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紙の本
野球人としての功績大
2012/04/23 20:36
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
2008年5月に単行本で発売された本である。野村監督が楽天の監督3シーズン目に入った頃になる。野村監督の本は何冊か読んだが、さすがにネタが重複している。どれか一冊を読めば、野村監督の考えをつかむことができる。
野村監督は努力の人だ。プロ野球入団時から単なる球の受け手としてしか見なされていなかった。「かべ」といわれるような存在だったとご本人も書いている。試合に出される予定もなかった。そこから血もにじむような努力が始まった。苦労して子どもを育ててくれた母親への恩返しのために、簡単に郷里に帰るわけにはいかなかった。
カーブが打てないとからかわれると必死になって、打撃の名手の技術を盗もうとした。直接教えてもらおうともしたが、教えてはくれない。そこから観察と努力を重ねて、投手の癖を見抜き、配球を読んでヤマをはることを覚える。当時は来た球をカーンと打てばいいとしか指導されなかったのだから、ある意味画期的な取り組みである。
野村監督は、ひとりで、日本の近代野球を進歩させた感じがある。江夏をリリーフに起用し、敗戦処理というリリーフ投手のイメージをがらっと変えた。しかも、球威が落ち、使えない投手になりつつあった江夏を再生させながら。
また、盗塁の名手の福本対策として、投手にクイックモーションで投げさせた。当時は、この呼び方もまだなかった。
球団を強くするには、なにより好投手をそろえることが大切といい、ドラフトでは投手を指名させた。どんなにすぐれた野手のドラフト候補がいても投手指名だった。これが数年のちに、戦力アップにつながり、勝利を増やす。松井秀喜がドラフト候補にいる年でも、投手を指名した。
すなわち、人の育て方を考え抜き、規律の保ち方を徹底し、考える野球を導入したのだ。こうしたことを、人まねではなく、自分で考案していった。
本書には、往年の有名選手や2000年代の名選手の名前が登場する。なつかしくもあるし、どの選手をどのくらい評価していたかもわかる。速球投手としては、全盛期の江夏を押している。
野村監督の言っていることは、球界のみならず、ビジネスにも応用できそうだ。したがって、講演の依頼も多い。ヤクルトの監督をする前は依頼が引きも切らなかったそうだ。
考えながら仕事をしているか、きちんと目標を立てて仕事をしているか、それを達成するために何をすればいいか分析できているか、どれも応用編のようだ。自分の仕事にも当てはめてみようかと思った。過去の著作物と重複する部分が少ないが、その分、野村監督の考えがしっかりつかめる読書となった。
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