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も、もう...お腹いっぱいです。もうどの文章、センテンス
を見ても暗号にしか見えなくなってきます。
まともに文章が読めないっす。疲れるよーw。
今作は幻想的な空気に包まれている所為か
決してバカミス的なオーラはひた隠しにしてますが
やってる事は相変わらずです。倉阪センセ。
丘の上に住むこの一家の謎もなかなか上手く
ミスリードしつつ書かれていてラストの真相が
明らかになるに従ってなかなか驚くのですが...。
なによりも偏執狂的な回文、暗号、アナグラム...
まるで文字を一つの絵図として読ませる、仰天な
暗号のオンパレード。今作の全ての暗号を
もし解いた方いらっしゃるなら...心配です。
大丈夫でしょうかw?
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ひたすら薔薇。ひたすら暗号。作品に満ちる雰囲気が、何から何まで好みでした。特に作中に登場する唄、「黒い喪裾揺らして/茉莉が来るぞ」にはぞくぞくさせられっぱなしでした。数々の絵画も魅力的だし。見てみたいなあこの絵。
ミステリとしてのねたの部分は分かりやすいかも。でもそれで面白さがそがれることはなく、伏線にはあとから気づかされました。そして「過去の事件」がなぜ起こったか、そのあたりがあまり描かれていなくて。それがさらに恐怖を掻き立てる気がしました。あの唄はやはり……?
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だからお庭は薔薇ばかり
色とりどりの薔薇ばかり
薔薇の家で、薔薇言語に基づく新たな領土の歴史が始まった。
ミコはその小国の王女だった。
白い薔薇を見ながら、王女は「死」を知らずに育った。
だが、いま、ささやかな幻想の国は終わろうとしていた。
いや、終わってしまった。
タイトルでもある薔薇の家が舞台であるため、
作中でも文章内でも薔薇がいたるところで咲き誇っている。
幻想的な雰囲気につつまれながらも、伯父と自宅と二件の
薔薇の家を行き来する幸せなミコの生活は、伯父の死によって
崩壊した。
途中で、「マコが全然喋らないな」とかランドセルを使ってる
のに学校に行っている描写がないなとか、疑問に思うけれど、
読み進むにつれて謎が解けてくる。
装丁や挿画が本にぴったりで、素敵。
確実に訪れうる未来、復活する魔女に恐怖した兄弟は
世界の崩壊を選んだ。
それは自分達の罪の告白、また懺悔でもあった。
最後は伯父の「宿題」の通りとなり、また彼等の庭で
小さな薔薇がたくさん埋められ、赤い薔薇が庭を埋め尽くすであろう未来を示唆している。
だからお庭は薔薇ばかり
色とりどりの薔薇ばかり
夏が逝き、秋になれば、再び薔薇の季節が巡ってくる。
この庭は、また薔薇で満ちるだろう。
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薔薇と暗号に満ちたミステリ。これでもかと連発される暗号の連打に圧倒される。さらに暗号を解く過程と、ある家族の秘密が徐々に明らかになってゆく過程とを重ねあわせた幻想的な雰囲気も非常に美しい。バカミス度は控えめながらも、さすがクラニー、堪能いたしました。
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赤いランドセルを背負い、薔薇の生い茂る丘に建つ夏彦伯父さんの館への道を行く。訪れるたびに出される「宿題」に頭を悩ませるのが楽しかったミコとマコだが、風が吹く初夏、体調を崩していた伯父さんがついに死んでしまった。初めて触れる「死」という概念に、ミコのなかで何かが変わっていく…。ミコも変わった。パパも変わった。変わらないのは窓辺で微笑む美しいママだけ。そして伯父さんが託した最後の「宿題」から、丘の上の鎖された世界の秘密はほころび始めた―。薔薇と暗号に満ちた幻想的ミステリ(「BOOK」データベースより)
ミコとマコの双子の秘密はありきたり。
謎解きはちょっと難解。この解き方はずるいなー。
ラストのオチもありきたりだなぁ。
雰囲気と世界観は嫌いじゃないんだけど、さらっと読んで終わってしまった。
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たくさんの薔薇の暗号に
埋め尽くされたミステリー。
オチが読めてしまうトコロもありましたが
薔薇の暗号の独特な文章と
内容の雰囲気は倉阪鬼一郎の世界満載。
この方のこぅいった雰囲気が大好きです。
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一面薔薇。薔薇薔薇薔薇であり、あやしげな紫の芳香を楽しむことが出来た。はて、何故紫なのだろうか。私にとって薔薇は赤であり、桃色とか白とかってのは美しいけれど比べる対象でなく、唯一無二で赤い薔薇信仰なのだけれども、やっぱり紫なのである。雰囲気がべらぼうにむんむかしているからなのだろう。
それが全て。
暗号の意味がわからん、ってか「うわっ!すごい!こりゃ一本やられちゃった」みたいなのが皆無。むしろ「へ?」である。
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ダーク、幻想、ミステリ、ホラー。比較的軽め。
最終的にホラーが入ってくるのである程度割り切って読めた。
ミステリとしては無理があったりもするけど、物語としては好き。
読み飛ばすページもなく、1頁毎に丁寧に読めた。一文が割と短く、リズムがあって読みやすい。
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図書館より。
【まとめ】
◆お得意の古い屋敷モノ。耽美でどこか翳りのある、エロチックな匂いは健在。
◆パズルはちょっとわたしにとっては難しかった。
◆真実が見えたときのカタルシスは気持ちよかった。
【感想】
「冥い天使のための音楽」の時に、「この人のはロジカルミステリじゃない…」って諦めたはずなのに、つい文章が美しいから、惹かれてしまった。薔薇、十字架、古びた館、さびしい書斎…まるで、アンティークの宝石箱を開けたときのような、時の止まった世界がたちどころに匂い立つ。
今作はパズルがいっぱいなので期待したが、やはりわたしの求めているトリックの類は皆無…
但し、読者騙しは勿論仕掛けてある。しかし、その手はもうow.ly/833R8で喰らっているので、最初から「どーせアレだろ…?」と身構えてしまっていた 。この人の得意技?
(ちなみに、パズルは結構難しかった…しかし、読者に対してもフェアな解き方ができるものとできないものがある。そしてそれほど謎解きに重要なカギになるわけではない印象。)
今作のキモはow.ly/833ZXと基本的なからくりは同じと思う。
けれどこの手のものは、その堅牢さよりも、ほろほろと隠れ蓑が崩れて、中から真実があらわになったときの衝撃や、こちらの見方がくるりと変わるときのカタルシスの美しさが重要。
その点では、真実の姿が見えたとき、「ああそうだったのか!」手を打てる気持ちのいいラストだと思う。
後半の種明かし部分からの文章と展開は些か読み通りで、まあ幻想ミステリふうですね、という感じ…この人の作品はいつもあまり意外性がない…けど、世紀末的退廃美や、滅びゆくものを愛でる目線や、丁寧に輪郭を撫でながらしたためたようなある種のエロチックさすら漂う文章にため息が出る。
結論:くらら氏の小説は文章を読み味わうもの。
ミステリは、さくっと要領よく内容を把握しつつトリックを考えたり、穴を見つけたりする読み方をするようにしているが、くらら氏に限っては、むしろショパンなどかけながら、ゆっくりマダムと話をするように、気取って紅茶など嗜みつつ、が吉。
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珍しくホラーを読みました…
薔薇がキーワードで耽美な話かなーと気軽に読み始めたら、重い重い。
特に後半の怒涛の展開は読むのを止められませんでした。
こういうトリックさー!
…ネタバレになるので何も言えませんが。
ずーっと違和感を抱えていて、そう言うことか!とスッキリできるのは良いですね。
ただ、ホラーですけどね。
暗号については、前半は頑張れば解けるかもしれませんが、後半は無理です。。。
もはや飛ばし読みしてました。
ラストで伏線をこれでもかと沢山回収してくれるので、是非最後まで読んで下さい。