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パラレル英国のパンク探偵の相変わらずの名推理。今回もマザーグースに見立てたような事件のイカれっぷりと同時に謎解きとしての面白さも充分に堪能させてくれる。お気に入りは「三人の災厄の息子の冒険」。
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マザーグース尽くしのミステリ短編集。マザーグースフェチにとってはもうたまりません!
引用されるマザーグースのチョイスもなかなか。知名度は低いかもしれないけれど、非常にミステリ的です。用いられ方もしっくり収まっていていい感じ。このシリーズはやっぱり素晴らしい。
お気に入りは「三人の災厄の息子の冒険」。読み始めはなんだか「SAW」っぽいなあ、と思ったのですが。うわー、まさかそういう話だったの!? いろんな意味で驚かせられました。
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キッド・ピストルズシリーズの新刊。中編3作が掲載されています。
どれも面白かったですが、表題作が、ちっとSF入ってるんだけど(あ、このシリーズの設定自体が充分SFだわね笑)特に気に入りました。
入れ子構造っていうんでしょうかね……っと、これ以上言うとネタバレになりそうなので口チャック。
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最低の帰還にはまり、その続きで。短編だし、変に凝っていないシンプルなストーリーと、トリックがいいです。
ただ最後の話はSF過ぎでした。
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全3作品収録で、ラストの1作を除いては良作…かな。しかし今までのキッドの反体制的!パンク魂がちょっと薄れ気味なのが残念。マザー•グースミステリをオマージュしながらもちょいピリ辛なパロディとして成り立ってるのはその点あってこそ!なんだけどな。ラストの作品は…サウンドノベル的ゲーム仕立てなんであんまり好きじゃない。
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今回はピンクの活躍が見られたら話、三作。ブル博士だけじゃなく、キッドまで一緒にしょげてる姿が印象的で…。いつものパンクなキッドではなかったけど、ピンクの頑張りが沢山見られて良かった!次回も楽しみにしています!
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やっと読めた新刊。このシリーズは大好きで、期待を裏切ることなく面白かったです。キッドさんちょっと丸くなった…気のせいか。
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パンク小説!?と聞いて図書館入荷直後に即借り。
・・けど、個人的に期待はずれ。
帯の宣伝文は全て的外れだし、一風変わった探偵ミステリー・・の正体は、全話が多重人格、ストックホルム症候群、前向性健忘症といった精神病がタネ。巧妙なトリックなど使ってくるかと思いきや、病気のせいなの・・これが2点の理由。
主人公二人の描写も中途半端で好きじゃない。「パンク刑事」という名前の設定は面白いけど、実際は格好だけで、行動は結局ちょっと推理力のある刑事でしかなくなってるところが残念。
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ネタバレ、ありあり。
久々の、定番キッド・ピストルズ・シリーズ(「帰還」は未読)
中編が3作入っており、最初の2作は、まあ普通の出来だが、
3作目、なんかいやな予感がするな~と思って読んでいたら、
やっぱり。またやっちまいやがった、こいつ、という感じ。
「奇偶」以来、山口作品は敬遠していたが、またやっちまってる。
電脳世界でおこった、不可能殺人て…
それがありなら、「なんでもあり」だっつうことを、頼むから、学習してくれ、と思う。
本来なら☆1だが、一応、意外な犯人ではあったので、☆2つ
全体的には、ユーモラスで読みやすい。
日本人が、わざわざ外国を舞台にして書く必要性がよくわからないが、
やはり外国人の書いたものより、読みやすい。読んでいて楽しい。
日本人向きになっていると言える。
1本目「だらしない男の密室」
男が目覚めると、部屋の中にバラバラ死体があり、
部屋が密室だったことから(訪ねてきた人に発見され)、
容疑者にされるが、さすがに、この男が犯人ではないだろう、という話。
で、部屋の中の棺桶に犯人が潜んでいたのではないか、とか
切り取られた腕が、指紋認証のカギになる、とか、
どこかで見たような小ネタ推理があって、
脱出マジックが得意なマジシャンの助手である、被害者の妻とか、
怪しい容疑者、
結局、部屋に大量に貼られたメモ、片づけられない人、
3度も送られた自伝の下書き、といった手掛かりがあって
犯人は、要するに「メメント」の人(何をしていたのかすぐ忘れてしまう人)で、
最初に被害者と一緒に密室にいた男だ、となる。
くだらない…。
「メメント」がここまで有名になったので、アンフェアとは言わないが、
パクリじゃねーの?とは思う。オリジナリティが感じられない。
続いて2本目は、「ハンニバル」と「切り裂きジャック」風味。
女性を殺して、皮膚をはがして服を作っていたという、
「羊たちの沈黙」でモデルになった、そのままの奴が出てきて、冒頭で捕まる。
男の自宅に踏み込む場面、「二瓶のソース」を暗示。
監禁されていた風の女性が、いかにも怪しく登場
(犯人は再び現れるだろう、と予言)
1年後、ある霧の日、女性が、知り合いの女性と霧の中、出会い、
その後すぐレザーマンを目撃、女性が危ないと思って、後を追う、
ここら辺は、「ミレニアム」に似た感じのシーンがある。
倉庫まで追い、女性の夫と会って、倉庫の中に入ってもらったりするが、
誰もいないという夫。
倉庫に入ると、レザーマンが出て行くところで、
車に乗り込んで去ってしまう。
しかし、レザーマンと倉庫に入ったはずの
知り合いの女性は、そんなところには行っていないと証言。
キッドたちは、刑務所の皮剥ぎ男に会いに行き、
ジョディ・フォスター風の捜査官が、「ハンニバル」ごっこ
(犯人のプロファイリングをさせようとしたり)
その内に、目撃者の女性がレズらしい、と��、
自宅で、安陪清明のマーク(実はユダヤのダビデの星)が
飾られているのを見たりする。
次の日、倉庫で皮を剥がれた死体が発見される。
キッドはそれ以前に、皮剥ぎ男の、テレポートできる、という嘘を見抜いている
(車のハンドルの右左を、わざと反対に確認して、ウソを見抜く)
キッドは、目撃証言から、車のハンドルが逆、
つまり、車を運転していたのは、レザーマンではない、ということから、
真相を見抜く。
結局、監禁されていた女性が、ストックホルム症候群で、
犯人に同化して、レザーマンになっていた、という話
(「ハサミ男」、島田荘司の「切り裂きジャック百年の孤独」と
並ぶ、定番の、通称「男」実は「女」ネタ)
レザーマンの格好をしていた女性は、倉庫に一緒にいった女性の妹で、
倉庫にいった女性も、夫も、それを隠すために、嘘の証言をしていた
(キッドはポストに入っていた謎の宛名の手紙から、その存在を推測)
ここまでは、ホームズ風だが、あまり、しっくりと収まらない感じ
(犯人のほかに、ウソツキ共犯者が二人もいるというのも、
解答として美しくない)
なのだが、では倉庫の死体はなんだ、という話から、
真犯人は痴情のもつれから恋人を殺した、レズの目撃者、となる。
皮をはいだのは、最初は身元を示すダビデの星の刺青を切り取ったのだが、
レザーマンの犯行に見せるために、すべて切り取った後、
大胆にも、ダビデの星は、額に入れて飾っていた
(「刺青殺人事件」のメイントリックですらない、仮説トリックで、
あったんじゃないか?という話。刺青入りの体から、身元を隠すために皮を切るのは)。
最後は、皮製品を作り続ける、いかにも怪しい謎の語り手が、実は
ハロウィーンの仮装衣装を作っていた、夫の弟、ということが分かるオチ。
3作の中では一番良くできているが(特に、2段オチの辺り)、
やはり、前例がありすぎるというか、オリジナリティが感じられない。
構成などは、綺麗に作られているが。
問題の3本目
冒頭、精神科医(探偵)と、ベロベロに酔って、何かを頼まれるキッドたち。
そこから、時間飛んで、同じような状況で目覚める3人の男。
「ソウ」のような感じだが、部屋を出ると、無人の病院のようなところ、
3人は、ロッカー、医師、証券マンで、なぜか同じ顔をしている。
で、行き別れた3つ子ではないか、という話になる。
部屋には、不思議の国のアリスに出てくる小物のようなものがある。
ホールのようなところに行くと、殴られて重傷の女性(アリス)が
倒れている。
ここで、キッドたちが3人に合流。キッドはなぜか、3人の身元を
知っているが、3人の職業は、自称というか、変なところがある。
アリスの手当てができない医師、
ストラトキャスターとレスポールの違いを説明できないロッカーなど。
やがて、マザーグースの歌にならって、3人が順に、部屋に向かい、
死んだり消えたりしていき、最後に証券マンがいなくなる。
状況を理解しないピンクに、キッドは、自分��ちの登場の不自然さから説明
(3人が部屋をのぞき終わった直後に、自分たちが、部屋に出現している、など)
で、結局、すべては電脳世界のことであり、犯人が多重人格だったために、
裁判で、どの人格が犯罪を犯したのか、ということを限定する
必要が生じ(かなり、嘘くさい設定だが)
新発明の機械で、犯人の頭に入りこんだ、という
「セル」みたいな話。
電脳世界で何でもありなので、3人の男は不可能犯罪的な消え方をした。
そして犯人は、最後まで残った証券マン、ではなく、
最後まで生きていたアリス。
多少の意外性はあったが、まあ「そして誰もいなくなった」だし、
より直接的には、「アイデンティティー」という、クリソツな映画がある。
SF(なんでもあり)設定をミステリーに持ち込んでいる時点で、
失格なのだが、オリジナリティーもないという
(「奇偶」も、藤子不二雄の短編「ドジ田ドジ郎の奇跡」と
同じ話だったが)、
かなり、しょっぱいことになっている。
文章はスラスラ読めるし、見るべきところのない作品ではないが、
やはりイマイチ。
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「だらしない男の密室」
あまりこういう趣向の真相は好まないんだけど、細かな手掛かりが散りばめられていて、その面では楽しめた。
ネタバレなしだと非常に感想が書きにくい;
Bonus Trackは思わずニヤリ。
「《革服の男》が多過ぎる」
題名から考えて、最初に語られる《革服の男》や繰り返し描かれる《革服の男》が真犯人ではないのがすぐ分かってしまうけど、それはそれほど瑕疵にはならない。
ちょっとした状況の書かれ方や、会話の中に上手く紛れ込ませている複線が巧妙。
この本の中のベスト。
「三人の災厄の息子の冒険」
うーん……これは……。
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"――というわけで、そうすることと相成った" 久々のパンク=マザーグースはブックオフにて購入。『最低の帰還』は未読だが、いずれ読まねば。ブル博士がお粗末なのはいつものことだが、末尾のボートラに思わずニヤリの「だらしない男の密室」、ミステリとしては最も上質な仕上がりだった「《革服の男》が多過ぎる」、そして問題作ながらも山口雅也らしさを存分に堪能できる「三人の災厄の息子の冒険」と、今作も大いに楽しませていただきました。
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〈サイコミステリ〉な3短編。
「だらしない男の密室」4…少ないページ数なのにミスディレクションやどんでん返しなど内容は濃密。
「《皮服の男(レザーマン)》が多過ぎる」3…悪魔のいけにえ的羊たちの沈黙。鈍いぼくには珍しく犯人や動機がわかってしまった。
「三人の災厄の息子の冒険」3…ソウ/CUBE的世界観のアンチミステリ。