投稿元:
レビューを見る
【本書 おわりに より)】
彼らが究極の目的とした勝利という「結果」に対してではなく、そこに至るまでの「過程」に惹きつけられた。極限の戦いを挑む時に、何が彼らを鼓舞し、支えたのか、そこに私の眼は吸い寄せられていったのである。
---
とあるように、誰もが知る有名な「あの一瞬そのもの」ではなく、「そこにいたる背景・心情・関係する人々との経緯」に焦点をあて、丁寧な取材により彼ら・彼女ら、そしてそのまわりの人々の生き様を描き出した一冊です。
著者自身は本書を「【本書 おわりに より】挫折から這い上がってくるアスリートたちの闘志と努力の物語」と表現しています。
著者によって本書で切りだされた「一瞬」は、あらゆるスポーツの分野から10を数えます。これら10の物語を読み進めると、共通するあることが浮かび上がってきます。それは次の4つでした。
★練習:最高峰の一瞬において、不安を跳ねのけ、その一瞬に対峙するに必要な揺るぎない自信をもたらす土台となる「唯一無二」のもの。
★気迫:最高峰の一瞬において、自らを支え立ち向かっていく勝利への執念。
★孤独:最高峰の一瞬において、必ず立ちはだかる「もはや頼れるものは自分だけ」という究極の孤独との闘い
★感謝:最高峰の一瞬に至るまでに、自分を支えてくれた人々への感謝。
これらは、決してアスリートに特別なものではなく、むしろ、私たちの普通の人生そのものに必要とされる要素だと思います。多くのスポーツはその選手生命の短さから、アスリートはスポーツという勝負の世界において凝縮された選手生活を送ることを余儀なくされますが、それは人生の縮図そのものになるのではないでしょうか。
それゆえに、我々はアスリートの世界から多くを学ぶことができるのだと思います。本書はこれらの学びを得、それらを我々の日常の生活に取り入れるための創造的刺激を与えてくれる良書です。
著者の丁寧な取材力と熱く冷静な文章、すぐれた構成力に心から敬意を抱きます。
投稿元:
レビューを見る
昭和初期から平成までの、野球、サッカー、ラグビー、ボクシング、相撲、柔道、体操、マラソン、ソフトボールのドキュメント10編を集めた本。あとがきにも書かれていますが、敗北や挫折を乗り越えて、挑戦し続けるアスリートが沢山登場します。勝つか負けるかという厳しい勝負の世界で、挑戦し続ける姿勢が「奇跡」を起こすきっかけの一つであることを実感しました。(2010.10.20)
投稿元:
レビューを見る
スポーツノンフィクション。マラソン・野球・サッカー・ラグビー...など、10の話が収められている。どの話も、けっこう印象深い。
投稿元:
レビューを見る
スポーツの奥深さ、影に隠れたドラマを知ることができる逸品です。特に私たちの世代には、面白い内容でした。
投稿元:
レビューを見る
フロー体験関連として購入。アスリートのフロー(あるいはゾーン)のエピソードを得ることができるだろうという期待。
最初の章を読んで,求めていたものと違うなと感じた。
ちょうどロンドンオリンピックの時期であり知っているアスリートのエピソードや知らなかったアスリートのエピソードを知ることができた。フローやゾーンというものはあまりなかったと思う。
瀬古利彦・マラソン
上野由岐子・ソフトボール
加藤沢男・体操
遠藤純男・柔道
メキシコ五輪サッカー代表
ファイティング原田・ボクシング
スタルヒン・野球
新日鉄釜石V7松尾雄治・ラグビー
柏戸・大相撲
明徳義塾高校野球部・高校野球
投稿元:
レビューを見る
松井選手の高校時代の5打席連続敬遠も相手チームからみると、こういうことだったのかと思う。体操選手の本番で緊張せず、失敗しない理由は普段誰よりも失敗しているから。どういうとき、どうしたら失敗したかを身体が覚えているから、失敗したらどうしようと考えずに、演技できる。スポーツ選手のあの一瞬。
投稿元:
レビューを見る
体操の加藤沢男の「失敗をする練習」をしておく。失敗をする練習をいやになるほどやれば、失敗した時にどうするか、あるいは失敗そのものをしない感覚が身についてくるものなのです。
非常に共感しました。
投稿元:
レビューを見る
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB0264510X