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紙の本
命の気迫
2018/01/04 11:09
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
自身は病気で先が短いことを自覚し、後継者育成も兼ねてほとんどの手術を他の人に任せてきた命。最終巻である本巻は、これまでの本作とテイストが異なる真面目な雰囲気が漂っていた。そして命が聖人であったのは、自身の寿命が短いことから、地位や名誉、権力などを手にしても、それを堪能することなく死んでしまうからだとすれば説明が付くわけである。
本作全体を通して1つ注文を付けたいのは、様々な難手術や絶望的な状況でも全ての症例で患者は救われてきたが、実際には救えないという結果を残してしまうこともある。むしろ難しい症例ばかり扱うのであれば患者の死と接する機会は多いだろう。「どんな方法を選ぼうと、結果が悪ければいつでも後悔する。」と命は述べている。その後で命は後悔を恐れていない旨述べ、その理由を「後で悔いることができるほど、自分の意思で選択した」のであれば、恐れる必要がないからだとしている。これらの事態は医療においては遭遇してしかるべきものであろう。しかし実際に本作中そのような場面に出くわしていない。そのような人の命を救えなかった場面を描いてほしかったところである。
『白い巨塔』では最後に財前は、自らが癌に罹患し、命を落とす。そしてその生き様、死に様が読者に感動を齎す。本作でも命が死ぬ場面を描いてほしかった。
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