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「知るかボケ」と言い放って、すべてをほったらかし隠居生活に入りたいヤエトだが、権力に全く関心がなくても、いろいろなことを見過ごしにできない性格のため、一生隠居生活は無理だろう。出だしから、いきなりヤエトは倒れてベッドの中。しかも、先の「黒狼公」の妻の皇妹から、復縁(!?)を打診される。しかし、今回の柱は、恩寵の力が強くなってきて、悪神を閉じ込めた蓋が空きかけてきているということなのだ。そこへ北方所領から、和平の人質交換が持ち込まれる。北方所領では、悪神を厭い、真の神の力を持ったア=ヴルスが出現しているという。そのア=ヴルスを排除しようという権力者が現実路線を歩もうとして、和平を申し出たというのだ。裏には皇帝の…。ヤエトにも危機が迫る。
物語の面白さだけでなく、ヤエトの綿密な読みによる駆け引き、他の登場人物たちとの会話、全てが面白い。物語の世界観がいろいろと明らかにされてきたが、まだまだ謎は深そうだ。