紙の本
ドラフト会議を一応のゴールとするならば
2010/11/25 11:37
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投稿者:カフェイン中毒 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラフトの季節を迎えるたびに、ドキドキした思い出があります。
プロ野球観戦を楽しみのひとつにしていたその頃、
贔屓のチームが誰を指名するのか、注目された有望選手はどこに何位で指名されるのかは、
個人的にも、かなり盛り上がるイベントでした。
指名される選手の、もしくは指名されることなく終わる選手の行く末や心境を想い、
複雑な気持ちになることもありました。
プロ選手になれるか、望む球団に指名されるか、選手としてやっていけるのか、
多くの人の人生が、この会議の日を境に振り分けられてしまうあっけなさを、
他人事とはいえ、単純におもしろがることができないでいたこともあります。
これは、当時の私が想像もしなかった“スカウトする側”の物語です。
球場にコツコツ足を運んで、選手に評価を下し、より有望な選手を確実にモノにする、
そういう仕事だという認識はありましたが、
よもや彼らのあいだに、ここまでの激しい戦いが繰り広げられているとは思いもしませんでした。
予想外にもプロにスカウトされ、しかし怪我でリタイアを余儀なくされた男は、
球団のスカウトに転属されます。
そこには、グレーゾーンに足を突っ込むやり方で、数々のマジックを見せてきた堂神スカウトがいました。
その堂神に煮え湯を飲まされた記者、強引なやり方に距離を置こうとする者、仲間割れ……と、
“選ぶ側”にドラマがあるように、当然“選ばれる側”である選手たちにもドラマはあります。
表立って出てくることの少ないスカウトの駆け引きが、息つく暇もなく繰り広げられます。
著者の、メジャーリーグや競馬界を舞台にした作品も読みましたが、
駆け引きの面白さという点では、この作品がいちばん好きかもしれません。
新人スカウトが、清濁併せ呑むまでに成長してく姿も魅力的で、
男たちのこういう世界が、ある種の憧れも生むのも納得です。
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前作「ノーバディ ノウズ」がサムライジャパン野球文学賞大賞
(なんじゃそりゃww)を受賞した、元スポーツ紙記者という経歴を
持つ作者の2作目。正直前作の印象が殆ど無いw。でも今作は
しっかりした一環したプロットと、こっちの方が本当は作者が
書きたい事なんだろーなーと思わせる熱を感じます。
比較にならないくらい今作の方が面白い。
野球そのものは割と重要ではなく、プロ野球のスカウトという
特殊な職業の視点で、過去、そして現在のプロ野球のスカウト、
ドラフト制にメスを入れるような作品であると同時に、逸材な
人材を巡って魑魅魍魎が蠢くコンゲーム的な小説としても
読めなくはない。誰が、何をどう騙してるのか...。
実際の取材や体験に基づいた様々な台詞がリアルです。
しかし、サムライジャパン野球文学賞って...ヒドいネーミングw。
wikiで調べたらその安着さと薄さが一層オモロい。
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他球団のスカウト、取材記者はもちろん、ときには身内のスカウトまでをも騙して本命選手を獲得せんとする権謀策術。ミステリーとしても楽しめる。ただし、新人スカウト、スポーツ新聞記者と人称が入り乱れるところに違和感があった。
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オリックスのスカウトが自ら命を絶った事件、不思議だったけど、この本を読んで、それも含めたスカウトの世界が漠然とわかった気がする。
書評に押されて読んでみたけど、一本筋が通った面白い本。
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作者は元プロ野球記者だけにスカウトマンの舞台裏の世界がとてもリアルに描かれていて職業小説としても興味深く面白くて楽しめました。
それだけでなくミステリーとしてもよくできていて最後まで目が離せませんでした。
騙し合い、奪い合い、裏切り、スパイと少しでも油断したら足元をすくわれるスカウトの世界。
その世界で「怪物」と呼ばれて恐れられている伝説のスカウトマン堂神。
味方をも欺く徹底的な秘密主義で独自の隠し玉を見つけ出して指名して世間をあっと言わせる「堂神マジック」
物語は肩を痛めて戦力外通告をされてスカウトマンに転身した新米スカウト久米の目線で進んでいきます。
ここまでするのかぁ?ほとんど犯罪とも言えるような舞台裏の世界にぐいぐいと引き込まれて最後のどんでん返しまで。
野球好きなら間違いなく楽しめると思います。
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元スポーツ紙記者だけに野球の分かっているというか、裏方はこんなことをしているのかと思わず納得しならが、物語としても面白かったです。
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スポーツ小説でもあり、サラリーマン小説でもあり、両者の清清しさとズルさ・汚さの各々が交錯して、中々読み応えあり。ドラフトはマスコミ的には人生をくじ引きで決めるという儚さがクローズアップされるが、そこに至るまでの、いろんなドラマがるのかな?と想像力は増幅する。が、最後はちょっとキレイにまとめちゃったかなと。
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あるパリーグの野球のスカウト達の話。巨額の金が動き、綺麗事ではない世界。ドラフト上位で指名されても、実際に使い物になる選手かわからない。ある種賭け事に似てる。かなり話に信憑性がありそうで、面白かった。
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スカウトという特異な分野に目を向けたことのなかった私にとっては、フィクション作品というより興味深く読んだ知識書みたいな感じだった。
中身はとても男くさい(?)話で、スカウトという戦いに各球団のスカウトマンが時には冷淡に狡猾に時には人情深く挑んでいる姿にまずは感銘を受けた。
人一人の若者の人生を左右する大事な仕事。
きっと今この時代にもいるのであろう。
ドラフトや入団に対しての見かたが大きく変わりそうである。
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ハードボイルドスカウト小説!
いやー、面白かった。この満腹感。もうなんていえばいいのか。
たとえるなら、カツ丼大盛りを食べながら天丼の上だけ食べる、みたいな。
いやー、プロ野球って怖い世界ですねぇ。
この本を読んでしまった人は、もう昔のウブな野球ファンではいられなくなる、そんな一冊。
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プロ野球スカウトのダークな話し。ざっと読んだ感じになってしまって面白さがわからなかった…
2012.11.28
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スカウトがこんなにも奥深い世界だったとは!駆け引きだらけの裏黒い世界だが、結局人が動くのは真実の信頼関係だという、読後感の非常にいい小説。
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プロ野球のスカウトを題材にした小説。
選手としては大成できず、スカウトに転身した久米は、プロ入り拒否選手を翻意させたり、無名選手を一位指名したり、その手腕を「堂神マジック」といわれるベテランスカウト堂神のもとで働き始めるが、グレーゾーンぎりぎりの堂神のやり方に戸惑う。
プロ野球のスカウトという日の当たらない存在を取り上げているが、選手の獲得におけるかけひきのドラマは読み応え充分。著者が実際のスカウトを綿密に取材したことが伝わってくる。
堂神のモデルは根本陸夫氏なんだろうなあ。
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☆4、5!か・な・り・よかった!ビリビリと緊張感が本から伝わってきた。どんでん返しにもやられた!!
今年のNO.1候補!
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先に続編である「慧眼」を読んでしまったので面白さがやや欠けてしまった。
あと全球団架空の名前にしてほしい。GとかK大とか何か味気ない。