紙の本
小学生向けの、ハラハラドキドキの夏休み一大冒険物語です!
2020/05/03 10:56
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、イギリスの児童文学作家で、第1回カーネギー賞を受賞したことで知られるアーサー・ランサム氏の代表作です。岩波少年文庫からは上下2巻シリーズで刊行されており、同書はその下巻です。同書の内容は、ウォーカー家の4人兄弟が、夏休みを利用して、小さな帆船ツバメ号をあやつり、子どもたちだけで無人島で過ごすことになりました。湖の探検、アマゾン海賊との対決など、自然のなかで遊ぶ楽しさいっぱいの毎日ですが、そんなある日、船長フリントのハウスボートにどろぼうが入り、ツバメ号の乗組員の子ども達にうたがいがかけられてしまいます。船長フリントとの湖上の「決戦」や、ウの島での宝さがし、夜中のあらしなど、あっと言う間に楽しい夏休みは過ぎてゆきます。ワクワクドキドキのストーリー展開です。小学生向きです。
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この作品を読むのは実に四十数年ぶりです。 子供時代に読んだこの本は旧訳(訳者は同じ)でハードカバー本でした。 とても楽しい冒険ものだったのですが、シリーズものであることは長らく知りませんでした。 この作品がシリーズものであることを知ったのは大学生の時。 英文学史の授業でその事実を知り「へぇ、そうだったの。 いずれ読んでみたいなぁ。」と思ったことを懐かしく思い出します。 その大学時代にシリーズ全冊を読破しなかったのはKiKi の括りの中ではこの作品は「海洋もの」「冒険もの」だったから・・・・。 どちらかというと、あんまり得意じゃない分野だったんですよね~。
物語そのものは楽しいんだけど、操船なんてしたこともない KiKi にとって帆船の操縦方法の記述部分(特に前半)は決して読んでいてワクワクするような楽しいものではなかったし、同時に当時は児童文学に対する興味が薄れていた時代だったから、もっと小難しい(?)本をたくさん読まなくちゃいけなくてついつい素通りしてしまっていました。
でもこの「岩波少年文庫全冊読破企画」のおかげもあり、児童書への興味が再燃してきた年頃になったということもありでようやく「ランサム・サーガ」の全冊読破に挑戦できそうです。 現段階では全12作品のうち9作品が発刊されています。 因みに全冊のラインナップはこ~んな感じ(↓)
1. ツバメ号とアマゾン号
2. ツバメの谷
3. ヤマネコ号の冒険
4. 長い夏休み
5. オオバンクラブ物語
6. ツバメ号の伝書バト
7. 海へ出るつもりじゃなかった
8. ひみつの海
9. 六人の探偵たち (ここまで既刊)
10. 女海賊の島
11. スカラブ号の夏休み
12. シロクマ号となぞの鳥
当初は全冊揃ってから読破しようとその発刊を待ち望んでいたんだけど、この「ツバメ号とアマゾン号」が岩波少年文庫で出てからもう随分経ってしまったうえに、この物語は言ってみれば「ひと夏の冒険」という趣の本なのでやっぱりできることなら「夏前」に読んでおきたいじゃないですか!! しかも例の宮崎駿さんの推薦50冊のラインナップにも入っているのに、いつまでたっても読了できないのはちょっとつまらない・・・・・ ^^; ま、てなわけで今回の「岩波少年文庫全冊読破企画 再スタート」を機に手に取ることにしてみました。
久々に読んでみたけどやっぱり面白かったぁ! ウォーカー家の4人兄妹(ツバメ号クルー)の実にうらやましいキャンプ生活が生き生きと描かれ、途中で仲間になるアマゾン号の2人姉妹(アマゾネス)のお転婆ぶりも微笑ましく、KiKi なんぞは「アマゾネス」という言葉を初めてちゃんと認識した時、ギリシャ神話の物語よりはこの2人のおよそレディらしからぬいたずら(特に自分たちの叔父であるキャプテン・フリントの船に花火を投げ込む辺り)をありありとイメージしたことを懐かしく思い出しました。
彼らがやっていることは現実的に言うなら無人島での子供達だけのキャンプ生活なんだけど、そこには多分に「良質なごっ��遊び」の要素が含まれていて、彼らはある時には「七つの海を支配した大英帝国艦隊」であり、又別の時は「ロビンソン・クルーソー」であり、又別の時は「宝島のジム少年」です。
逆に言えば彼らのやっていることは当時の子供たちがワクワクしながら読んだそれらの物語や帝国主義の栄光を存分に味わい尽くしている英国民らしさが溢れていて、「土人」「現地人」「未開人」といった言葉にある種の選民思想が滲み出ているところが今の KiKi にはちょっと気にならないでもないけれど、そんなひっかかりを吹き飛ばして余りある魅力がこの物語にはあると感じます。
ピーターパンの物語なんかでも有名な海賊(捕虜)を処刑する際の船べりから突き出した渡り板の上を目隠しをして歩かせて海に突き落とす処刑シーンなんかを模した遊びにちゃんとつきあってあげるキャプテン・フリントや「良い土人役」を演じ切るおかあさんなど、彼らを見守る大人たちがこれまた素晴らしい!! 子供たちの遊び心を尊重し、彼らの自主性を信じる姿は現代の我が国の「モンスター・ペアレンツ」には是非見習っていただきたいものだと感じます。
それでも決して放任主義というわけではなく、子供達だけで雷雨が吹き荒れる嵐の中のキャンプ生活を送った翌朝に大挙して島へ現れ、PTA化しているあたりもリアリティがあって微笑ましかった・・・・・(笑)
読んでいて思ったのは、イギリスの、しかもこういう遊びができるぐらいの階級の子供達というのは都市にいる時は、ある意味で年齢以上の早熟さが求められ束縛の中で暮らさなければならない現実があるということです。 日本の子供たちはある意味で「子供らしさ」みたいなものを日常の中で謳歌できる風土があるけれど、イギリスの子供たちは早くから服装の面でもきついネクタイやベルト、革靴に締め付けられるうえに、「小さな紳士・淑女」であることが求められる文化(?)に首根っこまで浸っているようなところがあります。 寄宿学校に入れられちゃうことも多いし、そういう意味では日本の子供たち以上に夏休みの開放感は格別な物だったんだろうなと感じます。
それにしてもこの(時代の?)子供たちは逞しいなぁ! 船を自在に操れるし、テントは張れるし、自炊もできる(まあ、たいしたメニューではないけれど・・・・・) 火の扱いにも長けているし、ナイフの使い方やロープの使い方も大人顔負けです。 ゲームとかテーマ・パークというような「与えられたモノの中でしか遊べない現代の子供」と、大人のサポートを受けながら・・・・ではあっても「何もない中で遊べる子供」。 KiKi の身内の子供達には「何もない中でも遊べる子供」であって欲しいなぁと思わずにはいられません。 それがそのまま「生命力」に繋がるような気がするんですよね~。
さて、冒頭にも書いたようにこの本は「宮崎駿による岩波少年文庫の50選」にも含まれています。 最後に彼の推薦文をご紹介しておきたいと思います。
めくるめく夏休み。 きらめく湖に自分たちのボート。 帆が風をとらえて、自由にどこへでも行けるのです。 大人達は口やかましく言いません。 自由・・・・。 なんという素晴らしい夏。
ぼ��にもこんな夏休みがあったらなぁ・・・・。 手つかずの宿題、まっ白な絵日記帖、悪意としか思えないお天気の欄(だれがこんなものを印刷したのでしょう)。 サルスベリが咲いて、ツクツクボウシが鳴き出すと、夏休みがおわっちゃうと、今でもドキドキするんです。 ため息が出ます。
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最近アーサー・ランサムの「ツバメ号とアマゾン号」が新訳で出版されました。ランサムサーガということで、今後全12巻がそれぞれ上・下巻24冊出版されるそうです。上・下巻をまとめて書きます。内容紹介を、表紙裏から転載します。
上『ウォーカー家の4人きょうだいは、小さな帆船ツバメ号をあやつり、子どもたちだけで無人島で過ごします。湖の探検、アマゾン海族との対決・・・自然の中で遊ぶ楽しさいっぱいの冒険物語。』
下『船長フリントのハウスボートに泥棒が入り、疑いをかけられてしまったツバメ号の乗組員たち。船長フリントとの湖上の「決戦」や、ウの島での宝探し、夜中のあらし・・・楽しい夏休みは過ぎてゆきます。』
私はこのシリーズが大好きで、特にこれは最初の話なので何度も読んでいます(シリーズを単行本で揃えてます)。ストーリーは完全に頭の中に入っていて、文章もかなり覚えています。だからちょっと不安もありました。新訳が気に入らなかったらどうしようって。でも心配無用でした。訳しているのは以前と同じ神宮輝夫さん。だからかな、文章はほとんど前と違っていません。違っていたのは言葉です。航海の用語は全部カタカナ言葉になっていました。
振り仮名の付け方が今風なのが嬉しかった。たとえば
「船長」に対し以前は「せんちょう 」今回は「キャプテン」
同じく「航海士」はこうかいし→メイト
「AB船員」エイビーせんいん→エイブルシーマン
という具合です。昔はこういう振り仮名の付け方はなかったのですが、今ではラノベやSFとかファンタジーで当たり前に使われています。これは意味と音を一度に表現できる、日本語ならではの優れた表現方法だと私は思っています。
言い換えてある言葉で一番印象的だったのが「乞食のようなジプシー」→「着たきりすずめのジプシー」でした。ジプシーはOKで、乞食はダメなのね。ふーん、そうなんだ・・・。
卵料理について。おそらくはスクランブル・エッグのことを、前は「たまごのバタ焼き」「かきたま」と訳してありました。それが今回「たまごやき」になってて、それでは後退だ!と思いました。そのあと「スクランブル・エッグ」という言葉も出てきて、統一して欲しかったなと残念でした。
残念ついでにもう一つ。前に「おかゆ」が度々出てきてすごい違和感がありましたが、今回「ポリッジ」になってて、そうだよね、日本のおかゆはお米で作るけどイギリスならオートミールで作るんだから、よく名前を変えてくれた!とやっと気持ちが落ち着いたの。それなのに~、最後のほうではまた「おかゆ」に戻っていて、「おかゆ」の連発。これは編集の人が気をつければ直せたんじゃないかしら。せっかくの新訳なのに・・・。
でもまあそんなことは重箱の隅をつつくようなこと。
今回改めて読み直してみると、以前の翻訳がいかに素晴らしいかが逆に分かってきました。今から40年以上も前の翻訳なのに、とても自然な文章です。古い翻訳本の中には、ほとんど直訳?というのがあって読みにくいものも少なくありません。言葉が古いのは日本語や生活の方が変わったからなんですよね。
ともかく物語は現代ではなく、出版された当時でさえ数十年前の時代の話で、今からだと80年位前の時代の話です。だからいろいろなことが今と違っていることで、読者にとって逆にわくわくして楽しめる物語になっています。
そんな昔なのに、大人たちが子どもと真摯に向き合っていることに感動します。たぶん当時でもそうじゃない大人がたくさんいたでしょうが。
この物語は児童書ですが、本当にこの話の良さが分かるためにはある程度の人生経験が必要だと私は思います。小学生くらいだと、たぶん子供たちのことしか理解できないでしょう。もしかしたら年長組のジョンやスーザンのことも理解できないかもしれません。
私が最初に読んだのは既に高校生くらいでしたが、子供の頃にこの本を読み、高校生や大学生になってもう一度、そして自分が子供を持ってからまた読むと、その度に違う感動があるはずの本です。
そういう読みかたが出来る本はそんなにはありません。たいていの本は、読み時がある。「これを子供の頃読んでたらな」なんて感じることがあるもの。
下巻の終わりに、上橋菜穂子さんが「永遠の夏の光」と題して文を寄せられています。上橋さんが挙げられていた「サトクリフの歴史物語」「指輪物語」「ツバメ号とアマゾン号のシリーズ」の3つの物語。私もこれらに、感動しました。
だけどそのあとが違うのよね~。上橋さんはこれらが根っこになって、この後文化人類学者を志し、作家に。私は上橋さんの小説の読者に。でも同じ物語に感動したということは、感動の感性が同じなのかなと嬉しく思います。
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[日販MARCより]
船長フリントのハウスボートに泥棒が入り、疑いをかけられてしまったツバメ号クルーたち。船長との湖上の決戦や、宝探し、夜中の嵐…。楽しい夏休みは過ぎてゆく。40年にわたって親しまれてきた冒険の物語。
[BOOKデータベースより]
船長フリントのハウスボートにどろぼうが入り、うたがいをかけられてしまったツバメ号の乗組員たち。船長フリントとの湖上の「決戦」や、ウの島での宝さがし、夜中のあらし…楽しい夏休みは過ぎてゆきます。小学5・6年以上。
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下巻ではついにキャプテンフリントとの対決。キャプテンフリントも話の分かる人間で、とても楽しい。やはり、ごっこ遊びには乗ってあげなくちゃ。時々子供たちが役職を忘れて名前で呼び合ったり、戦争の次の日はスーザンが原住民らしくなっていたりするところが面白く、リアル。船の表記が難しいのは、やはり仕方がないのだろう。わたしの知識に合わせると、どうしても説明がくどくなるだろうから。
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子どもの頃から図書館でよく見かけていて、存在は知っていたのに何故か読んだことのなかったランサムサーガ。どんな話なのかも知らなかった。
40近くなって初めて読んだけれど、すごくワクワクする。
子どもの時に読んでおきたかったな。
岩波少年文庫版で、下巻に上橋菜穂子さんが解説を書いていらっしゃるけれど、彼女が書いているように「永遠の夏の光」になっただろうに。
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下巻のすごい大人は、やっぱり「フリント船長」。最初のうちは頑固な石頭親父かと思わせておいて、実は立派な少年。ここまで子どもたちにつきあってやって、なおかつ自分も楽しんでしまえる大人って最高。
ただ、おかあさんにしろフリント船長にしろ、集まってしまうと普通のPTAっぽくなるのは面白い。しかもそういう描き方が実にリアル。
そしてリアルといえば子どもたちの心境の描写。忘れていた子どもならではのこだわり、心の動きを思い出しました。もちろん、年齢差や個性の書き分けの見事さにも感動。
なつかしい「夏休み」を追体験しました。
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夏の少年文庫名作フェアランサムトートバッグプレゼントにつられて新訳版買ってよんでしまった
一部暗誦するほど読んだ本の新訳版とか心臓にわるいぜ
とおもったけどやっぱすごいすきなので大した問題じゃなかった
結構単語が変わっていて、船用語はカタカナ多め。「土人」の改訳は想定内だけど「間切る」がないのはちょっとさみしかったり、ナンシイが少しおとなしかったり、「おどろきもものき」はこんなに少なかったっけ?
ランサムサガ12巻脳内ランキングは時期によって変わるのだけど(そして直近読んだ巻が上位にくるのだけど)、
今は、すべては「ツバメ号とアマゾン号」につまっているのだ、というきもち。
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もっと早くに出会いたかったな
と思える本でした。
子供ながらもしっかりとして計画を立てて
相手を出し抜こうとしている彼らには頭が下がります。
そして、一連のフリント船長との事件も
疑惑が晴れたことにより解決されます。
いいおじ様だよ、このおじ様。
残念なお仕置きを子供たちにされますけどね(笑)
情景が思い浮かびますし、せりふも
しっかり出てくるぐらい、表現がうまいです。
最後にはツバメ号とアマゾン号に
最強の試練が待ち受けています。
その運命はいかに!?
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以前から友人にオススメはされてはいたのだけど、先日の岡田淳さんの講演会でも名前が挙がったのでついに読んでみた。
上巻はごっこ遊びの世界の範疇かな(といっても子供たちだけで湖に船を出して無人島にキャンプってすごいと思うけど 笑)と思いつつのんびりと読みましたが、下巻は物語が活気付いて俄然面白かった。
嵐のシーンがなんだかすごく良かったなぁ。
みんなでテントに籠って、みんなそれぞれ静かに考え事してることが違ってて。
続きもちょこちょこ読んでみたいな。
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これも数年間気になっていたが、ようやく読めた一冊。
12巻、24冊もある長いサーガの1冊目だそうで、さあ、箱を開けちゃったな、と不安半分、期待半分で読み始める。
意図したつもりはなかったけど、この本の少年少女と同じく、まさに夏休みの始まりと同時にこの本を読み始めたところだったし、最近ほかに読んでいた本が海賊関係だったので、ダリエンとか、知ってる地名が使われていて嬉しかった。
読後は少年少女の冒険活劇として、読みたいものを読めた!という満足感でいっぱい。
子供だけで無人島で暮らすなんて、全ての子供の憧れ。
食糧は自給しなくていいから安心だよね。
イギリス人の牛乳への依存は半端ない。
原住民という単語や、彼らを下に見ている世界観もまさに海賊世界そのもの。まあこの本ではユーモアとして描かれているけれど。ダンピアらの歴史的な海賊の記録→スティーブンソンの宝島→ランサムサーガと系譜をたどって読むのもたのしそう。
アマゾン海賊のナンシイがキップがよくてかっこいい。
船の用語はまったくわからないのだけど、いちいちかっこいい世界でホレボレしてしまう。航海士(メイト)とか、航海士君(ミスター・メイト)という呼びかけを真似したくなってしまう。
以下は大人としての感想。
おかあさん、、、何者なんだ?
オーストラリアでの少女時代はナンシイ以上に凄かったに違いない。いつでも落ち着いていて、船の知識も実力もあり、子供たちを信頼し、子供たちからも信頼されている。
家事は農場の人が手伝ってくれるし、赤ちゃんの世話はナニーがいるし、もう大きくてしっかりしてる四人兄弟は自分たちだけで島暮らしをしていて、互いに気をつけてくれるし、めちゃくちゃ楽そう。。。イイナーーー。と思った。
スーザンへの助言、料理を楽しみたいなら、洗い物は他人に任せろ、は、至言すぎます。
そして、海賊のフリント船長こと、ジムおじさん、いい人すぎるでしょ。
自分の学術書を書くために一夏こもっていたら、姪たちから敵扱いされて、花火入れられたり、侵入されたり、あげく泥棒に入られたり、悲惨すぎます。
なのに、後半で誤解がとけたら、子供たちと全身で遊んであげて、捕虜として跳ね板を渡らされても対応してあげたり、オウムをプレゼントしたり、サルを買う約束をしたり、もうどこまで善人なのか、泣けてくるレベルである。
はるか25年前に私もイギリス湖水地方に行ったんだった。ウインダミア湖でこんな激しい世界があったとは、ピーターラビットと羊一色だったので、全然知らなかったなあ。
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図書館で借りて読み始めたら、下巻がなかなか返却されなくてかなり間が空いてしまった。「ツバメ号とアマゾン号」が発表されてから今年でちょうど90年。今でも愛されているのだなと思う。
下巻は上巻以上に物語がスピーディーに展開する。宝物の発見、フリント船長との和睦と戦い。特に印象的なのはあらしとの遭遇で、まるで自分がその場にいるような臨場感がある。
大人になって本書を読み返すと、子どもの頃を思い出さずにはいられない。こういう「ごっこ遊び」は楽しいもの。ウォーカーきょうだいほどではないにせよ、リュックサックにその日のお菓子を入れて、「遠出」を試みたことは何度もある。裏山に木の棒を片手に登って「修行」したことも。そんなかつて子どもだった大人でも、本書は楽しい時間を与えてくれる。
物語の終わりで、きょうだいは、はたとシラフに戻り、また退屈な日常に帰るのかとがっかりする。この辺りの子どもの心理描写が抜群にうまい。日常があるからこそ、冒険が鮮やかな色彩を帯びるのだ。
ホット・ラムを飲んで、退屈な日常に戻ろうか。
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私の苦手な話だけれど、面白さは十分にある。
子ども達のごっこを否定せずにちゃんと答えていける大人。
子どもの意思を尊重して、決して先走りしないこと。
なかなか、私にはできなかったことだ。