絵が綺麗なだけじゃなかった。
2010/06/07 21:26
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とある、いつもの夕暮れ。
高校生の男の子と女の子が河原でぼんやりしていたら、ヘリコプタが落ちてきて、女の子は死亡、男の子は軽傷で生き残る。
やがて男の子には、その死んだ女の子が小っちゃくなって天使みたいに羽が生えてるようなのが見えるようになる。会話もできる。
男の子は自分がオカしくなってしまったと思って落ち込む。が、女の子は、あなたもほんとは死んじゃうところだったんだけど、わたしがお願いして生き残った。あなたには大変な絵の才能があるとわたしは思う。なのであなたはその能力を使って人助けをしなさい、じゃなかったらあなたのカラダは腐っていくわよ! みたいに言う。
男の子は、人の心の闇みたいなのが見えるようになって、それを絵に描いたり、その絵の中(心の中)に、女の子と一緒に「ダイブ」したりしながら、いやいやながら、人知れず、悩みを解決して人助けするようになる。助けるたびにカラダの腐りもちょっとゆるやかになる。。。
‥‥という感じの話です。
絵が、すごく綺麗です。
マンガの中の「現実」はフツウの漫画的な絵で描かれます。一方、主人公の男の子が描く、人の心の闇を描いた絵や、「ダイブ」して入っていくその人の心の中の世界は、鉛筆で描いた絵で表現されます。この使い分けが見事で、そして非常に綺麗です。
高校が舞台の、よくある話?そうない話?もきちんと入ってくるから読みやすいです。技巧に走り過ぎず、しかし技巧がないと絶対に表現できない特殊な世界を描きつつ、とても楽しく読めます。
まー、精神分析的な医療や心理学的な何かを題材にしたマンガだと思います。「それでいいの?」と思うところもあるけど、(熱いのに妙に淡泊なような登場人物たち‥‥)わたしには面白いから良いんじゃないかな? と思う。
その『幻覚ピカソ』。
1巻・2巻と楽しく読んでいたら、3巻で完結しました。
いつまでも終わりそうにない話だったので、完結してすごくびっくりしました。が、読み終わってみて、非常に・深く、納得しました。いつまでも終わりそうにない話ほど、終わりがしっかりしてるものなのね。(あるいは『ゴルゴ13』もこんな感じで終わるんでしょうか?)
とにかく、まったく油断してました。だって古屋兎丸だよー? 泣かされるとは思わなかったです。
いいものをありがとう。
電子書籍で買ったけど保存版にしたい
2016/01/27 11:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
耽美、エログロがイメージの兎丸作品の中では異質なのかもしれませんが、絵も物語も大好きです。主人公のピカソが描く絵は鉛筆タッチになっていて本当にキレイ。兎丸先生の画力の高さに、惚れ惚れします。各エピソードも面白く、学生時代はこういうことで悩んでいたなと可笑しく、また少々切なく思い出しました。特にピカソと千晶の最終話には涙が出ます。
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最終巻。
内容的にはダークだったけれど、
どの子たちもちゃんとハッピーエンドだったのが本当に良かった!
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綺麗な終わり方で、読後感が良かった。ジャンプSQでの連載だったせいか、他の兎丸作品よりエログロ抑え目。
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泣けます…。
今まで触れてなかった事故のこと。
泣きながら嫌がるピカソに、泣かされた。
河原部に入りたい。
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べっ別に泣いてなんかっ…うぅ、ありがとう、ピカソ。大好きな君が教えてくれる大切な何かを胸ポケットにいれて今日も歩くよ。
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変わらない日常
歪んだ心象
描かれた感情と感傷
昇華を誘うピカソの右手
腐敗に抗う時を止めた右腕
軽やかに過ぎゆく日々が本当の時を刻むまで、
読者は笑い共感し、時に自身を懐古しながら
唯この絵に引き込まれるだろう。
古屋兎丸氏の作品は幾つか読んが、ここまで爽やかに人に勧められる作品は無いのではないかと思う。
と言って、
単なる万人受けするジャンプ作品とも違い、
この作品は確かに古屋氏の主題、視線、世界が息づいている。
『イチオシ漫画』『泣ける本』
そんな言葉で修飾するのは余りに勿体無い。
兎丸漫画未体験の方は、まずこの作品で彼の魅力に触れてみてはいかがだろうか。
…と、こんなレビューを書いたが、
『絵がキレー』『眼鏡男子萌えー』
な理由で手に取るのも間違いではない。
面白い漫画なので、本棚追加候補に入れても損は無し。
ちなみに、一巻の表紙が一番好きです。
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知らなかったけど
最終巻だったんだよねー。(´・ω・`)
これ、好きだったんだけどな。
古屋兎丸さんの幻想的な世界は
引き込まれますねー。
ラストも
なんかいい感じで。
ちょっと引きこもり探偵シリーズに
通じる感がありますね。
面白かったです。
楽しませてくれてありがとう。
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やべー。ピカソやべー。ラストは泣きそうになってしまった…(汗)。うーむ良い話だったなぁ。タイトルの意味が最後にわかる仕組みになっているわけだが、それまでの過程がとてつもなく素晴らしい。「幻覚ピカソ」…古屋先生の画力含め、素晴らしい作品だった。
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落ちは読めていたのに、不覚にもうるっときてしまった。
表紙を並べてみると色が増えていくのが感慨深い。
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ジャンプSQで連載を読んでましたが、改めて単行本で読むと、こんなに泣くとは思わなかった。
とくにヒカリのお話。
読むと涙が止まらず、ページをめくる手も止まりませんでした。
ピカソが気づかない間に、ピカソの周りにはこんなたくさんの人がいる。
千晶だと思ってたのが、千晶からもらったメモ用紙だったり、腐るといってた右手は事故の時から止まった時計だったり。
それが動き出した時、ようやく千晶のいない人生を歩む。
周りは周りで、ピカソに助けられて、言い方向に向かう。
深い。とても良い。
これはまさしく名作。
本当に皆に勧めたい話です。
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最後のヒカリの話がとってもよかった。あったかい、日だまりのような読後感。ちょっと泣きそうになってしまった。
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終わってしまって残念です。
青春のさまざまなお悩み解決を、千晶ちゃんと一緒に密かに行っていたピカソが、不審がる杉浦くんに本当のことを言ってしまって・・・
嫌なことも良いことも、忘れたつもりでも、忘れようとしても、記憶のどこかにあって、無意識に考えたり行動するときに影響してるのかもなあ、と思いました。
人助けって、自分のためなんだなとも思いました。
鉛筆で描いた絵がすばらしく、じーっと見入ってしまいます。
だまし絵や、見返しのところについてた、筒状の物に写すと何が書いてあるかわかる絵やら、そういうの、もっと見てみたいです。
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圧倒的な画力と丁寧なストーリー、完璧ですw
古屋兎丸師の漫画をコミックキューで知り「絵は上手いけどアクのある作品」だと思っていたので、少年誌連載を知った時にたいへん魂消たものでしたが、そのアクをストーリーに丸ごと生かし、まさしく少年漫画、にする手腕には脱帽です。
そしてこの3巻、ストーリーの始まりがアレなのだから、いずれ来る結末はこうだろうと予測していたにもかかわらず、うっかりウルッとしてしまったよ…!
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この作品を読みながら、千晶が死んでしまった現実との折り目をどうつけるのかがずっと気になってましたが、やっぱり泣かされました。笑
幻想の、幻覚のなかの少年少女をふしぎなリアリティにくるんで描く古屋さんはほんと良質な漫画家だとおもった。