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北京オリンピックに合わせ運転開始が計画される世界一の規模である原子力発電所建設計画。そこに技術顧問として赴任する田嶋は現地工員と力を合わせ運転準備を進める。
政治的妨害や権力争い、杜撰な中国人文化を乗り越え無事運転開始を迎えることができるのか。
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2008年の北京が舞台。
もう忘れてしまった感じがありますが、オリンピックの前で高揚する中国の雰囲気を思い出しながら、そのあと日本で現実になる出来事と合わせてタイムマシンに乗ったかのような感覚が味わえます。
小説にここまで描かれていたことが、なぜ、簡単に起こってしまったのか。
喉元を過ぎ、原発に頼っていく「この道しかない」雰囲気になった今、もう一度あのときのことを思い出すのにいい時期なのかもしれません。
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北京オリンピック前の中国を舞台に原発稼働に向けて奮闘する日本人技師、中国人政治家、中国人女性映画監督の話。
真山さんの作品には原発をテーマにしたものが多く、本作もフィクションではありますが原発についての学びがあります。
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この作品は2008年が舞台なので今から約15年前の設定だが、中国という国の官僚主義、拝金主義、原発の難易度の高さなどはほとんど変わっていないのではないか。変わったのは15年前よりも中国の国際的なステータスが上がった事だろう。
そういう意味ではこれから先は中国との付き合い方はもっと難しく重要になる。
この作品はそれらを題材にしながらも、根底には国家を超えた人間同士の信頼関係や絆を築き得るというメッセージが込められている。
蛇足になるが最後の終わり方は賛否両論あるだろう。私個人はもう少し最後まで書いてほしかった。
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感想
中国の急速な成長、国内格差、都市と地方の差別など様々学べる。
また、安全絶対の原発にも汚職が蔓延して、実績のない企業を使ったり、本当に中国の原発大丈夫?と心配になる。腐敗と金儲け。安全や人命は二の次。怖気がする。
あらすじ
日本の民間の原発技術者である田嶋は、日本でのプロジェクトが暗礁に乗り上げ、北京五輪に合わせて大きな原発を稼働させる技術責任者として赴任する。
一方、共産党でのし上がろうとする若手の鄧は、共産党員の不正を次々と暴いて地位を上げていた。鄧は突然、紅陽市の副書記として核電の完成と、裏の仕事として紅陽市に蔓延る不正を暴くミッションを与えられる。
田嶋は赴任後、セメントや鉄筋の質の悪さ、核電の大事な熱交換器が粗悪な材質作られていることを問題視していた。鄧に協力してもらい、金儲けしか頭にない副首相夫人の李をなんとか説得する。