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おそろし 三島屋変調百物語事始 みんなのレビュー

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みんなのレビュー76件

みんなの評価4.0

評価内訳

76 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

人の想いのおそろしさ。

2011/02/12 03:23

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

旅籠のお嬢さんであるおちかは暗くて辛い拭いたくても拭えない過去があり、江戸にある親戚のお店に預けられることになった。カバーのちょっとホラーチックに描かれた彼岸花にはどんな意味が潜んでいるんだろうと思いながらページを捲っていきました。『おそろし』というタイトルから、恐ろしいストーリーなんだろう、でもあの宮部みゆきさんだから恐ろしいだけに終わるはずは無いという確固たる信頼がありました。そしてその期待は、決して裏切られない。

ふとしたきっかけで、おちかは変わり百物語の聞き手となる。彼岸花の意味は、思っていたよりも結構深い。人殺しが共通しているように思えますが、その手口が残忍で非道、読書中に何度か眉間に皺が寄りました。宮部さんの巧みな描写なので、ありありと脳裏にそれが浮かんでしまうのが辛いところ。自分がその場面を見てしまっているような感覚に陥ります。

道外れた恋に落ちてしまった二人の話が一番印象的だった。耽美派の谷崎潤一郎さんの女性の美の描写は感嘆するほどですが、それに通じるものがあると思う。女性の美肌、色白さの描写へのこだわり。黒絹の布団の例えにはっとしました。なるほど、とただただ感心します。人の念の怖さもひしひしと伝わってきます。

あとはやはり、主人公であるおちか自身の過去の話は強烈でした。始めから何か凄い過去があるということは書かれていても、もったいぶられているかのようになかなかその尻尾がつかめない。おちかが出家を考えたほどの事なのだから、相当なことなのだろうとそれが明かされるのを待った。すると、それに関わっている人たちの保身、蔑み、恋慕の情、裏切り、期待に葛藤…さまざまな人間の心が入り組んでいる。とある子を保護して本当の親の代わりに育てあげたは良いけれども、いつしかそれは恩を売っているような雰囲気になってしまい、歯車は少しずつ、だけど確実にずれていってしまった。些細なことが、いつしか膨らみに膨らんで悲劇を起こしてしまう。そこに見え隠れする想いや哀しみが痛いほど巧妙に表現されています。

宮部みゆきさんの幻想時代小説の幕開け、しっかりと楽しませていただきました。人の想いとは、時にはおそろしいものなのだと痛感しました。シリーズ二冊目の『あんじゅう』も手元にあるので、読むのが楽しみです。

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紙の本

宮部みゆきの世界に浸れる幸せ

2010/11/30 23:34

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今や推しも推されぬ売れっ子作家・宮部みゆきの時代小説。ここにも宮部らしさが随所に見出される。とにかく文章が柔らかい。
 寒い冬の日に、たっぷりの温かなお湯につかるような安らぎ。あるいは酷暑の日に、ごくりと喉を鳴らしながら飲む麦茶の爽やかさ。宮部みゆきは、そうした体験を味わわせてくれる。
 
 時代小説なのだから、もちろん古めかしい言い回しもちりばめられている。宮部みゆきはこうして、現代ミステリー小説であろうと時代小説であろうと、ものにしていく勢いがあるのだ。

 ただし、書名ほどにはおそろしい話が盛り込まれているとは感じなかった。昔語りの怖い話は、実話であってこそ怖いのかもしれない。いかに宮部といえども、創作だと思うと怖さが半減するのだろうか。それでも、この先の展開はどうなるのかと、読者に期待させるだけの物語のうまさがある。

 そうして、いくつかの怖い話が最後に至ってひとつに融合し、あざやかに精算されてしまうところは、ミステリー作家としての宮部の力量のなせるわざだろう。

 それにしても、時代小説というジャンルでも、作品を高い水準で仕上げてしまう、この巧みさはなんなのだろう。読んでいて舌を巻いてしまった。登場人物の造形がことのほかうまい。この作品は、すぐにでも脚本化され、映画化されてもおかしくはない。

 宮部みゆきという作家と同時代を生きる幸せを感じずにはいられない。ただ、時代小説に関しては、さらに上手くなる余地を残しているとも感じさせられた。この人ならもっとすぐれた時代小説が書けるはずだと。ますます宮部のファンになった。

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2010/06/15 21:34

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2010/07/01 23:45

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2010/06/27 22:30

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2010/06/28 10:38

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2010/07/12 20:57

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2010/07/18 01:29

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2010/07/27 13:34

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2010/09/25 00:45

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2010/08/22 13:43

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2010/08/29 17:09

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2010/09/23 11:18

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2010/10/02 22:40

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2010/09/24 02:48

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