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オオクチバスもブルーギルもチャネルキャットフィッシュも産卵期には卵や稚魚を守る習性があるんだということをはじめて知りました。どおりで,外国(日本)に来たのに爆発的に増えるわけです。
著者は,バス釣りに興味を持ち,スキューバーダイビングと水中カメラマンとの出会いがあり,その道に進みます。しかし,中井さんとの出会いをきっかけに,単にオオクチバスなどの生態写真を撮るばかりではダメではないかと気づきます。
「琵琶湖にもぐっていて,オオクチバスとブルーギルしか見かけないのはおかしいと思いませんか?」
と呼びかけられて,はじめてそのおかしさに気づくのです。
その後,著者は,「バスフィッシング雑誌」から手を引くことになります。そして,全国の淡水魚の様子を写真に収めようと動き出すのです。
釣り好きの少年が,人との出会いの中で成長し,生物多様性などの視点を身につけ,理論的に変化していく。淡水魚好きで写真好きな性格はそのまま生かしながらも,少しずつ変化する青年の様子が見えてきます。
一キャリアとしてもたのしく読める本ですよ。高学年以上の子どもにお薦めします。