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例えば世界の国々の面積が広い順に3ヵ国なら言えるかもしれない。けど小さい順に3ヵ国は意外と言えない…私は考えたこともありませんでした。
この本では人口・GDP・軍事力・貧困率・食料自給率などなど様々な項目で昇順、降順にランキングして紹介してくれています。そうすることで日本が世界の中でどういった位置にあるのか、どんな課題があるのかが見えてきます。
2010年の本なのでさすがに最新のデータとはいきませんが、大人の学び直しに最適かと。
17刷
2021.3.13
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キューバは進学率が高い、先進国で日本は意外と高等教育への進学率が低い、など意外なことが多かった。最近の政治情勢からみても、ロシアは元々キエフという街を中心にして建てた国家だったことや、その後の分裂など面白かった。国政情勢面白い~
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〇岩波ジュニア新書で「学校生活」を読む⑤
眞淳平『世界の国 1位と最下位』(岩波ジュニア新書、2021〔19版〕)
・分 野:「学校生活」×「社会科」
・目 次:
はじめに
第Ⅰ部 地勢・人口
1章 面積
2章 人口
第Ⅱ部 経済・政治
3章 GDP(国内総生産)
4章 税金
5章 軍事力
6章 石油・天然ガスの生産、輸出
第Ⅲ部 社会
7章 貧困率
8章 食料自給率
9章 進学率
第Ⅳ部 これからの世界と日本
・総 評
本書は、世界各国について、9つの項目の1位(上位グループ)と最下位(下位グループ)の国々を紹介していく本です。著者は編集者・ライターで、これまでも環境問題・社会問題・国際関係に関する本を発表しています。
社会科の授業で使っている地図帳には「統計資料」が掲載されています。そこでは、各項目の上位5ヵ国は赤字で、下位5ヵ国は青字で記されています。しかし、なぜ、これらの国々が上位(下位)なのか、あるいは、どのような影響があるのか――そうした地図帳には載っていない、一歩踏み込んだ内容が本書では解説されています。この本を読んで面白いなと思った点を、以下の3点でまとめます。
【POINT①】 世界各国の「面積」に注目してみよう!
ヨーロッパには、世界最小の国である「バチカン市国」がありますが、その他にも極小国と呼ばれる国々が存在します。いずれも「ユニークな歴史や文化」を持つ国です。こうした国々は人口も少なく、主要な産業も限られているため、国家の収入を確保するために「税金」を工夫しています。即ち、所得税や法人税の税率を低くして、世界各国から富豪や多国籍企業を誘致しています。そのため、欧米先進諸国は、こうした国々を「タックス・ヘイブン」(租税回避地)と呼んで、非難するケースもあります。いずれにしても、国家の「面積」と「税金」がお互いに影響し合っているという点は面白いのではないかと思います。
【POINT②】 世界各国の「人口」に注目してみよう!
世界の人口は毎年増加していますが、著者は、その「増加率」に注目します。即ち、一九七〇年からの三〇年間で、女性が生涯に産む子どもの数(出生率)は四割も減少し、二〇五〇年には出生率が二・〇前後になるという予想もあるそうです。その結果、人口大国で知られる中国やインドでも「少子高齢化」の時代が到来し、現在の経済成長を阻害する大きな要因になると考えられています。また軍事大国で知られるロシアでも、若年層人口の減少によって軍事力が低下する可能性が指摘されています。日本でも少子高齢化問題は議論されてきましたが、今後は、世界全体で考えていく必要のある問題と言えるでしょう。
【POINT③】世界各国の「資源」に注目してみよう!
石油や天然ガスといった「資源」を持つ国は、多くの資金を得るだけでなく、外交にも上手く利用しています。例えば、サウジアラビアは民主的な選挙がなく、徹底した宗教教育を行うなど、欧米の価��観とは相容れない制度を持っています。しかし、アメリカに石油を供給することで密接な関係を築き、国際的な批判をかわしています。また、ロシアは天然ガスを武器に、それを輸入するヨーロッパ諸国に大きな影響力を持っていることは、ウクライナとの軍事衝突を報じるニュースでもよく指摘されています。こうした国々に対して、資源に乏しい日本は、どのように渡り合っていくのかを考えていく必要があるでしょう。
国際情勢を知るための9つのキーワードについて、そのランキングの上位(下位)にいることが、どのような意味を持つのかを分かりやすく解説している点が、本書の魅力です。ただ、注意が必要なのは、本書が刊行されたのが10年以上前(2010年)であるため、一部の記述が古くなっています(例えば、中国の「一人っ子政策」〔2014年廃止〕に関する記述や、ウクライナが親ロシア国として記述されている点など)。しかし、著者が今後の国際情勢について分析した第Ⅳ部の内容などは、2022年の今日から見ても、非常に的確な指摘になっています。特に社会科が好き(得意)という人は、非常に参考になると思うので、是非、手に取ってみてください。
(1486字)
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眞淳平(しん じゅんぺい、1962年- )は、ライター・編集者。
東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程、法政大学大学院社会科学研究科修士課程修了。集英社勤務を経て(有)エコ・パブリッシング代表。環境問題、社会問題、国際関係等が専門
10年前の本だから最新ではないんだけど、イデオロギー抜きにしたデータの集積の本で面白かった。数字を意識しないといかに思い込みとらわれるかということがわかる。日本は地図的に小国だとなんとなく思い込んでたけど、国土面積は上位30%だし、海入れたら世界6位だし。日本の軍事予算はGDPの0.98%でG7に比べて低いらしい。
大国・・・ロシア、アメリカ、中国
小国・・・バチカン、モナコ、サンマリノ、リヒテンシュタイン、マルタ、アンドラ、ナウル、パラオ、トンガ、キリバス
日本の国土面積・・・世界60位。上位30%でやや大きい島国、海を入れたら世界6位
日本人口1億人・・・世界10位
老人人口20%以上・・・超高齢化社会。日本は世界一の高齢者大国。2位イタリア3位ドイツ
人口最小・・・バチカン、ツバル、ナウル
政府予算が大きい国(税金が高い国)・・・アフリカのレソト、フランス、ハンガリー
国民負担が小さい国(税金が安い国)・・・産油国、アラブ、ドバイ
軍事予算が高い国・・・アメリカ50兆円で世界の40%
日本の軍事予算・・・4兆円。
軍事力が世界一小さい国・・・この非武装国家の例としては、中米のコスタリカ、パナマ、ヨーロッパのアイスラン ドやリヒテンシュタインなどがあります。バチカンもそのひとつであることは前述したこれらの国では、さまざまな理由によって、軍隊を持つことをやめています。
さらに中国との間には、「尖閣列島」という島嶼地域の帰属をめぐる問題もありま す。また、日本最南端の島である「沖ノ鳥島」を、中国は「島」ではなく「岩」だと主 張しています。もしこの主張が認められてしまえば、日本の排他的経済水域の面積はそ の分小さくなってしまいますから、日本政府もこの問題には敏感になっています。
そこから反転して、中国の急速な成長がはじまるきっかけとなったのは、最高指導者 の部小平が、一九七八年にはじめた「改革開放路線」です。 彼はこの時期、政治面では社会主義と共産党が指導する体制を維持する一方で、経済 面では資本主義の要素も取り入れた柔軟な政策を開始します。 たとえば、ある特定の地域に「経済特区」をもうけ、そこに外国の資本を積極的に誘 致するなど、これまで見られなかった取り組みを実施しました。また農村では、効率の 悪かった「人民公社」が解体され、家族単位での農業もおこなわれるようになりまし そうした政策は、働けばそれだけ多くの収入が得られる、という意識を人々にもたら しました。これによって、中国の経済規模を示すGDPは、飛躍的に成長をはじめたの です。その勢いは、一九九一年以降、経済成長率が毎年一〇%前後を記録しているとい うほど��す。 このままの傾向が続くと、二〇五〇年までには中国のGDPがアメリカを追い越し て、世界一になるという予測もあります。現在の中国経済には、そうなってもおかしく はないほどの勢いが感じられることもたしかです。
近年、日本近海で、中国海軍の活動が目立つようになってきています。 たとえば二〇一〇年四月には、駆逐艦や潜水艦を含む中国海軍の艦隊が、東シナ海で 訓練をしたり、沖縄本島と宮古島の間の海域を通り抜けたり、といった事態が目撃され ました。これまで中国は、日本に警戒心をいだかせるこうした活動をほとんどおこなっ てきませんでした。そのためこれは、中国が東アジアの海域における存在感を高めよう とする活動の一環ではないか、と日本の多くのメディアが伝えたのです。
その一方で、日本の軍事予算の規模を見たときに、気づくことがあります。経済( DP)とくらべた場合の割合が、比較的低いことです。日本では、軍事予算がGDPに 占める割合は、二〇〇七年の数字で〇・九三%。一%を下回っているのです。 これに対して、アメリカは三・九九%、イギリスは二・二八%、フランスは二・三七 %、中国は一・四二%、ドイツでも一・二七%という水準です。このうち、中国の軍事 予算は実際にはさらに大きい可能性がありますから、この数字も本当はさらに大きなも のだと考えられます。ほかの主要先進国を見ても、日本よりこの割合が小さい国は、デ ンマーク(〇・九%)とルクセンブルク(〇・五七%)、そしてあとで紹介するアイスラ ンドくらいです。 日本の軍事力は、金額で見れば世界でも有数の大きさですが、経済とくらべればかな り小さい規模に抑えられている、ということができそうです。
この非武装国家の例としては、中米のコスタリカ、パナマ、ヨーロッパのアイスラン ドやリヒテンシュタインなどがあります。バチカンもそのひとつであることは前述し した。これらの国では、さまざまな理由によって、軍隊を持つことをやめています。
たとえば、データのある世界175の国・地域の中で、穀物自給率が100%以上の国は、たった2割弱の33%しかありません。 その一方で、穀物自給率が20%を下回っている国・地域の数は全部で40。50% を下回っている国・地域の数は69。80%を下回っている国・地域になると、全体の65%近くの112もあります。こうした国や地域では、程度の差こそあれ、消費する 穀物のうち、かなりの部分を輸入に頼らざるを得ないのです。