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みんなのレビュー164件

みんなの評価4.3

評価内訳

160 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

高度な「愛」

2012/01/08 14:31

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

影法師 百田尚樹 講談社

 侍(さむらい)のお話です。いくつかの読めないあるいは意味がとれない単語が出てきます。「捨て扶持(ぶち)」江戸時代の言葉。役に立たないものに与える給料・生活費「儂」わしと読む。自分のこと。「奸物(かんぶつ)」悪知恵のはたらく心のひねくれた人間。この物語では、私利私欲のために家臣や民の幸せや夢となる政策実行を妨害した滝本主税(ちから)筆頭国家老を指します。「上意討ち、じょういうち」主君の命を受けて、罪人を討つ。討ちそこねると死とお家断絶が待っている。「逐電ちくでん」すばやく逃げて行方をくらます。この物語では、ストーリーの柱となる磯貝彦四郎が逐電します。
 主役の茅島藩(かやしまはん)筆頭国家老名倉彰蔵50才の回想から始まります。彼の影法師になるのが磯貝彦四郎です。すでに他界しています。この作家さんの物語作りの手法により、ラストのラストで目頭が熱くなります。文章に記事はありませんが、わたしは、本の記述にあるような解釈はしません。なぜ、彦四郎は彰蔵を守ったのか。記事では、彰蔵が藩にとって必要な人間だったからとあります。違います。彦四郎は彰蔵の妻みねを愛していたからなのです。みねを不幸な境遇にしないために彦四郎は夫である彰蔵を守り通したのです。
 だれかのために自分を犠牲にする。そういう人がいないと社会は成り立っていかない。無名で生涯を終えた人たちこそが賞賛されるべきです。世のため人のためといいつつ、結局は自分のために生きている人のほうが多い。書中では、肝心な分岐点で、登場人物たちは無言になります。心ある人たちは、自分の気持ちを声に出さない。沈黙します。
 この物語では舞台が明記されていない、あるいはわたしが地名を知らないためか、おそらく東北地方の日本海側と推察するのです。実話があるのかもしれません。農民を始めとした下層武士の貧困を救うため「米」に着目して干潟を干拓して田に変えていくことが目標となっています。「米」がすべての尺度です。米のために幾度も殺し合いが発生します。殺戮シーン(さつりく)の表現はすごい。刀技は瞬間的ですが迫力があります。最後に、文章は適度な固まりでつないであり読みやすかった。

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紙の本

時代小説の体裁の謎解きミステリーが感動の真実を解き明かす

2012/08/24 13:47

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る

見事!
達人のあざやかなカラ竹割を見た気分である。

百田尚樹といえば、以前ボクシング小説の『BOX!ボックス!』を読んで面白かったし、ストーリーテラーとしての才能はわかっていた。それが初めて時代小説を書いたというので、時代小説も好きなこちらは期待して読んだのだったが、期待通りだった。あるいは期待以上か。これが初めてのジャンルとは思えないし、なにより、この物語る力は半端ではない。

強い絆で結ばれた友でもあり、ある意味ライバルでもある男たちの友情というモチーフは『BOX!ボックス!』と同じ。作者はそういうのが好きなのかもしれない。
そこへもう心を打つひと捻り。子供のころ読んだ「泣いた赤鬼」という童話を連想した。

苦労を乗り越えて成長してゆく成長小説の魅力と、剣豪小説の魅力と、謎解きミステリーが合体したぜいたくな内容だが、ミステリーだとしばしば恐怖につながる謎解きが、ここでは感動につながってゆくのもいい。

エンディングがまた印象的だ。かつて泣くなと叱られ、それで身を支えてきた主人公が、以来数十年して初めて、叱った相手のために泣く、という構図がすばらしい。

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2010/09/25 20:46

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2010/08/02 07:26

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2010/06/16 10:33

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2011/09/20 12:59

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2010/07/25 20:01

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2010/08/13 01:26

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2010/10/07 16:16

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2010/10/11 23:54

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2010/11/08 16:45

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2010/11/12 09:10

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2011/01/25 22:24

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