紙の本
可憐なる三十路女のつぶやき
2016/04/18 21:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会の偽善や無理解、疎外感に疲れ、傷つきながらも、まじめに生きている未婚の三十路女たち。ヨガや気の合った友達とのお茶など、ささやかな幸せもある一方、恋愛も結婚もせず、歳をとっていく自分にいいようのない焦りを感じている。このヘタウマ風の漫画は、そんな彼女たちの静かな独り言集である。
全体にほのぼのとした物語であるが、財産分与など妙に現実的な問題があると思えば、鋭い人間観察と優しい感性にあふれた言葉と絵には、思わず感心し、ホロリとさせられたりもする。
たとえば、母と祖母三人で暮らすさわ子。たまの休みには兄の家族がやってくるが、彼らは痴呆で寝たきりになった祖母の部屋に顔もださない。さわ子は思う。「わからない人にはあいさつしないでいいって思ってる/わからないのは、いないのと同じ?」
これを伏線とした最後の方の逸話―拾ってきた子ネコのミーちゃんがいなくなり、必死に探すさわ子と母親。やがて祖母のベッドの中で眠っているのを見つける。さわ子ははっとする。「そうだね、ミーちゃん/おばあちゃんあったかいもんね/おばあちゃんはずーっとあったかいんだよね/変わってないんだ/変わらないんだ/いろんな記憶が/なくなってしまっても/ミーちゃん知ってたんだね/あたりまえみたいに」
人間である自分たちが、記憶を失った祖母のことをまるで存在しないかのように扱う一方で、ミーちゃんには祖母があたたかいということ、いっしょに寝ていたいと思うほどにあたたかいことは、あたりまえのことだった。自分たち孫もかつてはそれを知っていた。祖母はずっと変わっていない。私たちが勝手にもういないと思い込んでいるだけ...思わず涙ぐむさわ子。ラフな筆づかいながら、気持ちの伝わる絵である。
本書の紹介文によると、作者の益田ミリは、“ふとした日常のつぶやきを五七五にした「つぶやき川柳」でも知られる”とある。さりげない言葉で読者の心をつかむことができるのも道理である。30代独身女性の心を可憐に感じた一冊であった。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
すーちゃんよりも、年齢が上なので、もっと結婚しないでもいいよね?と開き直るし、想像も出来ない。
某芸人さんが結婚制度というのも、もう見直してほしいと言っていた。
確かに結婚してるしてないで分ける空気もうなくなってもいいかも。
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すーちゃんの昔の知り合いさわこさんの話に思わず感涙。介護はその人でなければ現状はわからない。今の時代さわこさんのような環境で婚期をつかめない人もすくなくないのでは。「血を流して、女は働いている」名言かも。
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文庫化で再読。
購入した書店隣のスターバックスで読んで、その後書店に戻って新刊の『どうしても嫌いな人』も立ち読みしてしまった。文庫化されたら買いたい。ミリさんの作品に登場するお母さんたちが優しくて、店頭でも泣きそうになってしまった。
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レビュー的に賛否両論のようだけど、私はよかった。
よかったというか、別にこれを読んだところで元気が出るとか考えさせられるとかはないのだけど。
こういう問題に毎日不安を抱えたりするんだよなぁというリアルさに共感してしまった。
私も祖父の介護をしているという事もあって、介護の場面、母ひとりにまかせるのはかわいそう、兄弟が来ても何も手伝わない顔も出していかない等等本当そうなんだよなぁ~と共感してしまった。
結婚云々の問題はタイトルほど重きを置いてなくて。
バリバリキャリアではなくごくごく普通の独身女性(非リア寄り)の抱えがちな気持ちをよくくんでくれている話であると思う。
考えてたってしょうがないなんてわかってる。
でもつい考えちゃうんだよ。
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文庫本が出ているのに気づき即買いでした。
家に帰ってすぐ読んだ。益田ミリさん作品との出会いはこの本だったので。本屋で立ち読み読破して涙する…という経験あり(笑)
最初に読んだときよりすこし感動は少なめでしたが、
やっぱり、女子は強し。というか、男の人ってなんで物事深く考えてくれないんだろう。。って感じました。
でも、私は男子的思考回路かも…もっと何でも深く考えないと。深く考えてから言葉を発しないと。いつも思いつつできないことを、改めて感じさせてくれた、すーちゃんでした。
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最後の話が偽善すぎて、この作者にイッキに不信感つのる。・・・アタイが汚れる自覚はあrが、それがなにか?
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いやだなぁー
一生ひとりで孤独死なんていやだなぁー
だからといって簡単に結婚できるものでもなしに、
世の中って難しいなぁー
泣いちゃう。このひとのほん(とくにすーちゃん)読むと、途中からとまらない(涙。)
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後輩に借りたすーちゃんシリーズ第二弾。
んー。重い。
いやー恐ろしい。
泣けた。
また、次のが出たら読みたい。
今を認めて、等身大を一旦認めて、諦めて、また考える。ってのが必要ですね。
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「元気で長生きが一番」という言葉で傷つくこともあるって。
わたしも考えが足りないなぁと実感しました。
すーちゃんの生活がホントにリアルで好き。
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正直あまり上手いとも思えない絵だが、独り身の女性な複雑な心境や人生観をマンガで如実に表現してるところがすごいと思う。
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生き方の選択肢が広くなってる。
でも、根柢のところで理想とされる幸せの形ってのが変わらないから、
自分が本当に幸せなのか、人と比べながら考えてしまう。
比べなくてもいいじゃん
って開き直れれば楽だけど
自分も成長してるのかな・・・
「自分の言っていることの意味を考えなくなってる」
ちゃんと自分の言動に責任を持てる大人になりたい。
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ごくごく普通の独身女性スーちゃんの日々の出来事とその考え。
本屋で立ち読みして、思いのほかハマってしまい、「こ、これは買わねばなるまい…!」と衝動買い。
スーちゃんたちの少し矛盾してて複雑な気持ちに、かなり共感してしまった。
…ありがたいことだけど、「普通」だから、生き方を悩んでしまうんだよね…。
大事にしたい言葉がいくつかあったので、そこに貼っても剥がせるブックマーカーを付けた。
・・・うむ。私だけじゃなかった、こういう風に考えてるのって。
さわ子さんと同じく、そんな私でいたいと思う。
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すーちゃんシリーズは、3→1→2作目という順番で読んでいったけど、これが一番生々しい。
すーちゃんと同じ年頃で同じように独身の私は、最近すーちゃんのような事を考えるわけです。
「わかるわー。」と思ったり、「こうなっちゃいかん!」と思ったりw
それにしても、今回出てきた『さわこさん』。
彼女の最後の決断は何て潔いのか!
ちょっとした事で嫌になる感じは自分と似ている。
だから同じように結婚出来ないんだろうなぁ。。。はぁ。
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ずっと読みたいと思ってた、『結婚しなくていいですか』リアルで、赤裸々で。。予想通りとっても心にささる本でした。