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ロボットの話なのに、人間はどういうものなのかということが詳しく紹介されています。火の鳥、アトムとうの引用があり、理系、メカということではなくヒューマニズムの中のロボット、人間の延長としてのロボットを感じました。
この本の中で言っておられる通り、動物は道具を自分の一部と認識することがあるとありましたが、筆者がロボットを人間の一部と認識する、したいような記述でした。
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ロボットの知能を実現するためには人間の知能のより深い理解が必要であり、
そのためにロボットを構成論的に用いる。
知能には身体が必要であり、環境との相互作用が不可欠である。
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浅田教授の著作。
課題のために読んだけれど、なかなか面白かった。
人間と同様の自我を形成させるためには、身体性が不可欠であり、人間社会で共に暮らすためには「ココロ」というものが必要であるという考えには深く共感できた。
そのために赤ちゃん学と称した研究や、自律型でロボカップ(ロボコンではない)を行っているらしい。
認知発達ロボティクスは将来性のある分野だと思う。
しかし、人間で学習など、高度な機能が可能なのは、人体が生物として自己修復機能を持っているからで、現状のロボットでは実現しえないと思う。動きの学習のためには、例えば走ろうとして転んだとしても、壊れたりせず、また痛みなどから自分で判断できるような、いわば自律神経のようなものがあるとよい。
個人的には4足歩行動物のほうが安定しているし、早く走れるということも含めて、精神構造をまねることも容易であろうことだし、こちらの研究をしてみたいなーと。
結局、人間は主観からしか物事を判別しえないわけで、つまりは「知能や心を感じさせるしぐさ(動き)」をプログラミングしてしまっても、いいわけだが。
瀬名さんの「ハル」を読んだことがあって、関連が面白かった。
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著者が引用する手塚治虫の『火の鳥』「復活編」は脳を機械に置き換えられた主人公がロボットに恋をする話で個人的に印象に残る作品だった。同じく引用のあった同じ作者の原作を翻案した浦澤直樹の「PLUTO」にはとても感心した。両者には、人工物のもつ知能への考察とそこから見た人間の知能という共通の主題がある。引用はなかったが、瀬名秀明のケンイチくんシリーズにも同種の感動を感じた。ロボットの持つ知性を上手に表現された時に感じるなんともいえない違和感がずっと気になっていたので、興味深く読めた。「ナレッジキャピタル」の進展に期待している。
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人間の認知能力や、知能がどのように発達していくか、ロボットを通して探ろうという興味深い研究をまとめた本。新書ということで、一般向けに書かれているのでとても読みやすい。
あらかじめいろいろな出来事を想定して、膨大な量の想定問答・対応を埋め込んでおくのではなく、経験を積むことによって少しずつ学習していくロボット。今まで想像していたロボットより、なんだかとても親しみが湧く。ヒトと共存していくロボットはきっとこういうところから生まれてくるんだろうなとわくわくさせてくれる1冊です。
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2011年3月3日(木)に大阪大学総合図書館で借りて同日読み始め、翌4日(金)に読み終える。
脳科学、認知科学、および発達心理学といった分野についての専門用語が多用されており、入門書としてはあまりおすすめできない。本文中の図も学会の発表などで見たことがあるものばかり。同じ素材を使うにしても本に収録するのであれば、発表用のスライドで使っていたようなものをそのまま転載するのではなく、もう少し整形してから載せてほしいところ。以上のような事情もあってか、本書を読んでいると研究経過についての報告書を読んでいるかのような印象を受けた。