投稿元:
レビューを見る
戦争では英雄を作り上げなければならない。またその英雄も英雄らしく振舞われるのを求められる。零戦のエースと言われた「坂井三郎」もまた被害者であった。しかし、膨大な資料と確実なインタビューを基に執筆された本書は報道に携わるものにとって良心である。2010/09/26
投稿元:
レビューを見る
航空隊指揮官の苦悩が伝わる作品。
特攻を命ずる側と受ける側双方の心の内が悲しい。終戦後の軍人に対する世間の目も恥ずべきものがあるが、戦中は軍部に戦後はGHQにおもねるメディアの責任は重いと感じる。
投稿元:
レビューを見る
つい昨日まで、積極的に軍人をもてはやし、戦争の後押しをしていたh新聞やラジオが、掌を返して、あたかも前々から戦争に反対であったかのような報道をするのも気に入らない
12月9日から、毎週日曜夜八時に放送されたNHKの「真相はかうだ」の、「われわれ日本国民を裏切った人々は、いまや白日のもとにさらされております。戦争犯罪容疑者たる軍閥の顔ぶれはもうわかっております。」で始まるナレーションをラジオで聴いたときは、どうしてこんなことを日本人がいうのか、と無性にはらがたった。
投稿元:
レビューを見る
永遠の0に釣られて読んだが、零戦部隊の生存者の鈴木、進藤を軸に真珠湾攻撃から戦後そして最近までにいたるまでが詳細に記述されている。
特に永遠の0でも出てきた坂井三郎について新しい見方を知った。
現代にこれだけの生きざまを見せてくれる人はがはたしているだろうか。
志とは何かを思い出させてくれる良書
投稿元:
レビューを見る
昭和15年に開発された零戦は第二次世界大戦開戦当初は無敵だったがアメリカもしだいに優秀な戦闘機を作るようになり,ミッドウェイ海戦を境に苦戦を強いられる.ラバウルやガダルカナルの話はこれまでの戦記物に比べて特に目新しいことは無い.この本の変わっているところは零戦のパイロット達の終戦後から死ぬまでのことが付け加えられているところだ.だがそれも話としてはあまり面白くない.
投稿元:
レビューを見る
零戦部隊の立ち上げから、終戦と隊員のその後。ひげ隊隊長鈴木實と進藤三郎を軸に綴る。「大空のサムライ」坂井三郎には批判的。
それにしても、無能な上官のために、あまりにもたくさんの才能ある人々が殺されたことか。この辺りの本を読むと、いつもやりきれない想いになる。
投稿元:
レビューを見る
永遠の零で零戦を知って読んでみたくなった本。本当は、大空のサムライを先に読みたかったけど、図書館でなかなか予約が回ってこなくて、こちらが先に。大空のサムライを書いた坂井三郎についても触れていて、先にこっちを読んでおいてよかったかなと思う。
職業軍人にとって戦争は活躍の場で、死にたくはないが腕を奮う最高の場所なのだろう。それは、本書にも時々出くわす今も飛行機に、乗ったら誰にも負けん、という言葉からわかる気がする。
自分がこれまで受けてきた戦争を悪とする教育は一般人目線のもので、また現場に立たない政治家目線のもので、それらとは違った戦争観がこの本にはある。
ただ、だからこそ作家の神立さんには一般人目線の本を書いてほしい。
この本が戦争礼賛だとは思わないが、戦争を説明してない点が不満に感じる。
投稿元:
レビューを見る
https://booklog.jp/users/ohsui/archives/1/4062775301
投稿元:
レビューを見る
実際に零戦で戦った方々のインタビューに基づいて書かれているだけあって,すごくリアル。
当時お国のために戦っていた方々は,今の僕よりも年下の方々が責任を負って最前線で戦っていたなんて,現代っ子には信じられないだろうな。(僕も信じられない)
30歳と言ったら当時では一戦隊長を任されるレベルなのね。
僕も頑張らねば!
投稿元:
レビューを見る
実在した戦闘機乗りの半生を描いたノンフィクション。戦闘機というモノは戦争の道具のひとつではあるが、其の為だけに造られたモノであるので、平時に於いては、素晴らしく美しい。研ぎ澄まされた造形美たるや、「むむ」という言葉以外何も出てこないというのが、実情だ。唯、誤解しないで貰いたいのは、僕は、技術として造形美として戦闘機が美しいと云っているので、戦争を肯定するものではない、というコト。今の政府には、自民党政府時代に買った玩具を遣いたくて仕方ない政治家(バカ)が沢山居るが、そういうバカどもを支援するバカな有権者だけが、戦争に行けばイイのであって、僕は何があっても、戦争には加担しない。何が書かれているのか、怖いながらも、知っておかなければならないと思い、読むコトに。
投稿元:
レビューを見る
太平洋戦争に関することはあまり明るくないないので
読み進めては戻り、読み進めては戻りをしていたら
3週間もかかってしまいました。
内容としてはあまり深い感動はありませんでしたが、
(なんだか教科書を読んでいるようで^^;)
零戦搭乗員の誇りというのをしみじみと感じさせられました。
赤紙をもらって戦場へ行くしかなかった若者と
希望をもって零戦の搭乗員になった若者とを同列に考えてはいけませんね。
投稿元:
レビューを見る
戦後、その体験を黙して語らなかった男たちがいた。中国戦線や真珠湾攻撃、ラバウル航空戦など零戦の登場から衰退期まで、戦い続けた歴戦のパイロットへの丁寧な取材から見えてきた、零戦という戦闘機の悲哀に満ちた運命。航空機後進国だった日本から、突然現れたその最強の戦闘機は神話に近いような快進撃を見せた。しかしそれが災いしたのか、後継機の開発に手間取る間に高性能化したアメリカの新鋭機には次第に敵わなくなっていく。また日本軍の悪しき伝統とも言える人命軽視の無謀な作戦によって優秀なパイロットは消耗し、やがて特攻という最悪の作戦が実行されるようになる。現場の指揮官はどんな思いで部下を確実な死に送り出してきたかもつぶさに描かれている。あらためてこの国は人の命を粗末に扱いすぎる、という思いが強くなった。残念な事に。
投稿元:
レビューを見る
十二試艦戦、のちの零戦11型を受領し中国戦線での初戦果をあげた進藤三郎氏、そして彼と海軍兵学校同期の鈴木實氏、ふたりの戦闘機隊の士官の戦い、転戦、そして末期の状況、さらには戦後の行き方から最期までが綴られています。
この二人の回りでも本当にほんとうに沢山の死がありました。
お二人も苦悩することは多かったでしょうし、最善を尽くして死線を乗り越えて天寿を全うされたことでしょう。
それでも、たくさん読んできた下士官、兵の体験記と比べると、まさにエリートそのものの戦歴。
現在の日本にもまだいる、特別扱いされた人たちの苦労話にしか読めません。本書に描かれなかった方々のご苦労に思いを馳せ、ありがたく思います。
投稿元:
レビューを見る
私が子供の頃は、「零戦」は格好良いものの代名詞だった。もちろんそのことについて深く考えた事も無かったが。今回「祖父たちの零戦」を手に取り、始めて現実的に搭乗員たちの人間くさい生き様が見えてきた。著者は恐ろしく多くの時間を掛けて零戦搭乗者に取材し、生身の人間像を浮かび上がらせた。もちろん南方で活躍する場面も描かれるが、戦後の生き様や本人たちの考え方も克明に描かれている。
戦争は恐ろしいことだから辞めようと言い合うことは簡単だ。しかし、戦争の真ん中に置かれ、零戦に乗るしかなかった人々がいるのも事実だ。特攻隊として片道の燃料だけ積んで帰らぬ人になった者も多い。彼らは戦犯なのか?いや、ただ時代に翻弄されただけなのだと痛切に感じる。
投稿元:
レビューを見る
たくさんの零戦の搭乗員が登場するが、主に2人の指揮官に焦点を当て、零戦も初空戦から最後解体されるところまでが記されており、零戦が、搭乗員達がどのような過酷な戦いをしてきたか、とても貴重な記録書となっている。これらを僕らは知っておくべきことだと痛感した。