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今、私達は何をすべきか
自己存在の軽視、目的の転倒がもたらすことは
反応型人間の増加
立ち止まって考えることも大事では
そう考えることが今の時代では負けなのか
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今道友信氏の著作は「エコエティカ」に続いて2冊目です。本書は、大仏で有名な鎌倉高徳院で開講されていた氏の講義の書き起こしで、身近な題材や著名な思想家を採り上げて、とてもやさしい語り口で「倫理」を説きます。
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日本を代表する美学者の一人であり、「エコエティカ」(生圏倫理学)の提唱者としても知られる著者が、鎌倉大仏殿高徳院でおこなった講義の記録をまとめた本です。
池田雅之が執筆している本書の「編集後記」に「本書は今道哲学の一番手ごろな……入門書であり、一つの集大成ではなかろうかと思われる」と書かれているように、芸術・宗教・倫理にわたる著者の思索がテーマにとりあげられ、それぞれにかんしてわかりやすいことばで説明がなされています。また、西洋と東洋の双方の哲学に深い造詣のあった著者らしく、プラトン、孔子、荘子の思想についてある程度立ち入った議論がなされています。
ただし、本書に収められた講義は一般向けに語られた内容であり、本書の議論にもとづいて著者の思索の哲学的な基礎について検討をおこなうといったことはできないように思われます。とりわけ倫理についての叙述では、現代文明に対するありきたりな批評的感想が書き連ねられているようなところも多く、エッセイふうの内容に感じられました。
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この本を読むまでこの人のことは知りませんでした。偉い人はたくさんいらっしゃるものだ。ちょっと宗教者の話のようで、鼻白むところもないではなかったが…。
おっしゃることはごもっとも、でも、世界は、「人類意識」を持つ方向に動いて行っているのだろうか? 欧州近くのある強国の指導者は、核兵器さえ自分の「理想」のためにちらつかせ、あるいは、東アジアの大国は根拠のない主張で自国民を先導し、隣国に嫌がらせをするし、さらにアフリカでは、力による政権転覆が頻発してる。
「生圏倫理」は、蟷螂之斧のようにも見えるけれど、正義(公平な分配)、中庸(ほどほど)、勇気(正しいと信じたことを主張する)、節制(やりすぎない)をモットーに、「魂の世話」を続けていきたいと思う。
この本を、知識人のたわごとと言って切り捨ててはいけない。昔読んだグラムシも言ってた、「自覚ある個人のタコツボ戦でしか、世界は変わらない」って。それと共通のものを感じた。