紙の本
石の上にも「10年」?
2010/10/17 18:22
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうどう - この投稿者のレビュー一覧を見る
サッカー日本代表にして横浜FマリノスのDF、中澤佑二のワールドカップ南アフリカ大会までの軌跡。彼が代表に駆け上がるまでの道のりは、まさに奇跡のような軌跡だ。ブラジル留学中、ビザを取得しに帰国したらチーム(FCアメリカ)に見捨てられ、傷心のさなか、恩師の村田義昭に頼まれてコーチをしていた三郷工技高とヴェルディ・ユースとの試合に歳を詐称して出場し、認められて練習生としてサテライト・チームの練習に参加することを許され……。9か月後には、シーズン終了とともにクビかと思われた矢先、総監督に就任した李国秀に拾われて正式契約。その後は開幕2試合目に先発出場すると、その年、あこがれの日本代表にまで上り詰める。
2002年の日韓ワールドカップには大会直前で選考から漏れて出場を逃すものの、次の2006年ドイツ大会では不動のセンターバックとして代表の屋台骨を支えるまでに成長し、10年前、「W杯にキャプテンで出る」と高校3年の卒業文集に書きこんだ夢の舞台に立つ。「どんな夢でも十年間追い続けることができれば必ず成就する」という好きな言葉を現実のものとした瞬間だった。
中澤の歩みを読んでいると、それはまさに奇跡だった、と言える。しかし、それは頑固に、ストイックに追い求めて妥協しなかったがためにつかむことができた栄光でもある。「不屈」の精神が成し遂げた、シンデレラ・ストーリーなのである。
しかし、まだ夢の途中でもある。中澤が何歳まで現役を続けるのか、何歳まで代表として選ばれ続けるのか、遅咲きの努力家の行く末を、期待をもって見守りたい。
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ワールドカップ南アフリカ大会での代表の内幕が細かく書かれています。外から見えていたものとのギャップに驚きました。また、自分の姿を赤裸々にさらけだす強さに好感がもてました。本当に真面目な人で、不器用な人なんだなと感じました
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プロ以前とワールドカップに焦点を当てた一冊。中澤佑二のストイックな一面を描き出していると思うが、あまりにも一面を強調しすぎているような感覚を受ける。あえてクラブチームでの中澤を全く書かったのだろうが、あまりいい印象を受けない。
自分がチームスポーツに向いていないこと、中澤佑二と友達にはなれそうもないことがわかった。
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カタールでのサッカーアジア杯は、僕の住んでいるタイでも全試合放送された。タイは日本よりも2時間遅れという時差も、テレビ観戦には都合がよく、日本でだったら日が変わった後の試合も翌日の仕事を気にすることなく観戦できた。期間中、仕事のために夜行便で日本に帰らないといけない日があり、それがたまたま韓国戦の日にあたり、かつ、スワンナプーム空港のラウンジでは、サッカー放送を見ることが出来ず、韓国戦だけは見逃してしまったけれども、その他の試合は、全てテレビ観戦をした。Jリーグがオフの期間ということもあり、大会序盤はコンディションがあがっていない選手もいたようであるが、サウジアラビア戦を除き、手に汗を握る試合の連続で見ていて本当に面白かったし、結果も出てめでたし、であった。そのアジア杯に中澤は出場していなかったけれども、闘莉王と組んでセンターバックとして出場した、昨年の南アフリカW杯での出来は出色で、中澤・闘莉王のセンターバックコンビは、W杯出場チームの中でも、上位に位置づけられるのではないか、と思ったものだ。中澤は高校時代は全国大会への出場経験もない選手だ。高校卒業にあたってプロに誘われることもなく、そのままブラジルにサッカー修行に出かけている。帰国後も、最初はどこも拾ってくれるチームもなく、出身高校で練習に参加させてもらっていた。たまたま、出身高校とヴェルディユースとの練習試合で活躍したことにより、ヴェルディの練習生になることが出来、そこでの努力が実を結び、Jリーグの試合にも出ることが出来るようになり、チャンスをつかんでいく。この本の中のエピソードを読むと、とんでもない努力の人であることが分かる。まさに題名の通り、不屈、である。プロのスポーツ選手の名を冠した本は、どちらかと言えば、その選手を持ち上げる提灯記事的な本が多いような気がする。この本もそういう類の本かな、とは思ったけれども、まぁ、僕は中澤選手が好きなので手にとった。でも、読んでみると、この本は、きちんとした取材に裏付けられた、優れたノンフィクションだった。(筆者の中澤に対する思い入れが強い、やや強すぎること、を除けば)。サッカー好きにはお勧め。
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☆☆$$非常に面白かった。$$中沢のストイックさ、Wカップの舞台裏が垣間見えた。$$文庫になったら、手元に置いておきたい。
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『武田鉄矢・今朝の三枚おろし』というポッドキャストがあって、
そこでサッカーの中澤佑二さんの本が紹介されていたので、
読んでみました。
内容的には彼の小学生時代から南アフリカワールドカップまでの話しがまとまっております。
高校時代の恩師の話しやプロ入りまでのエピソードや
ワールドカップの裏話しまで…
書評ブログ:http://ameblo.jp/toshinobook/entry-11554155176.html