだ数なのかな?
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“「――柊先輩」
名前を呼ばれ、思わず背筋が伸びてしまった。行ってらっしゃーい、と空笑いで手を振る教師二人をにらみながら僕は振り返る。
「な、なんでしょう、七花さん」
「先輩は鈍いですよね」
「は、はあ?」
半眼に赤い顔でじっと僕をにらみ、少しだけ唇をとがらせ、七花は言った。
「……先輩は、縁日ですくわれたのに、ちっとも餌がもらえない金魚の気持ちがわかりますか。そういうの可哀想だって思わないですか」
「え、え、何?金魚?いきなり謎かけのお時間?いやまあよくわかんないけど……たしかにそれは可哀想だな。うん、可哀想だ」
「そう思うんならちゃんと餌をあげてください!」
「は、はい!今度からは気をつけます!」
意味不明のお叱りを受けた。”
切なくなどない、ただ純粋に面白くて楽しいタイムスリップ話。
いきなり唐突にタイムスリップができるようになった七花は、好奇心旺盛な柊先輩に振り回されタイムスリップを行う。
柊がタイムスリップの経験を得て、そして、考えたこととは。
会話が楽しすぎる。
“「なあ鈴ヶ森」
「なんだい?」
「えーとさ、加速器。それから相対論」
「ん?」
「それと、あと因果律だっけ?――これから連想されるものってなんだ?」
「なんだい唐突に」
「いやまあ、ちょっとした連想ゲームってことで」
んー、と鈴ヶ森は首をひねり、
「航時機?」
と言った。
「道路掘ったりするやつか?」
「いや違くて。それ航時機じゃなくて工事機……って会話じゃ突っ込みが難しいってば。だからボーリングマシンじゃないよ、私が言ってるのは」
「じゃあ何よ?」
「だからね」
「だから?」
「――タイムマシン、だよ」”
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タイムトラベルが出来るようになった少女、七花と主人公が繰り広げるドタバタラブコメ。
とても読みやすく、タイムトラベルの複雑さや難しいところも、混乱しないよう分かりやすく書いてあります。章を追うごとに少しずつ構造が複雑になっていくような形で、数学の問題を解いているような感覚でした。
全体に、高畑京一郎さんのタイムリープに似た部分が多かったかなという気がします。あちらはミステリータッチでコメディ感はなかったので、色付けが違うんだなという印象です。
非常に気になる点が主人公の将来。タイムリープを読んだ時には、最終的に主人公が科学者を目指すというまとめになっていて不自然さを感じたのですが、こちらでも主人公がタイムマシンを作るために勉強を始めるというオチになっています。超展開すぎるというか共感できないというか、何か理由があるのか、ちょっと良く分かりません。
とりあえずヒロインの七花が可愛いので、それだけでも充分楽しんで読めました。
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久住四季らしからぬ普通の話。ガンダム・ネタの数々に無理している感があるような……。まあ、七花はかわいいけどね!
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10/11/13 読了。
タイムリープ物は好物なので手を出してみました。
突然、後輩・七花蓮に芽生えたタイムトラベル能力。
七花ちゃん自身はこの能力を使うことに消極的なんだけれど
主にお調子者の主人公・柊和泉が唆す形で活用しまくり、
で、あっち行ったりこっち行ったりで様々なトラブルがって感じのお話。
この柊がふつータイムトラベル物ではやらなそうなこと各種を仕出かすんですよ。
物によっては過去の自分に触ったら消滅とかいう設定のものもあるってのに
過去の自分を触るどころか殴るわ、お菓子をこっそり取り上げて食べてしまうわ。
つかタイムトラベルと関係ないところでも、七花ちゃんに対する横暴っぷりとか
ラノベの主人公でなかったら許されないひでー所業の数々。
そんな柊ですが最終的には責任を取ったっつーことで、
めでたしめでたし、なのかなあ?
とりあえず未来の七花ちゃんが幸せそうなんでいいか。
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いわゆるタイムトラベル物。
でも、歴史改変で大変なことになったり、
切ない恋に悩んだり、
パラドックスを元に戻そうと奮闘したり、
なんてことは全然無く(笑)
非常にライトな物語。
まさにライトノベル(笑)
そもそもタイムトラベル物としては、過去は改変できない立場のお話なので、まあ、こうなるよね。
でも、主人公の性格が非常にイタズラ好きなところが面白い。
タイムトラベルをそういうのに使うのって、ある意味今どきの高校生的。
それに七花ちゃんが非常にかわいいのもgood
なにも考えずにさくさく読めて楽しめた。
ちなみにこういうの作者はちゃんとタイムテーブルを作って書いてるんだろうな。そうじゃなきゃ、絶対エピソードがこんがらがるよな。
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久住さん、こんな作品もかけたんだ。と、驚きの作品。とにかく七花が可愛い。そして、主人公が振り切ってる。面白かったです。
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スラスラ読めました。全体で繋がってはいますが短編集といった印象でした。
主人公とヒロインが自分たちの過去や未来にタイムトラベルして、ちょっとしたことをして帰ってくる、そんなお話です。なのでそんなに重たい話ではありません。また他作品のネタも会話中などで出てくるので元ネタがわかればより楽しめます。
またヒロインはキャラが濃いわけではないですが、真面目な女の子でとても可愛かったです。
「時間旅行してみたいなぁ」と軽く思ったことある方は楽しめるのではないでしょうか。
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シンプルな時間SFコメディ。これという目新しい設定はないですが、テンションの高さと小ネタで十分楽しませてもらいました。さわやか三組なんてすごく懐かしかったです。そして七花も可愛らしかった。だからこそ、どうしてタイトルを「つばき、時跳び」から借りてきたのかがわからないです。このタイトルが気になって買ったのは事実ですが、全くと言っていいほど「つばき、時跳び」の内容と関係ないし、あとがきでも言及していないのが残念です。もし本当に存在を知らなかったのだとしても、時間SFの作品を調べなかったことが駄目だと思います。
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オーソドックスなので、奇抜なものを求めている人にはオススメしない。
とりあえず、面白かった。
「未来は変えられるか」という議論からは外れたけど「なるほど」と思った。そういう解釈。
うん、癒された(ぇ
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揶揄しているわけではなく、ライトなノベルだった。
悪ガキ主人公のこの軽さがいいのかもしれない。時間SFなのにやることがかなりどうでもよかったりするので。
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(111211)
軽い感じのタイムトラベル物。
面白くてニヤニヤしながら読めた。
ガッツリしたタイムトラベル物だと思って読んだけど、
コレはコレでアリかな~という感じ。
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ギャグはスベってる感もあるが、タイムトラベルという題材に真っ向から挑んでいるところはなかなか。欲を言えば、ヒロインである七花だけではく、他のキャラももっと描いてほしかった。